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2010年3月19日(金)

“ガンホーカンファレンス2010”レポ、『RO』3次職実装は6月を予定

文:電撃オンライン

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは3月13日、秋葉原UDXシアターにて“ガンホーカンファレンス2010”を開催。MMORPG『ラグナロクオンライン(以下、RO)』および、『エミル・クロニクル・オンライン(以下、ECO)』の最新情報が発表された。

 一般プレイヤーも入場無料で参加できた本カンファレンスは、前後半の2部構成となっていたが、本記事では前半、第1部の『RO』についてお届けする。

 昨年12月に行われた『RO』のプレイヤー向けシンポジウム“2009WINTER”は、日本運営であるガンホー側のみが出席し、来場者との質疑応答を中心に実施されたが、今回は開発元であるGravityの開発/企画スタッフ2名の出席が、大きなポイントとなっている。第1部の司会進行を勤めたのは同社第一マーケティング部第一企画課・中村聡伸氏。その他の登壇者は以下の6名。

・ガンホー・オンライン・エンターテイメント
執行役員 ゲーム事業部オンライン本部 本部長 飯野平氏
ゲームサービス部一課 課長 廣瀬高志氏
ゲームサービス部一課 主任 大岸秀典氏

・Gravity
CTO 堀誠一氏
開発1ディビジョン長 ホン・サンギル(Hong Sangkil)氏
RO1スタジオ企画チーム チーム長代理 ヤン・フンテック(Yang Hoontaek)氏

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』
▲左から堀誠一氏、ヤン・フンテック氏、ホン・サンギル氏、廣瀬高志氏、大岸秀典氏、飯野平氏。

■待望の3次職実装および大幅改修アップデートは6月を予定

 『RO』カンファレンスはまず最初に、GravityのCTO堀氏から改修アップデートがなぜ韓国版『RO』で行われたのかの意図と、日本向け“SakrayJ”への対応について説明がなされた。これについては2009年7月のインタビューでも同様のことが語られているが、改めてお伝えしよう。

 堀氏は『RO』にリニューアルが必要な理由は大きく分けて3つあり、1つはシステム限界の克服、2つ目はクライアントとサーバへの余力追加、3つ目は既存システムとゲームバランスの問題修正を挙げた。

 1つ目のシステム限界克服とは、『RO』が開発された当初は“100”という数字がすべての計算式の基準であり、上限となっていたが、10年近い長いサービスの間にコンテンツがふくらみ、この数字に限界が見えてしまったことを指す。今後『RO』を拡張していくためには大改編が必要であり、韓国では2年近い期間をかけて、この計算式そのものの改修を行った。2つ目のクライアント&サーバの余力追加は、計算基盤の修正とは別に、新コンテンツ追加のためにクライアントとサーバの問題修正が必要だと語った。

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』 『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』

 続けて堀氏は、日本向けのリニューアルが当初の予定よりもだいぶ遅れていることについて、3番目のバランス調整という点を交えつつ解説した。堀氏によれば、現在の『RO』プレイヤーが、『RO』で楽しいと思ってくれている部分は、リニューアル後も可能な限り残したいと説明。しかし、その残したい部分が2番目のクライアント修正の足かせになっている場合もあるという。

 また、日本以外にもブラジル、ロシア、タイ、インドネシアなど海外でサービス展開している『RO』は、そのサービス期間や国ごとのプレイスタイルも大きく異なり、残したいポイントも各国で違うそうだ。そのためリニューアル後のバランス調整は、日本だけでなくその他サービス国への配慮も必要で、日本向けの独自変更点の範囲をどこまで広げるかによって頻繁なアップデートが難しくなるリスクをはらんでいるという。さらに、すでに韓国では一度実施されたリニューアルを再改修する必要があるため、開発にかけるリソースの問題、ソースコード管理の複雑さもあり、日本向けリニューアルに時間がかかっていると語った。

 次に廣瀬氏が、2009年9月のエボプロSNSオープン&SakrayJ第1期テストから、現在までのリニューアルまでの流れを解説。第1期テストのレポート収集、Gravityへの日本からの意見・要望の提出を経て、リニューアルおよび3次職の実装は2010年6月予定と発表された。2010年3月という前回の発表からさらに3カ月の延期となるが、3次職を心待ちにしているプレイヤーには朗報といえるだろう。

