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2010年4月15日(木)

『東京鬼祓師』インタビュー【世界観編 壱】日本の歴史を追体験できる舞台設定

文:電撃オンライン

 アトラスから4月22日に発売される、PSP用ソフト『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚(とうきょうものはらし からすのもりがくえんきたん)』の開発者インタビューの第1回を掲載する。

 『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚』は、『九龍妖魔學園紀』や『ペルソナ』シリーズなど数多くの學園ジュブナイルを生み出してきたアトラスが開発する、完全新作のAVG+RPG。鴉乃杜學園を舞台に、災厄を呼ぶといわれる“呪言花札”をめぐる物語が紡がれる。

 『電撃PlayStation』(アスキー・メディアワークス刊)で紹介した本作の開発者インタビューの完全版を、電撃オンラインで全6回にわたって掲載していく。お話を伺ったのは、ディレクター・遠山博一氏、シナリオ担当・川嵜暁氏、キャラクターデザイン担当・齋藤晋氏の3名。第1回となる今回は“世界観編 壱”をお届けする。(インタビュー中は敬称略)

『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚』
▲ディレクター・遠山博一氏

――『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚(以下、鴉乃杜)』には、独自の世界設定があると思うのですが、まず現代という時代設定についてお聞かせください。

遠山:時代はまさに今現在なのですが、実はそれよりも少し古い雰囲気を出している部分があるんです。そのまま現代だとやや特色に欠けるので、昔の雰囲気を出すことで“和”という本作の大きなコンセプトを強調しています。なので、現代だと鴉乃杜學園もピカピカの校舎とかになってしまうと思うのですが、何か壊せない理由があって古い校舎のままで建ち続けているという設定で歴史を感じる校舎になっていたりするんですよ。

川嵜:鴉乃杜學園は、物語上あの場所でなければいけない理由があります。すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、その他の場所についてもそれぞれに何らかの理由が用意されています。なぜその配置なのか、歴史の流れのなかでなぜそれらの場所はそうなったのか……。詳しいことはここではお話できませんが、いろいろと想像していただくと、また楽しみも広がっていくかもしれませんね。

――では、新宿という場所は、どのようにして決められたのですか?

川嵜:新宿という街はさまざまな作品の舞台になっており、私自身も思い入れがあります。何が起きても不思議ではない街、新宿を舞台にしようというのはかなり初期の段階からスタッフの総意としてありました。本作のコンセプトである“和”を表現するのにもふさわしいですし、新宿は富士山から皇居へと続く大きな龍脈の上にありますので、そういった点も物語や設定を作る上で大きな魅力となっています。

遠山:“和”が舞台でないと日本独自の感情などもあり、ストーリーがうまく進まないというのも理由の1つです。

『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚』

――ダンジョンにも“和”という世界観が生かされていますね。

遠山:そうですね。我々が以前参加した『九龍妖魔學園紀』はピラミッドでしたが、本作は新宿の地下にある洞窟が花札の影響で変化したという設定になっています。そしてせっかく花札という要素があるので、花札にある四季という要素もダンジョンに取り込んで秋のダンジョンなら洞窟内に紅葉が舞っていたり、冬のダンジョンなら雪が降っていたりと、美しい日本というものを表現した形にもなっています。それに、『鴉乃杜』では日本の史実をダンジョンの進行にあわせてなぞっていく形をとっているので、神話系であった『九龍妖魔學園紀』との違いも1つの要素として楽しめるよう配慮してあります。

川嵜:そうしたダンジョン内の変化には、ダンジョンに封じられている“カミフダ”から漏れ出した情報が洞窟内に作用しているという設定があります。簡単に言うと、カミフダが見てきた歴史がダンジョンに反映されているということですね。

『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚』 『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚』

――日本の歴史ということですが、どのあたりがモチーフになっているのでしょうか?

遠山:それは結構幅広くて、それこそ縄文時代から明治時代まで入っていますね。たとえば、八艘飛びとか弁慶が橋を通してくれないとか、どこかで聞いたことのあるような歴史の物語や要素がダンジョンの仕掛けとしてふんだんに詰まっています。日本の歴史を知っていれば、「あ、この仕掛けはあの時代のことなんだな」とか気付けて楽しめると思いますよ。ただ、歴史を知らないとクリアできないということはありませんので、あくまで知っているとより楽しめるという要素の1つですね。

――では、細かい設定のお話もお聞きしたいのですが、まず“鬼祓師”とはどういうものなのでしょうか?

遠山:いきなり核心にきますねえ(笑)。お答えしたいところなのですが、この言葉にはゲームの根幹にかかわる意味が込められていますので、現時点では秘密ですね。実はゲーム中にはそれほど出てくることはない言葉なのですが、ちゃんと意味があるので、そのあたり予想しながら遊ぶとおもしろいかもしれませんね。

――では、“秘法眼”はいかがでしょう?

川嵜:秘法眼は“共感覚”のようなもので、たとえば、紙コップを見た時に、それが何から作られているかがわかったり、本を手に取っただけで、そこにどのような内容が書かれているかが瞬間的に理解できる能力といった感じです。

――ゲーム冒頭に、秘法眼を持っているかどうかを判断する選択肢がありますが、あれは“はい”を選んでも“いいえ”を選んでも、どっちにしても選択肢が見えている段階で秘法眼の持ち主だってわかるんですよね(笑)。

川嵜:そうですね(笑)。ただ、選択肢によってちょっとした変化はあります。自分の性格ならどっちを選ぶか、という決め方でいいと思いますよ。

『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚』

→インタビュー第2回【世界観編 弐】は4月22日に掲載します。

(C)ATLUS CO.,LTD. 2009

データ

▼『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚』
■メーカー:アトラス
■対応機種:PSP
■ジャンル:RPG
■発売日:2010年4月22日
■価格:6,279円(税込)
 
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