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2010年4月2日(金)

国内外から1,100人を超える魔法使いが集結! 『MTG』グランプリ横浜参戦レポ

文:電撃オンライン

■ 第6回戦 ■

 5-0という成績であったため、なんとフィーチャリングマッチに呼び出される。フィーチャリングマッチとは、いわゆる“注目の試合”のことで、あとで聞いてみたところ、今回は対戦相手が独創的なデッキを使っており、それを紹介したいためにフィーチャーされたようだ。

 1本目、開始早々“アーティファクトでもあり、土地でもある”という見慣れないカードが戦場に並ぶ。こちらが土地を置いていると相手は《加工》から《クラーク族の鉄工所》という、まったく知らないカードを手札に加える。カードを確認させてもらったところ、アーティファクトを生け贄に捧げることで2マナを出すというカードだった。「マナがいっぱい出るのか」と思っていると、相手は《クラーク族の鉄工所》でマナを生み出し《マイアの保育器》という、またしても知らないカードを戦場に出す。このカードはデッキの中のアーティファクト・カードを好きなだけ追放し、その数だけ1/1のトークンを出すカードのようだ。そして、そのまま30体オーバーの1/1トークンが現れ、なすすべなく敗北してしまう。

 2本目。相手はまたしても速攻の構えを見せるが、こちらは《翻弄する魔道士》で《マイアの保育器》を禁止にしてストップをかける。すると、これが致命的だったようで相手の動きが一気にスローダウン。そのまま、相手が対抗策を見つけられないうちにコンボを決めて1本取り返すことに成功する。

 3本目。今度も2ターン目に《翻弄する魔道士》が登場。どうやら、相手は他の勝ち手段がほとんど入っていないようで、そのまま《集団意識》を経由せずに《タイタンの契約》で4/4のトークンを戦線に加え、ダメージでの勝利に成功。6-0と、初日の通過ラインまであと1勝というところまできてしまった。

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▲フィーチャリングマッチの様子。見たこともないデッキが相手だったが《翻弄する魔道士》、《タイタンの契約》がよく働いてくれた。試合後に調べてみたところ、相手のデッキは“アイアンワークス”と呼ばれるもので、かつて一世を風靡したコンボデッキだったようだ。

■ 第7回戦 ■

 第7回戦。いよいよここを勝てば初日突破ということで、いよいよ緊張感が増してくる。

 1本目。ゲームが始まると、対戦相手は《面晶体のカニ》、《不可思の一瞥》で、自分のライブラリーを大量に墓地に落としていく。“ドレッジ”という墓地にあるカードを使ったデッキらしい。そのまま《溺れたルサルカ》、《恐血鬼》、《黄泉からの橋》のコンボが炸裂し、《黄泉からの橋》の効果で大量の2/2トークンが出現。こちらのライフがあっさりとけずられてしまった。

 2本目。サイドボードから投入した《翻弄する魔道士》に頼りたいが、何を指定すればいいのかよくわからない。悩んだ末にカードを10枚墓地に置ける《不可思の一瞥》を禁止に指定する。これが功を奏したのか、相手の動きが鈍り、その間にコンボを決め、星をイーブンに戻す。

 3本目。相手は《面晶体のカニ》でライブラリーをけずりつつ《溺れたルサルカ》、《ナルコメーバ》とクリーチャーを展開。墓地にあった《戦慄の復活》で《エメリアの盾、イオナ》を戦場に出す。これによってこちらは青の呪文が封じられ、そうなると逆転の目はなく投了。初日突破はお預けとなった。

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▲まったく軸の異なる動きをする“ドレッジ”デッキ。墓地のカードを追放する呪文には弱いが、型にはまった時の破壊力は圧巻のひと言だ。

■ 第8回戦 ■

 対戦相手は、本日2回目となる“Zoo”デッキ。“Zoo”は《野生のナカティル》をはじめとするマナ・コストの軽い呪文を中心にしたクリーチャーデッキで、採用されているクリーチャーに猫やライオンが多いため“Zoo(動物園)”と呼ばれている。

 1本目は、こちらがコンボに必要なカードをそろえられないうちに、高パワーのクリーチャー群によってライフをけずられ敗北。先ほど引けば勝つと書いたが、必要なカードを引けないコンボデッキほど弱いものもないと実感。

 気を取り直して2本目にのぞむと、対戦相手が《翻弄する魔道士》を唱える。当然、禁止されたのは《集団意識》。そして、さらに2体目の《翻弄する魔道士》が現れる。《炎渦竜巻》があれば何とかできたものの、引くことができないままライフをけずられ、敗北。アっという間に後がなくなる2敗目を喫してしまった。

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▲対コンボデッキ用に活躍してくれた《翻弄する魔道士》は、こちらのデッキにもクリティカルヒット。味方にすると頼もしいが、敵に回るとこれほど厄介な相手もいない。

■ 第9回戦 ■

 いよいよ最終戦となる第9回戦。勝てば初日通過、負ければ初日敗退だ。こんなに勝てるとは夢にも思っていなかったが、ここまで来たら勝ちたいという気持ちが強くなってくる。そして、対戦表を見てみると外国人のプレイヤー。名前を見てみるとBrian Kiblerとなっていた。写真撮影をしていたスタッフによると、Brian Kiblerは2009年10月に開催された“プロツアーオースティン”の優勝者であるとのこと。思わぬビッグネームとのマッチングに、試合前から緊張が走る。

 1本目は、コンボカードをそろえる前に《密林の猿人》、《タルモゴイフ》といった高パワーなクリーチャーに圧倒され、敗北。いよいよ後がなくなる。2本目は、スムーズにコンボが成立し勝利。相手も《バントの魔除け》で妨害してきたが、こちらはさらに《否定の契約》があり、相手はマナを支払えなかった。

 そして3本目。またしても相手が《翻弄する魔道士》からスタートする。《集団意識》を封じ込められ、さらに2体目の《翻弄する魔道士》が登場する。何とか《タイタンの契約》の4/4トークンで奇襲することで1体は除去できたが、ここで手詰まり。《野生のナカティル》にライフをけずりきられ、3敗目を喫することとなった。

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▲Brian Kiblerといえば、この高速シャッフルがトレードマークだそうだ。確かにすごいスピードだった。そして、最後は《翻弄する魔道士》の前に完封負けとなった。

 こうして、初めてのグランプリ挑戦は6勝3敗の初日敗退という結果になった。残念ながら2日目に進むことはできなかったが、全9回戦、ほぼすべてタイプの異なるデッキと対戦し、見たこともないカードに驚きの連続で、エクステンデッドのおもしろさを存分に堪能することができた。

 これまではカードが足りない、環境が複雑すぎて把握できないと敬遠してきたエクステンデッドだったが、実際に遊んでみたら、そんなことは問題にならなかった。その気になればスタンダードのデッキでもトーナメントには出られるし、わからないカードは対戦相手やジャッジに質問すれば教えてくれるのだ。このグランプリ横浜で“エクステンデッド”の名前の通り、自分の『MTG』に対する興味がぐっと広がった気がする。

 これまで、エクステンデッドを敬遠していたプレイヤーも、ぜひ、この驚きと発見に満ちた環境を楽しんでもらえればと思う。

 →ベスト8以降の試合の模様をレポート!(5ページ目へ)

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[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]

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