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2010年5月18日(火)

和製RPGを強く意識した新ブラウザゲー、『リネージュ外伝』先行プレイレポート

文:電撃オンライン

『リネージュ外伝』

 『リネージュ ~Eternal Life~(以下、リネージュ)』と『リネージュII ~The Chaotic Throne~(以下、リネージュII)』の運営元として知られるエヌ・シー・ジャパンが、5月18日、『リネージュ』シリーズ最新作『Lineage GAIDEN(以下、リネージュ外伝)』のティザーサイトを公開した。

 『リネージュ』および『リネージュII』の世界観をベースとしながら、まったく新しいカジュアルゲームとして開発された『リネージュ外伝』とは、どんな作品なのか。エヌ・シー・ジャパンを訪問して、尹軫永(ユン・ジニョン)さんと崔永学(チェ・ヨンハク)さんにゲーム解説を拝聴してきたのでお伝えしよう。

■『リネージュ』と『リネージュII』の時代をつなぐもう1つのアデン世界

 『リネージュ外伝』はFlashベースで制作されたRPG、ブラウザゲームと呼ばれるジャンルの作品だ。物語の時代設定は『リネージュ』と『リネージュII』になっているとのことだが、ストーリーに深いつながりがあるわけではない。あくまでアデン世界とそこに登場するクラス、アイテム名や地名などを共有している程度に過ぎない。プレイヤーはある日アデン大陸の話せる島に到着した冒険者。酒場で出会った不思議な男から“無限の塔”への鍵をもらい、そこから死の神シーレン復活を阻止するための、ダンジョンめぐりの冒険が始まる……というのが基本ストーリーだ。

 『リネージュ外伝』でプレイヤーが行動できるのは、冒険の拠点となる話せる島と、そこから直接つながっているダンジョンだけという、実にシンプルな作り。本タイトルだけのオリジナルクラス“アドベンチャラー”として、全14カ所のダンジョン(2010年5月時点)の踏破に挑戦するのが、主な目標となっている。プロローグで酒場の男からダンジョンの鍵を渡されたプレイヤーは、ダンジョンクリアによって次の鍵を獲得し、順次新たなダンジョンへの扉を開けることができる。

 さて、冒険の中心となるダンジョンだが、操作はカーソルキーまたは行き先をマウスで左クリックすれば2頭身のチビキャラがマス目に沿って移動。通路上のモンスターに触れると戦闘が始まる、シンボルエンカウント制を採用している。この時、モンスターの背後または側面から触れれば、先制攻撃を繰り出すといった有利な形で戦闘を開始できる。戦闘はプレイヤーとモンスター、お互いの素早さによって順番が決まるターン制だ。プレイヤーは4つのコマンドAttack、Skill、Item、Escapeから1つを選ぶが、制限時間などはないので状況を見ながら慌てず、じっくり考えて決めればいい。

『リネージュ外伝』 『リネージュ外伝』
▲話せる島で“ダンジョン入り口”を選ぶと、現在入れるダンジョンのリスト一覧を表示。レベルなどの前提条件を満たせば、新しいダンジョンの名前がNewアイコンと一緒に追加される。
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▲画面右上の顔アイコンが攻撃順を示す。素早さはキャラクターステータスのDEX値に依存する他、素早さをあげる支援スキルの影響を受ける。

 ダンジョン内部のあちこちには宝箱やワープポイント、HP/MPを回復するヒーリングサークルなどが設置されている。どこにも道がないのにある空間をクリックすると、透明な隠し通路が現われるといったギミックもあり、シンプルな見た目ほど一筋縄ではいかないのだ。

 1点だけ残念だなと感じたのは、レベルなどの前提条件によって開放されていくダンジョン内部の作りが完全固定なことだ。シンプル極まりない作りだけに、出現モンスターやギミックの難易度はそのままに、ダンジョン内部のルートが入るたびに変わるインスタンス方式だと、よりゲーム性に深みが生まれてよかったなあと個人的には思う。

『リネージュ外伝』 『リネージュ外伝』 『リネージュ外伝』

『リネージュ外伝』
▲スキルの割り振りは得意分野を絞って、慎重に行ったほうがよい。

 モンスターを倒すたびにキャラクターは経験値を獲得し、一定値に達すればレベルアップ。レベルが2上がるごとにステータス値と、スキルポイントが与えられ、これを任意のものに割り振ることで自分だけのアドベンチャラーを育成できる。スキルにはキャラクターの性能そのものを強化する“成長スキル”、武器を効果的に扱える“装備マスタリー”、各武器ごとに異なる攻撃スキルを習得可能な“短剣スキル”や“大剣スキル”などが用意されている。5月25日予定の正式サービス開始時は、レベル29が上限ゆえに、よくよく考えてからスキル習得を割り振らないと、中途半端な器用貧乏キャラクターになってしまうだろう。

