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2010年4月29日(木)

今年の“RJC2010”はここが違う! 本番直前に見どころをおさらい

文:電撃オンライン

 2005年に初の国内大会が開催され、今年で6回目を迎える『ラグナロクオンライン(以下、RO)』のPvP大会“RAGNAROK ONLINE JAPAN CHAMPIONSHIP2010(以下、RJC2010)”。この5年間で『RO』には2-2次職、さらには上位2次職の実装といった大きな変化があり、歴代RJCのルールもこれにともない少しずつ改修を繰り返してきたのだが、今年のRJC2010ではこれまでとはまったく異なる新ルールが採用されている。

 そこで今回はRJC2010新ルールの注意点と、試合の見どころを大会直前におさらい。知っているのと知らないのでは、試合観戦の楽しさが2倍違うので(当社比)、RJC2010出場ギルドの応援のために、あるいはギルドメンバーとのオフ会を兼ねて大型連休の1日をディファ有明で過ごそうと予定している読者は、本記事にぜひ目を通してほしい。

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■過去のRJCと何がそんなに違うのか?

 まずは大胆に変わったRJC2010新ルールを、過去のRJCと比較してみよう。とはいえ、冒頭で述べたとおりRJCのルールは出場可能な職業から、アイテムやカードの購入/使用制限といった部分で何度か大きな変更がなされているので、ここでの比較対象は前回大会、RJC2009とさせていただく。

●RJC2009ルールのポイント

・出場ギルドは1チーム最低7名、補欠を含めて10名構成
・職業は上位2次職のみ
・同じ職業の同時参加は不可
・所持Zenyは1キャラクターにつき10,000,000Zenyを支給
・アイテム毒薬の瓶、アシッドボトル、ファイアーボトルの購入上限あり
・マルクカードの販売無し

●RJC2010ルールのポイント

・出場ギルドは1チーム5~7名で、最小5名でも試合可能。補欠を含めて10名構成
・職業はすべての2次職・上位2次職から選択可能
・同系職の同時参加が可能に
(※2次職、上位2次職が混在できたRJC2007では、プリースト1名+ハイプリースト1名の組み合わせは、同系職の同時参加として認められなかった)
・メンバー構成にコスト制を採用
・全対戦マップを一新
・所持Zenyはギルドマスターへ20,000,000Zenyを支給
・アイテム毒薬の瓶、アシッドボトル、ファイアーボトルの購入上限無し
・マルクカードの販売あり

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 この他にも、細かい違いは多数あるがRJC2010新ルールの中でも、最も目立つ変更点が上記のものである。次に、この新ルールが試合にどんな影響を与えているのかを解説していこう。

 まず注目したいのは、構成メンバーにコスト制を採用したことである。すべての職業にコスト1~5ポイントが割り振られ、合計値21ポイント以内に収めねばならないのだ。

●RJC2010における職業ごとのコスト一覧

コスト 職業
コスト5 アサシンクロス、クリエイター、スナイパー、チャンピオン、ハイウィザード、パラディン、プロフェッサー
コスト4 クラウン、ジプシー、チェイサー、ハイプリースト、ホワイトスミス、ロードナイト
コスト3 ウィザード、クルセイダー、セージ、ソウルリンカ-、ダンサー、バード、プリースト、モンク、ローグ
コスト1 アサシン、アルケミスト、拳聖、ナイト、ハンター、ブラックスミス

 RJC2008/2009では、定番と呼ばれる構成が存在していた。ハイプリースト、ハイウィザード、パラディン、クラウン、チャンピオン、プロフェッサーの6名を主軸に、7人目にチェイサーを選ぶ構成だ。状況に応じて7人目のメンバーがジプシーやクリエイターになることもあるが、決勝大会に進出するギルドのほとんどが、この定番構成を採用していた。しかし、RJC2010で同じメンバーを揃えた場合、32ポイントと大幅にコスト上限を超えてしまう。チェイサーをジプシーやクリエイターに変えても結果は同じだ。

 ただし出場人数が最低5名というルールゆえに、少人数で高コストな上位2次職を複数入れるか、上位2次職を少なめにして最大7名のチームにするかは、各ギルドの戦略次第となる。

■RJC2010予選トーナメントはどんな戦いぶりになっていたのか?

 5月1日の決勝大会に出場するのは、下記の8ギルドに決定している。くまー将軍、☆★☆STAR DUST☆★☆、Greensleevesを始め、残念ながら敗退してしまった中にも常連ギルドの名前が多数あり、今回もかなりの激戦が繰り広げられた模様。

Aブロック代表ギルド:Latency(Eirワールド)
Bブロック代表ギルド:+Nirvana+(Freyaワールド)
Cブロック代表ギルド:Rampage...(Tiametワールド)
Dブロック代表ギルド:くまー将軍(Bijouワールド)
Eブロック代表ギルド:Greensleeves(Irisワールド)
Fブロック代表ギルド:☆★☆STAR DUST☆★☆(Lokiワールド)
Gブロック代表ギルド:Forza Diabolica(Thorワールド)
Hブロック代表ギルド:放課後ティータイム(Lokiワールド)

