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2010年6月10日(木)

杜の都で名だたる魔法使いたちがしのぎをけずる!! 『MTG』グランプリ仙台レポ

文:電撃オンライン

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■ サイドイベント参加レポ ■

 会場では、本戦と同時に、今回もさまざまなサイドイベントが開催されていた。

 『MTG』のイベントでは、もはやおなじみとなったアーティストによるサイン会。今回は、吸血鬼デッキには欠かせない《マラキールの門番》や、赤の速攻デッキによく採用されている《地獄の雷》など、最近のカードセットで多くのイラストを手がけているカール・コピンスキ氏が来場。サインを求める人々に気さくに対応していた。

グランプリ仙台 グランプリ仙台 グランプリ仙台
▲筆者もお気に入りのカード《酸のスライム》にサインしていただいた。こうなると《酸のスライム》入りのデッキを作りたくなってしまう。

 さらに別の場所では、6月18日に発売される多人数戦用のカードセット『Archenemy(アークエネミー)』を使ったデモプレイも開かれていた。『Archenemy』は“スキーム(計略)”と呼ばれる専用のカードを使う、Archenemy(大敵)役のプレイヤー1人と、それを打ち破ろうとする3人のプレイヤーで行うゲームで、ロールプレイングゲームにおける“魔王と勇者のパーティのような戦い”を楽しめるセットになっている。

 Archenemy役のプレイヤーは、毎ターン“スキーム”カードをめくり、そこに書かれていることを実行できる。この“スキーム”カードには「4/6のクリーチャー・トークンを戦場に出す」や「カードを4枚引く」など、非常に強力な効果のものが多く、複数のプレイヤーを相手にしても十分に戦えるバランスになっている。中には「土地でないパーマネントすべてをそのオーナーのライブラリーに戻す」など、エゲつない効果のものもあり、“スキーム”カードがめくられるたび、デモプレイに参加したプレイヤーからは歓声と悲鳴が上がっていた。今回は参加希望者が多かったため、1対4でのゲームになっており“Archenemy”役のプレイヤーが倒され、世界の平和は守られていたようだったが、“Archenemy”役のプレイヤーが戦場全体に効果を及ぼすカードを多く採用し、多人数戦に合わせたデッキを組んでおけば、さらに白熱した戦いが期待できそうだった。

 なお、今回のデモプレイには、参加者はおのおの手持ちのデッキで参加していたが、それこそロールプレイングゲームのように、戦士役、魔法使い役というように、それぞれに役割を定めたデッキで挑むというのもおもしろそうだった。また、このカードセットには7月に発売される『基本セット2011』のカードが先行して収録されているとあって、そちらもプレイヤーの関心を呼んでいたようだった。

グランプリ仙台 グランプリ仙台
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▲“スキーム”カードは英語版のみだが“貴様らごときには分かるまい”、“我、万能なり”など、いかにも悪の権化といった仮訳があてられており、カード名を読み上げるだけで笑いが起こっていた。

 また、入口近くのスペースでは、初心者のプレイヤーに向けたガンスリンガー企画も行われていた。30枚のハーフデッキを使用して、ウィザーズ社のスタッフと対戦し、勝利するとブースターパックがもらえるというもの。

 ルールを確認しながら、ゲームを進めていく初心者のプレイヤーもおり、スペースにはちょっとした人だかりができていることもあった。このように興味さえあれば何かしら遊べてしまうのがグランプリのいいところである。

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▲勝てばブースターパックがもらえるおトクな企画。ゲームの進め方を確認しながらの初心者から、グランプリ本戦に参加するような経験者まで好評だったようだ。

 この他にも、カードショップが協賛し優勝者には豪華賞品が贈られた“レガシー・トーナメント”や、7月に開催される日本選手権の予選、4人で政治的かけ引きを行いながら戦う“エルダードラゴン・ハイランダー”、参加者が集まればすぐに開催される8人構築戦、8人ドラフトなど、さまざまなサイドイベントが開催されていた。