 また、最初に酒場の男から鍵を渡される“無限の塔”は、他のダンジョンとは少々異なり、ランキングスコアが適用されている。これはクリア時間の速さやモンスターとの戦闘回数など、あらかじめ設定された条件に関して、『リネージュ外伝』プレイヤーのランキングが登録されるというもの。普段は完全にソロプレイの本タイトルだが、このランキングだけは他プレイヤーを意識できるシステムだ。

『リネージュ外伝』 『リネージュ外伝』
▲一度に連れて行けるNPCは3人まで。全部で7人のNPCが仲間になるので、誰を集中的に育てるかでダンジョンクリアの難易度や、戦略も違ってくる。

 『リネージュ外伝』のもう1つの魅力が、ダンジョン内で新たに出会うNPCたちの存在だ。冒頭で述べたとおり、プレイヤー=主人公は死の神シーレン復活を阻止を目的にダンジョンをめぐっているが、イベントスポットと呼ばれるエリアにキャラクターを進めると自動的に会話がスタート。志を同じくする仲間と出会い、その後はともに冒険に出かけられるのだ。本タイトルは完全なシングルプレイであり、他プレイヤーとの協力システムは一切備わっていないのだが、その代わりに最大6人のNPCから3人を選び、プレイヤーを含む4人パーティを組んでダンジョンを探索できる。6人の仲間は『リネージュII』に登場するクラスがベースとなっており、それぞれ戦闘スタイルが異なっている。ちなみにプレイヤーが操作するアドベンチャラーは直接戦闘もできるが、どちらかと言えば支援スキルが得意な後衛型。相性のよい組み合わせを自分で考え、育成していく戦略要素もしっかり備わっている。

『リネージュ外伝』 『リネージュ外伝』

■生産のキモは……カバン作り?

 ダンジョン探索と戦闘周りについてだいたいお伝えしたところで、今度は話せる島でプレイヤーができること、を紹介しよう。

 話せる島の町はダンジョンのように自由に歩けるわけではなく、メニューリストのセーブ、ゲームメニュー、アイテムショップ、合成ショップ、鍛冶屋からやりたいことを選ぶ。アイテムショップでは回復アイテム、合成に必要な素材などを販売。合成ショップでプレイヤーは購入した素材、ダンジョンで拾ってきたものを利用して料理、ポーション、呪文書、かばんの4つを生産できるのだ。ポーションは戦闘中の回復アイテム、料理は非戦闘中限定の回復アイテムで、いずれもアイテムショップで買うより合成したほうが効果が高い。鍛冶屋は、戦闘で減ってしまった武器と防具の耐久値を修理してくれる。ダンジョン内部で耐久値がゼロになると、その装備品は効果を発揮しなくなるので、場合によっては生死にかかわる。お出かけ前には耐久値のチェックを忘れずに。

 ユニークなのが“かばん”の合成だ。プレイヤーはアイテムとして最大3つのカバンを同時装備できる。カバンはもちろん、ダンジョンの宝箱で見つけたものや、モンスターが落とすアイテムを収納しておくインベントリのこと。新規キャラクターは必ず30スロット分の空きがあるカバンを1つ装備しており、残り2つのカバンで最大48スロットまで増やせるとのこと。ただし、合成でできるカバンにもランクがあり、最初のうちはスロット数の少ないカバンしか合成できないようだ。ダンジョン内部では、素材だけでなくドロップ率は低いが装備品が手に入るチャンスもあるので、カバンがいっぱいで泣く泣く捨てるなんてことがないよう、最大枠まで早めに広げておきたい。

『リネージュ外伝』 『リネージュ外伝』 『リネージュ外伝』
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■日本発のブラウザゲームとして“クラシックスタイル”RPGを強く意識した作品開発

 ここまでの解説とスクリーンショットを見て、「何だかレトロな作りのダンジョンとグラフィックスだなあ」とか、「NPCを仲間にして冒険するとか、有名なコンシューマゲームの“アレ”ぽいなあ」なんて思った読者も多いはず。確かに『リネージュ外伝』はどこか懐かしいファミコン風というか、PC-98時代のRPGを髣髴とさせる作りだが、これこそ本タイトルの特徴であり狙いなのだ。そのあたりを力説してくれた、ユン・ジニョン氏とチェ・ヨンハク氏へのショートインタビューを最後に掲載する。

『リネージュ外伝』 『リネージュ外伝』
▲エヌ・シー・ジャパン Business Strategy Teamスペシャリスト 崔永学氏▲NCsoft Japan Hitotsu Team企画担当 尹軫永氏

──まずお聞きしたいのが、お2人は韓国NC Softから日本の運営会社であるエヌ・シー・ジャパンへ、出向してらっしゃるんでしょうか?

