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2010年6月22日(火)

【洋鯨亭 第16回】洋ゲーはFPSだけじゃない! 3D・STGの魅力とは……の巻

文:電撃オンライン

 「飛ばない犬は、ただの犬だ」。

 こんにちは。マイペース洋ゲー紹介所“洋鯨亭”亭主のRonです。今回はまったくの私の好みで、とあるSTGを1本ご紹介します。STGといってもコミカルなフライト3D・STG、“飛ぶ犬”のゲーム『Snoopy Flying Ace(スヌーピー フライング エース)』です。

 フライトシミュレータほどの細かい操作を要求されずに、ACT感覚で遊べるこういった路線のSTGが好きなんですよ。個人的には任天堂の『スターフォックス』シリーズとSCEの『スカイガンナー』は、どちらも甲乙付けがたいほどの完成度を誇る3D・STGだと思っています。

 洋ゲータイトルでいうならXboxの『Crimson Skies: High Road to Revenge(以下、クリムゾンスカイ)』と、今回ご紹介するXbox 360の『スヌーピー フライング エース』あたりが好みですね。

【洋鯨亭 第16回】洋ゲーはFPSだけじゃない! 3D・STGの魅力とは……の巻 【洋鯨亭 第16回】洋ゲーはFPSだけじゃない! 3D・STGの魅力とは……の巻
▲『クリムゾンスカイ』は、州がそれぞれ独立して分離国家となった仮想のアメリカ大陸が舞台。現代以上に移動・輸送手段として飛行機や飛行船が活用されている世界で、空賊を生業としている主人公・ネイサンのさまざまな活躍を描いています。▲飛行船型の空中基地・パンドラを拠点に、さまざまなミッションや賞金稼ぎイベント、タイムアタックイベントなどをこなしていきます。AVGのように探索してイベントを探すことも可能。写真の青いアイコンは、賞金稼ぎイベントが発生する場所を表しています。

 ということで、6月2日にXbox LIVEアーケードで配信が開始された『スヌーピー フライング エース』をご紹介していきましょう。

 このゲームは、世界的に有名なキャラクター・スヌーピーが乗る複葉機や地上にある対空砲を操作して、宿敵であるエースパイロット・レッドバロンをはじめとしたドイツ軍と戦う3D・STG。主人公が犬だけに、まさに二重の意味でドッグファイトを繰り広げます。

 海外では同じ3D・STGシリーズとして、PS2/PSPで『スヌーピー vs ザ・レッドバロン』が発売されていて、こちらはナムコバンダイゲームスアメリカが販売しています。

 ところでスヌーピーは、言わずと知れたアメリカのコミック『ピ-ナッツ』に登場する犬のキャラクター。主人公の少年・チャーリー・ブラウンが飼っているビーグル犬です。日本ではイラストがいろいろなグッズに使われていたりして、かわいらしいキャラクターとして超有名ですよね。

 そんなキャラクターが複葉機でドッグファイト? 機銃で敵を撃つの? ……と、一見、キャラクターのイメージとゲーム内容が合っていないような気がしてしまうかもしれません。しかし、ゲーム中は本当に機銃で敵の戦闘機をバリバリ撃墜しますし、もっと強力な武器を使ったりします。

 では、なぜこのジャンル、そしてこの内容のゲームなのでしょうか? 実は原作コミックの中で、スヌーピーはさまざまな変装をして登場しています。その中にパイロットの格好をして、第1次世界大戦で活躍した撃墜王として登場するお話があるんですよ(もちろん、スヌーピーの空想でのお話ですが)。つまり、その設定をもとにゲーム化したというわけなんですね。

 そんな設定でバリバリのSTGなら、さぞかし殺伐としているゲームなんでしょうか?

