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2010年4月21日(水)

2周目からが本当の『ニーア』だ! 王道で問題作(!?)な『ニーア レプリカント』レポ

文:サガコ電撃オンライン

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■登場キャラクターは個性的な輩(やから)ばかり。
両性具有の罵詈(ばり)雑言に、嗚呼……。

 さて、主要なキャラクターについてのご説明がまだでしたね。スタンダードなキャラ説明は、公式サイトを参照いただくとして、ここでは私の個人的なプレイ後の感想を交えながら、ご紹介したいと思います。

ニーア(少年期) CV:岡本信彦(『レプリカント』のみ)ニーア(青年期) CV:遊佐浩二(『レプリカント』のみ)
▲早くに両親をなくし、ヨナの親代わりとなって彼女を守ろうとするけなげな少年。いろんな意味でまっすぐすぎて、ヨナのためなら何を失うことをも恐れないところが愛おしくもあり、切なくもあり……。▲少年期に起こった悲劇をきっかけに、どこかしら陰のある青年へと成長。とはいえ、ヨナを思う気持ちは強く、ゆえにマモノに対する憎しみも強い。岡本さんの純粋な声から、遊佐さんの憂いの帯びた声への成長っぷりがすごく自然に感じられました。

ニーア(父)ヨナ CV:野中藍(『レプリカント』のみ)
▲こちらは父ニーア。兄ニーア同様、愛娘であるヨナを守るために戦います。見た目的なイメージかもしれませんが、なんとなーく兄ニーアよりもタフガイな印象を持ってしまうのは私だけでしょうか。▲“黒文病”に侵されたニーアの妹。頑張り屋さんなのはわかるのだけど、1人で頑張りすぎてお兄ちゃんを困らせる結果に。ロード中の日記を読んでいると、えもいわれぬグレーな感情が芽生えるのは、これまた私だけなのでしょうか……。むう。

白の書 CV:ピーター(『レプリカント』のみ)カイネ CV:田中敦子(『レプリカント』のみ)
▲伝説の書物として“黒文病”治癒のカギを握る。もの知りなわりにすっとぼけたところがあって、愛すべき存在その1。ピーターさんの声は、アンヘルとはまた違った存在感。ニーアといつでも一緒なのはわかるが、なぜお風呂まで着いていく、シロ……。▲両性具有の体のせいで、いじめを受けた過去を持つ戦士。どうして彼女が左半身をマモノに侵されてしまったのかも、作中で描かれるので必見。田中さんの声が、男性らしさと女性らしさのハザマにあるような、絶妙なニュアンスを醸(かも)しているなぁと感じました。『レプリカント』の自主規制音の回数は、ハンパない数になっております。

エミール CV:門脇舞以(『レプリカント』のみ)実験兵器7号 (CV:??)
▲見るものをすべて石化させてしまう目を持つ少年。かわいいながらも、自分の運命をなんとかしようと頑張る姿に、ちょっと涙。その過酷な運命を越えた先に待つものを見て、私は本当に涙が流れました。▲戦闘でニーアをサポートしてくれる不思議な魔法使い。プレイしていただければわかる。プレイする前からわかっている人にも、あえて告げる──この子は、か・わ・い・い!(断言) 愛すべき存在その2。大切な、大切な、仲間なのです。

 『ゲシュタルト』の英語音声も味があってステキなのですが、私は英語が達者ではないので、「やはり日本語音声のほうが耳になじむなぁ」というのが正直なところです。日本語であれば戦闘中の会話なども、字幕を目で追わずに聴くだけで理解できますし。

■プレイする前に知っておきたい
複数エンディングに向けての心構え(ネタバレなし)

 さてさて、両性具有のヒロインが下着姿だとか、あの『DOD』を作ったディレクターの作品なのだからきっととんでもないラスボスが待ってるに違いないとか、発売前からいろーんなウワサや評価が飛び交い続けた本作。いろんな情報を受け入れた上で、複数あるエンディングをすべて見た私の、率直な感想を言います。

「いろんな意味で、泣ける!」

 ……それ以上、私、言うことがありません。言えません。言いたいことが口の中を埋め尽くして、宝石になってばら撒かれそうなほどいっぱいあるんですけど……言えないです。人によって本当に感じ方が異なる作品だと思います。でも、私はおもしろくて、先が気になってとにかく夢中でプレイすることができました。

 まずこれからプレイされる方には“2周目”を前提にプレイされることをおススメします。1度目のエンディングを見ただけでは、世界の“真相”がわかりづらい仕掛けになっているからです。やるとしたら、ぜひ2周目まで。そして、更なる希望を求めるのであれば、是が非でもその先へと進めてみてください。

 周回プレイ時は、データが引き継がれますので、バトルもサクサク進められるはずです。また、物語的に区切りのよいところから再スタートするので「また最初から、これ全部見させられるの!?」的なストレスも軽減されています。

 そして──。
 最後のエンディングを見る前に、プレイヤーは“選択”を迫られることになります。
 その選択は、大変に重要なものです。
 覚悟をもって、臨んでください。あなたの愛を試されます。
 用意された終わりの形をすべて心に刻もうと思うのなら、どうするべきなのか。
 よく考えて、よく考えて、選択をしてください。

 システムとしては荒削りな部分も感じられますし、こういったテイストのファンタジックな物語そのものがなじまない、なじめない人には正直おススメできません。ですが、この心を締め付けられるような切なさは、なかなか味わえない感覚だと思います。少なくとも私はプレイ中、泣いたり、どんよりしたり、放心したりして、わりと大変でした(笑)。特に音楽がヤバイです。大音量で聴いているだけで、違う世界へと引っ張られそうになる曲ばかり。サントラも本当にオススメです。

 そんなわけで、私のハートをがっちりキャッチしたあげく、お空に放り投げて粉々にして、それを海に流して手を振って「さよなら~(超笑顔)」みたいな、お見事な後味を残してくれた『ニーア』。物語はとても王道的に見えて、救いのない部分も多々あるため、正直好き嫌いの分かれる作品になるとは思います。もし興味を引かれた方は、ぜひぜひ集中して、物語にどっぷり浸りながら遊んでみてください(崖の村の戦いが、何度やっても楽しいサガコ)。

『ニーア レプリカント』
▲プレイした人がエンディングを見て、ハッピーエンドととらえるのか否か(正直、どちらにとらえる人もいると思う……)。私もイチファンとして、非常に気になるところです。

(C)2010 SQUARE ENIX Co.,Ltd. All Rights Reserved. Developed by cavia Inc.

データ

▼『ニーア レプリカント』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS3
■ジャンル:A・RPG
■発売日:2010年4月22日
■価格:7,800円(税込)
 
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▼『ニーア ゲシュタルト』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:A・RPG
■発売日:2010年4月22日
■価格:7,800円(税込)
 
■『ニーア ゲシュタルト』の購入はこちら
Amazon

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