2010年11月25日（木）

『みんなで牧場物語』ができるまで、オンライン版ならではの魅力を聞いてきた

――ちょっと話を戻しますが有料高機能版コロボックルなんて出す予定はありますか。

廣田：能力がアップするアイテムなどを販売する可能性はありますが、コロボックル自身が高機能というのは、予定していません。

――しかし、高機能版のコロボックルやオプション付きのアバターなどを販売しない、ということは、一体どこを有料化されるおつもりでしょう？

平田：作物の成長時間などを短縮するアイテムや、作物が高品質になりやすい肥料アイテムなど、何かを便利にする有料アイテム販売を考えています。

――新機能として予定されている“合成システム”とはどんなものか、教えてください。

稲本：現在開発中でして、作物や木をクリックするとランダムで入手できたコレクションアイテムがありましたよね？コレクションアイテム2つを用意して合成すると、まったく別のアイテムが手に入るシステムです。合成にはある程度法則がありますし、2つピックアップした時点でどんな物ができあがるのか、多少は予測できます。この機能はオープンサービス以降で実装する予定です。

――ちょっと気になるのは、忙しくて1週間まったくログインできませんでしたという場合、作物や動物はどうなるのかです。

稲本氏：動物が死んでしまったり、作物が枯れてしまうことはありませんので安心してください。

平田：毎日強制的にログインさせるようなペナルティを作ってしまうと、万が一畑や動物を失ってしまったプレイヤーはそこで「あー、もういいや」と諦めて、プレイをやめてしまうでしょう？　あまり強いペナルティを、プレイヤーに与える理由はないと思います。畑がダメになるからログインしなくちゃ！　という消極的な理由付けを私は“北風型”と呼んでいます。『北風と太陽』の北風ですね。

　欧米産のMMORPGには長期間ログインしていないキャラクターが、プレイを再開すると一定値まで、経験値が2倍とか3倍になるシステムがあったりします。

――ああ、確かに『Lord of the Rings Online』など、欧米型MMOにはよく見られますね。ログインしていないほど、経験値が倍増する時間が長くなって、毎日プレイしている仲間にもレベルが追いつきやすくなるという。

平田：ログインしていない人はその時間を取り戻せる、ブーストをかけてあげれば、しばらく放置していてもまたゲームを再開しやすいでしょう。ストレスを与えて「楽になりたければ毎日ログインしなさい、課金アイテムを買いなさい」ではなく、ログインしたくなる“太陽型”のシステムを考えたいです。

――『みん牧』のサービスが始まると、多くのプレイヤーはコンシューマ版を一度は遊んだ方だと思います。「あの『牧場物語』がWebでいつでも遊べる」というのは、大きな魅力ですしね。しかし、既存作品とあまりにかけ離れたゲームシステムだと、「こんなの『牧場物語』じゃない」と離れていってしまうリスクもありますよね。Web版ならではの遊び方を提示しつつ、既存作品のファンに違和感を抱かせないよう、特に注意した部分があったら教えてください。

平田：システム部分というよりは『牧場物語』シリーズが一貫して持つ、温かみ、親しみやすさ、ほんわかしている雰囲気は守りたいと思っています。パっと見だけで違うと判断されてしまうのが、一番もったいないですから。

――ちなみにターゲット層はコンシューマ版とほぼ同じですか？

平田：『みん牧』は10代後半～20代後半をターゲット層に考えています。コンシューマ版の方はもう少し下の世代になります。あくまで予想ですが、男女比は5：5くらいになるのでは。

――それでは最後に、読者に向けて皆さんからコメントをお願いします。

稲本：CBTにご参加頂きました皆様ありがとうございました。『みんなで牧場物語』はゲームの面白さと共に癒しを感じてもらえたら、そんな事を考えながら制作しました。ぜひ一度、コロボックルたちが待つ牧場に訪れてみてください。

平田：クローズドベータテストにご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。オープンサービスでは何が起きるかわかりませんが、ONE-UPさんと一緒に『みんなで牧場物語』が成功するよう頑張っていきます。ぜひ略して『みん牧』と呼んでやってください。

廣田：私自身MMOなどのオンラインゲームにハマったことはありますが、ハマればハマるほど人間関係の渦に巻き込まれたことがあります。もちろんそれはそれで楽しかったのですが、ゲームをするのに疲れてしまったこともありました。『みんなで牧場物語』では、人とのコミュニケーションはもちろんありますが、人と争うわけではないので、のんびりほのぼのと牧場生活を楽しんで頂けると思います。かわいらしく動き回るコロボックルにどうぞ会いにきてください。

――本日は長時間、ありがとうございました。

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