2010年6月18日(金)
E3のマイクロソフトブースで、『Fable』シリーズの生みの親であるピーター・モリニュー氏にインタビュー。日本で今秋にXbox 360版が発売される最新作『Fable III』が目指しているものについて聞いてみた。
▲『ポピュラス』『テーマパーク』『ダンジョンキーパー』など、数々の“ゴッドゲーム”を手がけてきたピーター・モリニュー氏。最新作ではどんな世界を我々に見せてくれるのか? |
――まず本作の概要を教えてください。
『Fable III』では、舞台であるアルビオンを治める悪い王・ローガンを革命によって倒すことが当面の目的になります。ただし彼を倒して終わりではなく、王を倒した後はプレイヤー自身が王になります。そこからは趣が変わって、自分がよい王になることが目的になる形ですね。自分が王様になればいろいろとやれること、やりたいことがでてきます。例えば王国の金庫にあるお金を貧しい人にすべてあげる、といったこともできます。
――プレイヤーの行動によっては悪政を行うことも可能なのですか?
もちろん。先ほど話した金庫のお金をすべて使って、王国をピンク色に染めることもできます(笑)。人々が飢えて苦しんでいるのに贅沢(ぜいたく)三昧することも……。
――王になるまでの過程はどのように進行するのでしょうか。
プレイ中は無数のクエストが用意されています。王になるには人々の信頼を得ないといけませんので、クエストをこなし、多くの人々に信頼されるよう行動する必要があるでしょう。その際は仲間である愛犬の能力を駆使することもできますし、アルビオンの住人にいろいろとしてあげれば、プレイヤーの味方になってくれます。
――具体的にはどのように?
住人に対しては“タッチ”のシステムでさまざまなアプローチが可能です。手をつないで歩いたり、味方でない人をムリヤリ引っ張って歩いたりすることもできます。また、政治家が「自分が政治家になった暁には……」というように公約を宣言しますよね。それと同様で、王になる途中で人々を説得して味方にするために「自分が王になったら金貨100枚を報酬としてあげよう」というような約束をすることもできます。ちなみに王になった後、その人に報酬を払わず、牢獄に入れてしまうといったことも可能になっています(笑)。倒す対象であるローガンに対しても、自分が王になった後で処刑するのか、流刑にするのか、はたまた協力者にするのかといった選択が可能です。
――(ここでプレイ中の画面に、街とは違った雰囲気の部屋が表示される)この画面はなんでしょう?
スタートボタンを押すと、いつでもこの“サンクチュアリ”という部屋に瞬時に移動することができます。これはいわば部屋のグラフィックをしたメニュー画面で、ここではコスチュームの変更や武器の変更が可能です。戦闘スタイルもカスタマイズ可能で、剣、銃、魔法の組み合わせも自由に変えることができます。
――王になった後の最終的な到達点はなんでしょうか?
それを言ってしまうとお楽しみがなくなってしまうので(笑)ナイショにしておきます。ただ、王になったからといってすべてが解決するわけではなく、よい王になるためにはさまざまな努力をしなければならない。また、王になったあとは周りの人間すべてを信じてはいけない、とだけ言っておきましょう。
――ちなみに女性キャラの場合は女王に?
そうなります。自分の経験だと、女王の場合はより残虐的なプレイになる傾向があるかもしれません(笑)。
――前作からの引き継ぎ要素はあるのでしょうか。
前作のデータがあればそれを引き継ぎ、前作のキャラクターの息子としてプレイすることも可能です。また前作同様に結婚もできます。マルチプレイのプレイヤーを自分のワールドに招いて結婚し、子どもを作ることもできます。
――最後に本作の最大の見どころをお願いします。
本作では、プレイヤーに新たな驚きを提供する意味でも、王になったときのパワー(権力)を自分が持つという感覚、そしてパワーを持つとどうなるのかを皆に味わってほしいと思っています。そのパワーをどう使うかに正解はありません。あくまでプレイヤーの選択した行動に対し、どのような結果(リアクション)が待ち受けているかを楽しんでほしいですね。
▲キャラクターのさまざまなカスタマイズが可能な“サンクチュアリ”。 | ▲王になればこの城が我がものに! そこからどのような王になるかはプレイヤー次第だ。 |
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