■日本向けリニューアルが目指す姿とは

 続けて日本向けのリニューアルが目標とするところ、そしてステータス値やスキル効果、詠唱時間がどう変わるのか、具体的な内容が説明された。ダメージ計算式とその数値についてなど、かなり『RO』をやりこんでいる上級プレイヤーの内容ではあるが、順番に紹介していこう。

●ステータス値とキャラクター成長

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』
▲グラフの青い線が現在の日本仕様、緑の線が韓国仕様、赤い線が日本リニューアル後の仕様となる予定だ。

 廣瀬氏はまず、STR値の上昇と与ダメージのグラフをサンプルに、ステータス値配分によるキャラクターの成長曲線の変更を解説。現在はSTR値を10あげるごとにAtkボーナスが攻撃力に追加され、STR値を強化するほどにプレイヤーには“キャラが強く成長している”という実感を与えていた。しかし、これによりダメージ値のインフレが生じ、新アップデートで登場するモンスターはより強く、より高いHPを持ち、ひたすらダメージ値の数字が大きくなるだけとなっていた。

 ところが、韓国で実装済みのリニューアルとまったく同じバージョンをSakrayJで体験したプレイヤーからは、逆にキャラの成長があまり感じられないという声が強くあがった。そこで日本版リニューアルでは、現在の仕様とも韓国の仕様とも異なる、独自の計算式が適用されるという。

●ASPD計算と状態異常耐性

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』

 ASPD(=攻撃速度)の計算式は、上方修正となる予定だ。今の『RO』では、ステータス値配分やスキルによるブースト、アイテムボーナスを加えてもASPDの最大値は190。レベルキャップは上位2次職も含めレベル99だが、3次職実装と同時にレベルキャップが150まで解放されるため、最大ステータス値の上昇によって当然ASPDを190以上に上げることが可能となる。

 ただし、廣瀬氏の解説によれば、プレイヤーが目で見て、実際に体感できるASPD値の表現の限界は、だいたい193らしい。そのためリニューアル後は、既存クラスのASPD最大値は190としつつ、3次職への転職後は190を超えられるように調整する。また、中盤以降の成長曲線がゆるやかになり、代わりに低レベル時は今よりASPDが上がりやすくなる。

 状態異常耐性は、現在の仕様ではVit値100によってスタン耐性100%が可能で、こちらもレベルキャップが解放されればVit値100(=スタン耐性100%)の実現が容易になってしまう。現在の仕様のままでは、Vit値100を達成した後はステータス値を上昇させる意味がなくなることを踏まえて計算式を再考していくとのこと。Vit値に限らず、ステータス値を上げる目的付けと、状態異常への耐性計算を検討するそうだ。

●スキルの効果

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』

 韓国では一部のスキル、たとえばストームガスト、セイフティウォール、ソウルチェンジなどに大きな変更が入っている。ただし、これについては日本版リニューアルでどうなるか協議中だという。廣瀬氏は「日本プレイヤーの今のプレイスタイルを守りたいが、強すぎるスキルなど、バランス調整のために変えざるを得ないものもある」と述べた。

●詠唱時間

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』

 詠唱が必要な魔法スキル、あるいはアーチャー系スキルのチャージアローは、DEX値150に達すると詠唱時間ゼロ、いわゆる無詠唱が可能となっている。韓国版リニューアルでは従来の詠唱時間を“変動詠唱”とし、さらに“固定詠唱”の概念を追加。固定詠唱はたとえDEX値150でも必ず一定の詠唱時間が必要となり、ブラギの歌やサフラギウムでは短縮できない仕様だ。

 固定詠唱も何らかのアイテム、スキルで短縮できる方法が追加されるようだが、無詠唱を目的にDEX重視でキャラクター育成をしてきたプレイヤーには痛手となりそう。日本のプレイヤー向けには、何らかの形で無詠唱に関するアンケートで意見を集め、ゲーム内に反映させる予定だ。また、固定詠唱について堀氏は「無詠唱へのカウンターという意味だけで、固定詠唱を追加したわけではない。詠唱というものが存在する意義を考えて、採用している」と解説を加えた。

