News

2010年4月23日(金)

【CβT最速レポ第26回】『バトルコロジー』後編・プレイレポート

文:電撃オンライン

 “新感覚A・RPG”というキャッチフレーズで発表された、アエリアの新作『バトルコロジー』は、すっかりお馴染みとなったこのジャンルに、『Age of Empire』シリーズや『伝説のオウガバトル』に代表されるRTS(リアルタイムストラテジー)要素を加えた、野心的なタイトルだ。そもそもコロジーとはなんぞや? という部分については先行プレイレポートを読んでいただくとして、今回はカジュアル寄りのアクションRPGと、じっくりこってり楽しむRTSは、果たしてうまく融合できたのか? という疑問点についてや、もう少し詳しいゲーム内容についてゴンタ丸がお届けする。

 ちなみに公式サイトのドメインを見る限り、本タイトルの略称は『バトコロ』のようだが、個人的には『トルコロ』という呼び方を布教してみたい。

ゴンタ丸の気になるキーワード5段階評価 ※★…1点、☆…0.5点
A・RPG度 ★★☆
RTS度 ★★★★
アクションの操作性 ★★☆
システムの将来性 ★★☆
バトル度 ★★★★


■アクションRPGにRTS要素を追加した野心的システム

 『バトルコロジー』の基本システムはA・MORPGで、そこにRTS要素を追加した形になる。RTSについては後述するとして、まずはアクション部分の操作法を見ていこう。

 操作はキーボードとマウスの併用で行う。WASDキーで移動し、スペースで回避行動。その他のキーで召喚するコロジーや建築物の選択、各種ショートカットの使用ができる。マウスは左クリックでカーソルのある方向へ攻撃、連打でコンボ攻撃、右クリックでスキル使用、右ドラッグでカメラ移動となる。ポイントはプレイヤーキャラクターの向き(移動方向)に関わらず、マウスカーソルのある方向へ攻撃できる、つまりキャラクターは正面へ歩きながら、右へ攻撃といった動きができるのだ。

 キーボードとマウスを同時に使うため、FPSやRTS特有の操作に慣れていない人には、少し難しいかもしれない。CBT終了後にはテスターからの要望を受け、今後のバージョンはパッド操作を前提に開発を進めるとの公式アナウンスがあった。しかし攻撃方向の指定やカメラ操作はパッドが便利だとしても、建築物の設置場所指定やターゲットした対象の詳細を見る時など、どうしてもマウスが必要な場面があるだろう。パッド対応にどんなインタフェースを作ってくるのかは興味深いところだ。キーボード+マウスの操作がちょっと不得手という人は、元祖WASD移動のFPS系ゲームをプレイして、練習を積むといいかもしれない。

『バトルコロジー』 『バトルコロジー』
▲操作方法を言葉で説明すると難しそうだが、とりあえず対象をクリックすれば、だいたいそちらを攻撃できる。▲プリーストは打たれ弱いため、コロジーを前に出して敵を食い止めないときつい。

■所属国ごとにキャラクターの職業とコロジーが変化

 『バトルコロジー』の世界には3つの国があり、それぞれが対立した関係という設定になっている。国ごとに特徴があり、所属国の選択によって、キャラクターや職業、召喚できるコロジーが決まる。

●ブレイブ連合国 ナイト

 ナイトやドワーフなど色々な部族で構成された連合国家。職業はナイトで、片手剣を使った近接攻撃やコンボを得意とする。コロジーは放物線を描く射撃、バリア展開など、攻めと守りがはっきりと分かれたものが多い。ナイトが苦手とする遠距離での攻防を、コロジーの能力でうまくカバーしたいところ。

『バトルコロジー』
▲素早い突き攻撃と範囲の広い斬り攻撃で接近戦はお手のもの。普通のアクションもので「ナイト」といえば初心者向けなことが多いが、『バトルコロジー』ではやや上級者向け。対戦で勝つには、少ないチャンスに確実にコンボを決める腕が必要になる。

●ハルモニア族 ベアキャット

 他国との交流を絶っていたため、伝承でしか知られていなかった獣人の国。ベアキャットは腕に装備したクロウでの近接攻撃……と思いきや、攻撃すると半透明の爪が少し離れた位置に出現する中距離型。姿を消したりトラップを仕掛けるスキルや、自爆するコロジーなどトリッキーな戦い方が得意だ。

『バトルコロジー』
▲有効範囲は広いが発動が遅いクロウ。通常攻撃からして、すでにトリッキーなキャラだ。ベアキャットを使うなら、短くも長くもない通常攻撃の微妙な間合いを把握することから始めよう。

●ミスティ帝国 プリースト

 魔法使いが集まった帝国。プリーストの基本能力は他2国に劣るが、通常攻撃が飛び道具で、回復やバフスキルを使えるのが強味。コロジーも遠距離タイプのものが多く、相手をダウンさせるなどして足止めしたところへ飛び道具の一斉射撃で仕留める、といった戦法がセオリーになりそう。

『バトルコロジー』
▲味方の防御力を上げる範囲バフスキル。効果中は他2職にも劣らない守備力となるため、交戦前には必ずかけておきたい。

■簡略化し遊びやすく調整されたRTS要素

 バトルフィールドは、パーティメンバーのみが入れるインスタンスダンジョン方式を採用している。ボス戦もある“チャレンジミッション”と、モンスターを駆逐する“フィールドバトル”の2種類がある。序盤のチュートリアルを除き、RTS要素があるのはチャレンジミッションであり、フィールドバトルはコロジーや建築を使わずに、プレイヤーキャラクターのみで戦う。