 ……実は、そんなことはないんです。ゲーム内でこそ“第1次世界大戦”という設定を使ってはいますが、ゲーム自体は殺伐さのカケラもないんです。その理由は、温かい色使いとディフォルメされたオブジェクトで構築された世界であること。そして、誰も死なないところ。

 敵機を撃墜しても味方が撃墜されても、兵士は必ずパラシュートで脱出します。このへんはSCEの『スカイガンナー』もそうでした。飛行機同士が激しい空中戦を繰り広げているのに、どこかそれが競技っぽくなっているのがいいんですよね。まぁ、こういうキャラクターゲームで血を見せられても悪趣味なだけですし、そんなゲームはまず企画が通らないでしょうけど(笑)。

■飛行機を使った変わったルールが満載のマルチプレイ

 本作は800マイクロソフトポイント(約1,200円)という購入しやすい値段ながらもボリュームのある内容で、1人モードまたは2人でのCO-OPでクリアしていくミッションモードの他に、充実したマルチプレイモードも収録されています。そしてマルチプレイは、主に以下の4種のモードがあります。

・サバイバル形式、あるいはチームで戦う“ドッグファイト”。
・敵陣地の旗を奪って味方陣地に持ち帰る“キャプチャー ザ フラッグ”。
・骨型のアイテムを所持していた時間の長さを競う“ドッグ パイル”。
・フットボールを持って、敵のゴールポストを目指す“ピッグスキン”。

 ルールを読んでいるだけだと、とても飛行機を使った3D・STGに思えないかもしれませんが、どれも飛行機に乗ったままフットボールや骨型アイテムを奪ったりするんですよ。当然、相手の飛行機からボールを奪うときは撃墜させなければいけませんけどね。

 また、ミッションモードはコンパクトなマップで展開され、多数の敵を相手にした空中戦、地上砲台を使った防衛戦など、密度の濃い戦いが楽しめます。こういった戦いを中心としたミッションの他にも、自分の操縦テクニックが問われるタイムアタックやスコアアタックといったやり込み派の人にはうれしい要素もあります。

 せっかくのキャラクターゲームなので、ミッションモード・マルチプレイモードともにスヌーピーの姿を少しでも拝みたいところですが、デモシーンで少し見られる以外は、複葉機に乗った後ろ姿を見ることが中心になります。

 しかし、敵を撃墜するたびに跳び上がって喜んだり、パラシュートで脱出している間に手を振っていたりと、随所でかわいらしいアクションが見られるので、ファンの方もご安心ください。

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▲パイロットは、スヌーピーを含めた10人以上の『ピーナッツ』キャラクターと、自分のアバターが使えます。選べる機体もデザイン、大きさが異なる複葉機があってにぎやか。もちろん、搭載する武装の変更も可能です。▲夕闇迫る都市の上空で、チーム対抗のドッグファイト。激しく砲火を交えるサバイバルマッチです。自分で撃墜した場合だけでなく、味方と同じ敵を攻撃してサポートした場合もポイントが加算されます。
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▲敵地に掲げられた旗に触れると、複葉機の後ろに旗がくっついてそのまま運べます。これを自陣まで持ち帰ることができれば1ポイント。▲機体の横で青く光るのがフットボール。味方へのパスもできます。このモードの時のみ、空中に白い線でアメリカンフットボールのコートが描かれます。画面右のフィールドマップもそれらしいものに。

■過去の名作をオンライン対応で発売してほしいと思ったり

 このゲームはマルチプレイが楽しく、ちょっとした空き時間に遊ぶにはもってこいですが、こういったコミカルな3D・STGは国内ではあまり人気がないのか、なかなか新作が発売されません。

 オンラインの環境が整った今だからこそ、マルチプレイを前提としたこういったタイトルを発売してほしいのですけど、売り上げ的には厳しいんでしょうかね……。『スターフォックス』や『スカイガンナー』のオンライン対応版も発売してくれないかなぁといった願望を述べつつ、今週はこのへんで。

■ご意見、ご感想、ロゴ作品を募集しています

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データ

▼『Snoopy Flying Ace(スヌーピー フライング エース)』
■メーカー:マイクロソフト
■対応機種:Xbox 360(Xbox LIVE アーケード専用)
■ジャンル:STG
■発売日:2010年6月02日
■価格:800マイクロソフトポイント

▼『Crimson Skies: High Road to Revenge』
■メーカー:マイクロソフト
■対応機種:Xbox
■ジャンル:STG
■発売日:2004年5月20日
■価格:7,140円(税込み)

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