2010年5月28日(金)
──そこはすごくよく分かります。私が見たのは英語版サービスだけですが、まさしく1本のパッケージソフトみたいなボリュームでスタートしましたよね。
金 裕羅氏:先ほど申し上げたように、その時期にちょうどT3 EntertainmentはHanbitSoftの買収を検討していました。T3 Entertainmentは、オンラインゲームの開発と運営を長く手がけていますから、もしFlagShip Studio自身が開発と運営を続けられなくても、代わって引き受けられるという判断になりました。リスクはあるけど行きましょうと。買収の話がまとまった段階でT3 Entertainment内部に『HELLGATE: London』チームが組織され、アメリカとの間を行ったり来たりしてFlagShip Studioの開発チームとコミュニケーションをとってきました。
──HanbitSoftの買収が決まった直後というと……。
金 裕羅氏:2008年8月頃ですね。ソウルとサンフランシスコを往復しながら開発を継続して、基本無料/アイテム課金制のMORPGとしてまとめ上げたのが、2009年11月のG★で発表された、『HELLGATE Resurrection』(ヘルゲート・リザレクション)です。ただしこれはコンテンツ面から言うと、もともと予定されていたアイテムを登場させ、バグを解消したものです。新エリアが加わるのは2010年4月に発表した『HELLGATE: Tokyo』からですね。
──日本のゲーマーとしては注目せざるを得ないマップ名ですね(笑)。
金 裕羅氏:まあ、そのマップのお話は後に回させていただくんですけど(笑)。このように韓国における『HELLGATE』のサービスは北米サーバーと異なり、『London』『Resurrection』『Tokyo』と、変更と追加を繰り返しながらも、ずっと継続されてきたのです。
今回HUEが考えているのは、これをただ日本に持って来ようという話ではありません。これから新しい『HELLGATE』を作っていこうという話なのです。私自身は先ほどのような経緯で、以前から『HELLGATE』に関わってきました。そして昨年には、HUEとして『HELLGATE』をこうしていくべきではないかという議論も重ねてきました。ゲームマーケットにとって重要な日本市場を舞台に新しい『HELLGATE』を作り上げる。そういう挑戦なのです。
──『アークサイン』のような、日本からの韓国への逆輸入を考えていると。
金 裕羅氏:HUEとしても、長らく『グラナド・エスパダ』のサービスに専念したあと、2009年末に『AIKA Online』と『アークサイン』に乗り出したところです。これから新しいジャンルに手を広げていくなかに、『HELLGATE』があるということですね。
6月11日から開始が予定されている評価テストは、これまで韓国で改良されてきたバージョンに、一部我々なりに考えた要素を盛り込んだ状態でスタートします。我々の考えが合っているか見ていただくとともに、さらに良くするための意見をいただきたいという段階です。
──単純に日本最適化バージョンを作ろうという話ではなく、Hanbitグループ全体での『HELLGATE』のサービスを見たとき、日本でこれから始まるバージョンがリニューアルの先頭を切るのだと考えてよいのでしょうか?
金 裕羅氏:そうです。日本で軌道に乗せたバージョンを、韓国やほかのアジア各国に持っていく形になります。HUEの手で再スタートを切るに当たっては、いろいろ考えるべきことがありました。以前のパッケージ版のイメージが残っているなか、どんな形で再アピールするのが効果的か。またゲームの中身についていえば、優れたテンポとゲーム性を変えずに、どうやってオンラインゲームに必要な“マラソン”的なコンテンツ消費ペースに切り替えていくか、などです。それらを検討するために必要な時間は十分に割いてきました。
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■『HELLGATE(仮)』評価・改善テスト概要