 ほとんどのミッションには他国のマスターが敵として登場し、拠点となる建築物を守りながら相手の陣営を崩せばクリアとなる。“シード”と呼ばれるクリスタルをクリックし、浄化することで自軍の所有にでき、所有シードが多いほど時間あたりの取得シードが増加。溜まったシードを消費してコロジーを召喚したり砲台などの建築物が設置できる。

 大量のコロジーを召喚し、大軍を率いてモンスターを蹂躙する快感はまさにRTS。コロジーへの指示は“集合”や“待機”など必要最低限のものだけで、全員での突撃が基本でありベストだ。コロジーの操作はわかりやすく簡単なので、RTS初心者でもすぐに軍勢を指揮する楽しさを味わえるはずだ。

『バトルコロジー』 『バトルコロジー』 『バトルコロジー』
▲一斉射撃で敵モンスターを攻撃! 1体あたりの能力は弱いが、数がそろうと驚くほどの強さを見せてくれる。▲コロジーを率いて敵陣に攻め入る様子。陣形などは気にせず、とりあえず集中砲火すればいいので操作は楽チンだ。▲防御力のあるナイトやベアキャットなら、プレイヤー自身をオトリにして敵を足止めし、後ろに待機させた遠距離コロジーで砲撃。ミッションが進むと難易度が上がり、一筋縄ではいかなくなる。

■RTSの真骨頂は対人戦にあり! しかし……

 キャラクターのレベルが5を超えると、対人戦用のバトルロビー(見習い)に入れるようになる。レベルによって見習い、熟練、マスターと別のロビーが用意されており、対戦のルールは個人戦とチーム戦の2種類だ。プレイヤーは1回の対戦で2回まで復活でき、相手を全滅させた側の勝ちとなる。

 一般的なRTSの対戦であれば、ランダムに生成されるマップから各種資源を集め、施設を建てて自陣を展開し、軍備の編成や攻めるタイミングなどを判断。マップ構成と資源の配置がランダムなため、プレイヤーの判断力や腕によって軍備が整うまでの時間に差が出てくる。しかし『バトルコロジー』は各プレイヤーのスタート地点付近に3つほどのシードが配置されており、プレイヤースキルに依存する部分が少なく、コロジー召喚数も全員ほとんど同数になる。操作するコロジーの選択も“単体”か“全体”なだけで、攻め方のパターンが少ない。歩兵で敵軍の進撃を止め、後ろに控えた弓兵で攻撃し、そのスキに騎馬兵が両翼から取り囲む……といった陣形や采配の駆け引きができないのも寂しいところだ。

 とはいえ、お互いに数十体のコロジーを率いてぶつかる様子は迫力があるし、1対1の場面では、相手を攻撃スキルで浮かせてからの追い討ちや、各種スキルによる駆け引きなど、プレイヤー同士の戦いが熱い。従来の戦略的RTSのような戦いを期待していると肩透かしにあうかもしれないが、『バトルコロジー』らしい対戦が楽しめると思ってほしい。

『バトルコロジー』 『バトルコロジー』
▲敵味方のコロジーが入り乱れる大混戦。それほど高いスペックのPCでなくても、スイスイ動いてくれた。▲対戦の内容は保存可能。早送りや巻き戻しだけでなく、視点を他プレイヤーに移せる。

■荒削りな部分もあるがキラリと光る戦闘システム

 アクション部分だけを見ると『バトルコロジー』は他社タイトルの『タルタロス』や『ルニア戦記』などには及ばず、前述のとおりRTS部分の評価は少し残念なもの。だが両方の要素を組み合わせた『バトルコロジー』として見ると、既存タイトルに勝るとも劣らない秀逸な部分は確かにある。マスターのスキル性能やコロジーの能力、対戦の仕様やアイテム効果などバランス調整は必要と思われるが、CBTの仕様でも充分に楽しめた。今後オープンBテストから正式サービス開始に向けて、どこまでブラッシュアップできるのかに期待したい。

『バトルコロジー』 『バトルコロジー』
▲味方を守りつつ、いかに敵の数を減らすかが勝負。押すだけでなく、引き際も肝心だ。▲CBT最終日にはGMがヒツジのアバターで登場し挨拶していた。ついでに記念撮影。
【ゴンタ丸/ライター】
 RTSは『Age of EmpiresII:The Conquers(AOC)』でデビューしたにわか組。終盤の戦いよりも、序盤~中盤の内政で自国が育っていく様子を見ているのが幸せ。ジャンル融合といえば、最近はRPG+FPSのRPS(role play shooter)に注目しているとこのこと。『バトルコロジー』はかなり気に入っているようだが、やはり呼び名は『トルコロ』を今後もプッシュしていくのだろうか。

Published by Aeria Inc.
(C)NPLUTO Corporation. All rights reserved.

データ

▼『バトルコロジー』
■メーカー:アエリア
■対応機種:PC(対応OS:Windows XP/Vista/7)
■ジャンル:A・SLG(オンライン専用)
■サービス開始日:2010年春予定
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

関連サイト