2010年5月24日(月)
――Xbox 360に移植するにあたって、銃器のグラフィックは新しく作り直しているのでしょうか?
当時はフリーの素材を使ったりしていて、クオリティにバラつきがあたんです。でも、移植に移植を重ねているので、クオリティは上がっているはずです。
――ニトロプラスにはモデルガンがたくさんあるとのことですが、それを参考に3Dグラフィックを作っているのですか?
そういう名目で買ったものもあります(笑)。ただ単に趣味で買ったものもありますね。
――登場する銃のチョイスは、どのように決めたのですか?
半分リアル程度というか、意図したのは東京マルイで普通に売っている銃だけに絞ろう、というのがありましたね。なので、映画などでよく見るメジャーどころばかりなんです。『ファントム』で気に入ったら、トイガンを買ってきて気分に浸るのもいいだろうと。そんな入り口ぐらいに思っていただければ。
――変態武器は『吸血殲鬼ヴェドゴニア』や『続・殺戮のジャンゴ -地獄の賞金首-』で見てもらえばいいですからね(笑)。続いて、ここからは虚淵さん自身のお話になってしまうのですが、虚淵さんは今後もダークな作品を書いていくのでしょうか?
そういうわけではなくなっていきそうですね。いろいろなお引き合わせをいただいた結果、わりと最近はアニメに仕事の主軸がずれていっています。本当にいろいろなお仕事をいただけるので、非常に刺激になりますね。
――ということは、ラブコメのお仕事が今後増えたりということも?
一度、中村哲也さんと組んで『エンシェントミスティ』という作品をやらせていただいたことがあるのですが、ラブコメ自体は嫌いではないんです。でも、やはり先入観もあってか、そういうお仕事をなかなか回しづらいというのはあると思いますね。
――虚淵さんがシナリオを手掛ける新作ゲームのご予定は?
ゲームの方は、しばらく下倉バイオにまかせっきりになっちゃいますね(笑)。
――話は変わりますが、今回ニトロプラスがコンシューマに参入されましたが、本作以降はどういった作品を開発していくのでしょうか?
どうするんでしょうね(笑)。ただ、ポリゴンチームが野心を持って頑張っているので、彼らの活躍に期待する部分が結構あります。すーぱーそに子のチームなんかは、パンツの柄だけで1日悩んだとかよくわからない情熱を持っていますが。まあ、「その意気やよし!」ですよ。
あと、今社内でボードゲームをやりまくっているんですよ。これを発想の基礎として、何かに生かせないだろうかとは考えています。ゲーム性という意味で、ボードゲームの要素などを盛り込んでみるなど、あまり1つのスタイルにこだわらない方向でやっていきたいですね。
――ちなみに、『ファントム』の展開としてはこのXbox 360版が最後になるのでしょうか?
そうですね。ただ、10年残ったタイトルなので、もしかしたらこのまま20年残るかもしれないですね。あと、続編の構想もあるにはあったんですが、他のもので手一杯になってしまって……。
――それは20年目に続編を作っていただくということで(笑)。それでは、最後にファンにメッセージをお願いします。
旧作をプレイしている人にはわかるかもしれないのですが、アインが歌うシーンでいたずらを仕込んでいるので、度肝を抜かれると思います。また、10年生き残ったタイトルということで自信はあるので、新しく入ってきた人にも楽しんでもらえると思います。戦う美少女は昨今では珍しくないですが、それがあまりない時代に推していまだに生き残っているタイトルなので、ルーツの1つとして楽しんでもらえればと思います。
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