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 ブロック予選最終日には、ガンホー・オンライン・エンターテイメントを訪問し、実際の試合を見せていただいたのだが、いずれのギルドもコスト制によるメンバー構成には、相当頭を悩ませたようだ。これまでのRJCと見比べて明らかに違うのは、多くのギルドでハイプリーストとハイウィザードではなく、2次職のプリーストとウィザードを採用。また、守りの要として必須だったパラディンではなく攻守のバランスが良いロードナイト、火力としてのチャンピオンはやや減り、代わりにクリエイターを投入しているギルドが数多く見られた。

  もう1点、出場ギルドの多くが口にしていたのは、支給されるZenyの少なさであった。回復アイテムだけでなく、状況に応じて付け替える防具とカードの購入も無駄使いができない。また、装備品の共有ができない職業を補欠メンバーに含めると、資金がさらに苦しいため、これまたメンバー構成に影響してくるわけだ。

 どのギルドも自分達なりの戦略・戦術をいかすべく、熟考の末にメンバーを揃えてくるわけだが、中にはひどく相性の悪い構成がどうしてもある。これまでは基本構成同士の戦いになることが珍しくなかったが、RJC2010では相性の悪い対戦が組まれ、試合開始1分以内でケリがつくこともあり得る。

 会場で試合観戦をする場合は、2つのギルドがどのメンバー構成でくるのか、どんな試合展開になるのか、しっかりスクリーン上でチェックしよう。予想外のチーム構成がRJC2010の頂点を極める可能性も高いのだ。

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■RJCですっかりおなじみの中村聡伸氏にRJC2010について聞いてみた

 最後に、コスト制の導入や対戦マップを一新した目的などを、第一マーケティング部 第一企画課 主任にして、RJC解説者としてもおなじみ、中村聡伸氏にメールインタビューで聞いてみたのでお届けしよう。

──過去のRJCとRJC2010のレギュレーションにおける、最大の相違点を教えていただけますか。

中村氏:史上初となるコスト制の導入(5人からエントリー可能に)、使える職業の種類が28種類に、使用可能なアイテムや装備の追加、販売額の調整という3点が大きなポイントとなります。

──新ルール変更がもたらす影響は、具体的にどこにあるのでしょう?

中村氏:従来の戦術やメンバー構成などに見られた閉塞感が破られ、新しい対戦スタイルが生まれることが予想されます。

──コスト制を採用した理由を教えてください。

中村氏:限られたコストでメンバーを構成することで、RJC2009まで存在していた、いわゆる“鉄板構成”を作りにくくし、構成の相性によるメタゲームの要素を強くしました。戦いに出る前から、いろんなチーム構成をシミュレートする「楽しさ」を提供したいという気持ちもありました。公式サイトでは簡単なコスト計算機を設置していますが、予選トーナメント時点ですでに500以上がダウンロードされています。

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──実際に予選トーナメントをご覧になって、メンバー構成は去年までのRJCと比較して大きく変わりましたか?

中村氏:はい、大きく変わりました。目立つのはロードナイトの使用率が高いという点、また、火力がチャンピオン(モンク)のみの構成が減り、火力を担当する人(アサシンクロス、ロードナイト、クリエイターなど)が複数いて、「誰が倒されても、ある程度火力が確保される構成」が増えました。

──ギルドに渡される資金も20Mとかなりシビアになりましたが、その理由もあわせてお願いします。

中村氏:限られた資金でどういったチーム構成・戦略で勝ち抜き続けられるかを突き詰められるかを考えていただく形にしています。

──予選で最も多く見られたメンバー構成パターンを教えてください。

中村氏:多種多様な職業構成があり、絞れないというのが正直なところです。ここはまさに「狙い通り」なわけですが……(笑)。

 今年は凍結を防ぐ“マルクカード”があるため、ストームガストを主流にした足止めを使うギルドは少なくなりました。多く見られるのはクリエイターのアシッドデモンストレーションと、アサシンクロスのエンチャントデッドリーポイズン、ロードナイトのスパイラルピアースのいずれかを組み合わせた火力戦、という感じでしょうか。拳聖でティオアプチャギと温もりスキルを用いて、相手のSPを枯らせる戦術なども見られました。

 ユニークなところを挙げるとすれば、ロードナイト、クルセイダー、パラディンのソードマン系構成メインで、高機動と高火力を活かすギルドがありましたが、残念ながら敗退してしまいましたが。

──新レギュレーションでの、試合の見所を教えてください。

中村氏:従来はお互いに「陣地」を作って移動しながら戦うスタイルが多かったのですが、今回は混戦になることもあり、かなり白熱した戦いになっています。

──5月1日の決勝大会への出場選手および、会場に足を運んでくださるプレイヤー向けのメッセージをお願いします。

中村氏:今までよりもアグレッシブで、手に汗握る試合展開になると思います。従来よりかなり戦術が変わり、展開が読みづらいかもしれませんが、予想できない戦いもまた、今大会の魅力です。果たして、どのギルドがどんな作戦で頂点を目指すのか……、ステージに上がる方も、応援をされる方も「最高の戦い」をぜひ、お楽しみに!

──ありがとうございました。

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データ

▼『ラグナロクオンライン』
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■サービス開始日:2002年12月1日
■プレイ料金:1,500円(税込)/30日

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