ユン・ジニョン氏:いえ、私はNCsoft Japanに所属しています。これはNCsoftの子会社でして、もっと言えば日本向けの開発スタジオになります。エヌ・シー・ジャパンは日本におけるマーケティングとパブリッシャーを担当していますが、NCsoft Japanは今回の『リネージュ外伝』のような、実際の開発を日本で直接行っています。北米にもNCsoftの子会社としての開発スタジオがありますので、それと同じだととらえてください。

チェ・ヨンハク氏:NCsoft Japanは、plaync ユーザーに NCsoftの人気MMORPGを提供する以外にも、様々な楽しさを提供するために努力する専門開発スタジオなので、日本の現地ユーザーの趣向に合った楽しいウェブコンテンツを開発する事を主に行っており、今回の『リネージュ外伝』もその延長になります。

──なるほど、では『リネージュ外伝』のプロジェクトが動き出したのはいつごろでしょう。韓国でのサービスはもう開始しているのでしょうか。

ユン・ジニョン氏:実際の開発は、2009年の12月から約1年です。企画自体はもちろん、もっと以前からですが。『リネージュ外伝』は韓国ではサービスをしておりません。日本発のタイトルですね。

──タイトルも“GAIDEN”と日本語をそのままローマ字読みさせたものですが、なぜ今回日本向けにこういった作品を作られたのか、その意図を教えてください。

『リネージュ外伝』

チェ・ヨンハク氏:最初に申し上げたとおり、開発スタジオそのものが日本にありますので、日本語でまずは日本プレイヤーを意識したゲームを作りたいと考えました。また、企画自体が最初から“ブラウザゲームで新作を開発”というコンセプトで出発しています。今までのリネージュシリーズとプラットフォームそのものが大きく違うブラウザゲーということで、いきなり既存のNCsoft作品とかけ離れたものではなく、リネージュという親しみやすい素材を使って、さらに日本向けにJRPGを強く意識したものになったわけです。

──確かに、JRPGというか昔のファミコン風な画面ですよね。

ユン・ジニョン氏:ブラウザゲームの開発は我々にとっても初めての挑戦ですので、日本のプレイヤーに受け入れてもらいやすくするため、最近ではなくかつての『ファイナルファンタジー』シリーズや『ドラゴンクエスト』シリーズを意識しています。懐かしさが親しみやすさにつながればよいのですが。

──その時代のゲームを懐かしく思うのは、現在の35歳以上はメインなのですが……『リネージュ外伝』もその辺がターゲットなんですか?

チェ・ヨンハク氏:いえいえ、そういうわけではありませんよ(笑)。懐かしい! と思われるのは30代半ば以上かもしれませんが、このゲームを楽しいと思ってくれるのは、もっと幅広い年齢層のはずです。

──『リネージュ外伝』で一番力が入っているのはメインシナリオなのでしょうか?

『リネージュ外伝』

ユン・ジニョン氏:主にスキル周りに注力しました。プレイヤーが操作する主人公はアドベンチャラーという、『リネージュ』にも『リネージュII』にも存在しないクラスです。アドベンチャラーはどちらかといえば、敵の弱点を見抜いたり、攻撃を速度を弱めたり、逆に味方の速度を速めるといった支援スキルに優れたクラスです。JRPGのターン制戦闘システムでは、この支援系クラスの存在が戦略的な戦い方を可能にし、よりおもしろさを増す要素となっていますから、力をいれました。

──日本のRPGはお好きなんですか?

ユン・ジニョン氏:はい(即答で)。

──参考までに、子どものころから今までプレイした中で一番思い出深い作品を教えてください。

ユン・ジニョン氏:私は子ども時代、日本製のRPGと欧米のRPG、両方遊べる環境にありまして。だから思い出の作品と言うと『イース』シリーズ、『ウルティマ』シリーズ、『Wizadry』、『Might and Magic』などですね。

──ところで、『リネージュ外伝』とPC版『リネージュシリーズ』で何か連動するシステムはないのでしょうか。

ユン・ジニョン氏:まだ詳しいことは言えませんが、現在検討中です。

──それでは最後に、読者向けのメッセージをお2人からいただけますでしょうか。

ユン・ジニョン氏:『リネージュ外伝』のプロジェクトは開発にするにあたって、かなり冒険している部分がたくさんあります。慣れないブラウザゲームというプラットフォームでベストを尽くすために、日本の皆さんになじみ深いJRPGというスタイルを取り入れました。どんな反応がくるか楽しみにしていますので、皆さんぜひ、一度『リネージュ外伝』に触れてみてください。

チェ・ヨンハク氏:言いたいことは全部先に言われてしまいましたので、一言だけ(笑)。とにかく、日本のプレイヤーさんに『リネージュ外伝』を楽しんでいただきたいです。

──本日はありがとうございました。

『リネージュ外伝』 『リネージュ外伝』

Lineage II(R) and Lineage II(R) the Chaotic Throne are trademarks of NCsoft Corporation. 2003 (C)
NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage II the Chaotic Throne in Japan. All Rights Reserved.

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