グランプリ仙台 グランプリ仙台
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 筆者も、そのうちの1つ、『エルドラージ覚醒』の“8人ドラフト”に参加。仲間内で行うドラフトではなかなか8人プレイヤーが集まらず、4人や6人のドラフトが多いが、グランプリ会場ならそんな心配はまったくない。アっという間に8人プレイヤーが集まり、ドラフトが行われることとなった。

 1パック目。自分の開けたパックには、目を見張るような強力カードはなく《オーラのナーリッド》をピック。《蜘蛛の陰影》か《長魚の陰影》あたりが1周して戻ってきてくれれば、という感じ。続く2ピック目は《猪の陰影》、3、4ピック目は《族霊導きの鹿羚羊》と、決め打ちをする気はなかったものの、後になってみればかなり特定の方向にかたよったピックが続く。

 2パック目も自分のパックに《オーラのナーリッド》があったため、これで完全に緑白オーラデッキに決まる。最終的には《オーラのナーリッド》2枚、《族霊導きの鹿羚羊》2枚と各種オーラに、《炎の切りつけ》と《よろめきショック》をタッチしたデッキが完成。

 8人トーナメントは勝ち抜き戦で行われた。筆者の対戦相手は青白のLvアップクリーチャーデッキ。1ゲーム目は、3ターン目《オーラのナーリッド》、4ターン目《猪の陰影》でほぼブロックされない6/6クリーチャーが誕生し、そのまま対戦相手を殴り倒す。

 2ゲーム目は、対戦相手が《訓練場》を早々に戦場に出す。これにより《ハリマーの波見張り》や《イキーラルの先導》といったクリーチャーが驚異的なスピードでLvアップしていく状態に。こちらも《ぺラッカのワーム》でライフを回復し、戦線を立て直そうとするものの間に合わずに敗北。

 3ゲーム目、こちらは2体の《オーラのナーリッド》で一気に攻める。対戦相手は《飛び地の暗号術士》をLvアップさせていき、手札を充実させる。こちらは土地が伸びず《オーラのナーリッド》につけるオーラを探すための《族霊導きの鹿羚羊》をなかなか唱えることができない。そのうちに《勇者のドレイク》が4/4で登場し、さらに《マンモスの陰影》《戦争売りの戦車》をまとって9/9、飛行、警戒というサイズになってしまう。

 序盤に《オーラのナーリッド》でライフを削っていたため、対戦相手のライフは2。こちらは7。ここで、こちらはさらに2枚のオーラを唱え、《オーラのナーリッド》を強化して勝負を決めるべく攻撃。しかし対戦相手の《啓蒙》によってオーラが破壊され、パワーの下がった《オーラのナーリッド》が《勇者のドレイク》にブロックされ、対戦相手のライフを削ることができず、返しの攻撃で敗北してしまった。

 試合後、観戦していたプレイヤーから、実はやり方をかえれば自分が勝っていたことを教えてもらう。それを聞いてなるほど、と思ったが時すでに遅し。残念ながら8人トーナメント1回戦敗退となってしまった。

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▲ドラフト自体はそこそこうまくいったものの、肝心の試合でミス。初戦敗退となってしまった。次は同じミスをしないように注意したいところ。
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 こうして、大盛り上がりのグランプリ仙台は幕を閉じた。

 次にグランプリが国内で開催されるのは来年になってしまうが、この後も日本選手権(京都)、世界選手権(千葉)と、もっとも盛り上がるイベントが日本国内で開催される。これらのイベントは、厳しい予選を通過したプレイヤーのみが本戦に参加できるものだが、サイドイベントは誰にでも扉が開かれている。たとえ本戦に参加しなくても、会場に行きさえすれば、1日中、好きなだけ『MTG』を満喫することができる。ぜひとも、足を運んでもらいたい。

(C)1995-2010 Wizards of the Coast LLC, a subsidiary of Hasbro, Inc. All Rights Reserved.
[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]

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