●DefとMdef値

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』

 ステータスとディフェンスについても、最初に堀氏が述べた“100の問題、100の制限”にかかわる問題だ。現在Def100で物理攻撃のダメージが1に、Mdef100で魔法攻撃のダメージがすべて1になってしまう。よって、アイテムの性能や3次職以降のキャラクターの拡張性を考え、ダメージ計算テーブルを変更。また、防具に表示されている防御の数値自体が変わっていく。

 精錬による防御力アップについても、今の仕様から変更され、精錬値は+10から最大+20に、また+1ごとに付与される防御ボーナスも、+1~+4でボーナスは+1、+5~+8でボーナスが+2、最終的に+20に成功すれば防御ボーナスは合計+60となる。

●経験値テーブルとモンスターのバランス

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』

 既存職業の経験値テーブルは、現在の日本仕様をそのまま維持。モンスターの経験値とモンスター配置に関しては各国で独自に調整できるため、Gravity社と協議のもと、日本独自の調整を短いスパンで行う予定だという。また、イズルードマップへのMVPモンスター実装なども検討しているような話が、開発チームとガンホースタッフの間で出ていた。

●インターフェースの向上

 その他、ショートカットのページ増加や戦闘不能時のセーブポイント帰還再確認、スキルの効果時間が目で見て分かるスキルタイマーや、スキルディレイ表示、倉庫のタブ機能と検索など、以前から要望の強かった内容が実装される。

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』 『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』 『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』

■3次職への転職条件とステータスリセット

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』

 すでに上位2次職でLv99というコアプレイヤーも多数いる『RO』だけに、3次職実装後の転職については気にしている方も少なくないはず。転職条件の詳細は左のスクリーンショットを見ていただくとして、3次職転職時にステータスリセットが可能となるのがポイントだろう。

 ただ、そもそもゲームバランスが既存の『RO』と大幅に変わった後の世界で、どういったステータス配分がベストなのか、実装直後は模索することになるはず。それゆえにステータスのリセットが1回限りなのか、それとも一定期間は何度かリセットできるのか、という質問も来場者から出たが、これについては未定とのこと。

 リセットは3次職のみで2次職については適用されない。また、スキルリセットは今回は行われないとのこと。以前のカンファレンスで発表されて以来「職業のイメージとつながらない」「トゲトゲしている」と不評だった3次職のグラフィックスについては「具体的な修正作業に入っています。まだ韓国のSakrayでもテストしていませんが、よいタイミングで公開します。ルーンナイトも修正されます(堀氏)」だそうだ。

『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』 『“ガンホーカンファレンス2010”レポ』
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▲その他にも初心者へのサポートや、全『RO』プレイヤーが対象のSNSサービスの開始など、改修アップデートとは別に行われる、サービス強化が発表された。

 最後に廣瀬氏は、来場者に向けて「プレイヤーのことを第1に考えてリニューアルおよびアップデートを続けていきますが、Gravity側の企画意図もくみつつ、よりよい『ラグナロクオンライン』にしていきたい。そのためにもご意見、叱咤激励をいただきたい」と述べた。

 『RO』というゲームを根幹から変えてしまうということで、かなり賛否両論の激しかったSakrayJこと改修アップデートだが、やはりここを進めない限り3次職実装だけではなく『RO』そのものに明るい未来がやってこない。何か大きな変化があれば、それを受け入れられないプレイヤーがいるのは致し方ないことだが、廣瀬氏を始めとする登壇者は発表内容について、「現在のプレイ感を可能な限り損なわない方向で改修を行っていく」と何度も強調していた。今の『RO』を愛し、長いこと遊んでいるプレイヤーは、この言葉を信じて6月のアップデート実装日を待っていてほしい。

(C)Gravity Co., Ltd. & Lee MyoungJin(studio DTDS). All rights reserved.
(C)2010 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

データ

▼『ラグナロクオンライン』
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■サービス開始日:2002年12月1日
■プレイ料金:1,500円(税込)/30日

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