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2010年6月25日(金)

頭をカラにしてみてほしい! 映画『宇宙ショーへようこそ』の舛成孝二監督が語る

文:電撃オンライン

 6月26日より新宿バルト9、シネ・リーブル池袋他でロードショーの劇場アニメーション『宇宙ショーへようこそ』。本作を手掛けた舛成孝二(ますなりこうじ)監督にインタビューを行った。

『宇宙ショーへようこそ』 『宇宙ショーへようこそ』

 映画『宇宙ショーへようこそ』は、5人の小学生と1匹の宇宙人が、宇宙を駆けめぐるSF冒険ファンタジー。監督を舛成孝二さんが、脚本を倉田英之さんが、キャラクターデザイン・作画監督を石浜真史さんが担当するなど、実力派スタッフが制作している。世界3大映画祭の1つ・ベルリン国際映画祭のジェネレーション部門(Kplus)にノミネートされるなど、公開前より国内外で話題を呼んでいる作品だ。

 今回、『宇宙ショーへようこそ』のメインスタッフの1人、舛成孝二監督にインタビューを行った。本作が気になっている人、公開を心待ちにしている人はぜひご覧いただきたい。

『宇宙ショーへようこそ』
▲舛成監督は、『R.O.D』シリーズや『ココロ図書館』、『かみちゅ!』などを手掛けてきた。現在は、倉田さん、落越友則さんとともにアニメ制作集団・ベサメムーチョを立ち上げて活動中。

――まず、制作に至った経緯を教えてください。

 前作TVアニメ『かみちゅ!』が終わった後、ベサメムーチョのメンバーで「次に何をやろうか」と集ったんです。ご存知かもしれませんがボクら、『かみちゅ!』で賞をもらっちゃったんですね!

――はい(笑)。文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門優秀賞を授与されましたね。

 それでちょっと鼻が高くなっちゃって(笑)、「もしかしたら、今なら劇場をやらせてくれるんじゃない?」とか話していたんですね。そうしたら落越くん(プロデューサーの落越友則さん)が、「劇場、動かせますよ!」と言ってくれた。そこから、企画が動き出しましたね。

『宇宙ショーへようこそ』

――シナリオに1年、コンテに2年掛かったということですが、『かみちゅ!』のすぐ後から制作を始めたのですか?

 実は『かみちゅ!』が終わって3カ月くらいは、別の企画を動かしていたんですよ。それも劇場アニメだったけど、『宇宙ショーへようこそ』の前の企画ですね。プロット段階までやっていたんですが、ボクのほうで「これは無理だ」とストップをかけました。その後に、イチから新しいものを作り出して出来上がったのが『宇宙ショーへようこそ』のプロットです。

――本作は、舛成監督の初の劇場作品ですが、制作するうえでTVシリーズとの違いはどこにありましたか?

 圧倒的に労力が違いました(苦笑)。とにかく絵作りをするのが大変でした。そのぶん、いろいろな方に迷惑をおかけしてしまいましたが、無事に完成してよかったです。

『宇宙ショーへようこそ』

――神宮司さんをはじめとするさまざまなクリエイターが、場面ごとにプロダクションデザインを担当されていますが、このアイデアは監督から?

 シーンごとにスタッフ・プロダクションをばらすというのはボクのほうからの指示ですね。1つの惑星が舞台になっているのなら、1人のほうが雰囲気を全部作っていくのがいいと思うんですが、いろいろな場所にいき、いろいろな雰囲気を出したいと思っていた。できるだけ固定された設定ではなく、雑多な感じにしたかったんです。

――本作のテーマとコンセプトを教えてください。

 コンセプトはエンターテインメントです。これを念頭にしています。テーマは、子どもたちの友情をベースにしたジュブナイルです。

『宇宙ショーへようこそ』

――キャッチコピーに“修学旅行は宇宙でした”とありますが、なぜ宇宙に行かせようと思ったのでしょうか?

 一番最初のアイデアなんですが、生き物係の女の子が九州で犬を助けて、北海道に連れて行くという話だったんですね。でも落越が「頼むからSFを入れてくれ」とお願いされまして。まあ、彼はロボットを入れてほしかったようなんですが(笑)、SFなので「宇宙で勘弁してくれ」ということで、宇宙に行くことになりました。

――そんな経緯があったんですね。メインとなる5人の子役に子どもたちを起用するなど、声優陣にもこだわったそうですね?

 それはこだわりました。結構早い段階から、考えていましたね。音響監督の菊田さんやメーカーさんに「子役で行きたいんだけど」と相談したらOKが出たので、心置きなく進行できました(笑)。

『宇宙ショーへようこそ』

――収録時に苦労したことはありませんでしたか?

 順番に撮っていこうということ、そして抜き撮りしないようにすることを心がけました。全員のスケジュールを見たら、ポチ役の藤原さんが一番忙しかった。ポチはほとんどのシーンで子どもたちと一緒なので、藤原さんのスケジュールが1時間できたと聞けば、そこに来てもらうとかはしましたね。

――ちなみに好きなキャラは?

 やっぱりみんな好きですね。……好きにならないと演出ってできないんですよ。前に石浜が言っていたんですが、お父さんの目線ですね。どの子もやっぱりカワイイです。

――それだけこだわった子どもたちとからむ宇宙人のポチが、犬というのには驚きました。

『宇宙ショーへようこそ』

 最初のストーリーで考えていた、“九州で拾った犬”というのがそのまま残っていたんです。そのまま宇宙に行くことになったので、だったら犬は宇宙人だろうと。あと、もし異様な形をしている宇宙人だったら、最初に打ち解けるまでに時間がかかってしまうじゃないですか?

――子どもたちが距離を取ってしまう可能性が高いですね。

 宇宙人と心が通じ合っていくストーリーだったら、時間をかけて心を通わせ、最後に仲よくなればいいんですが、冒険をさせるのがメインだった。さらにいうと、グロテスクな宇宙人を発見しても、まず助けないですよね(笑)。かかわりたくないでしょ。でも犬だったら助ける。さらにその犬がしゃべって、宇宙人だったら信じるよねって思い、犬を採用しました。

→次のページでも続く制作秘話!

(C)A-1 Pictures/「宇宙ショーへようこそ」製作委員会

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■『宇宙ショーへようこそ』
【公開日】2010年6月26日 新宿バルト9、シネ・リーブル池袋、渋谷シネクイント、立川シネマシティ他全国ロードショー

【スタッフ】(※敬称略)
 監督:舛成孝二
 脚本:倉田英之
 キャラクターデザイン・作画監督:石浜真史
 場面設計:竹内志保
 メカニック作画監督:渡辺浩二
 プロダクションデザイン:okama、神宮司訓之、竹内志保、渡辺浩二
 サブキャラクターデザイン:薮野浩二、森崎貞
 演出:畑 博之
 色彩設計:歌川律子
 美術監督:小倉一男
 CG監督:那須信司
 撮影監督:尾崎隆晴
 編集:後藤正浩
 音楽:池頼広
 音響監督:菊田浩巳
 録音調整:名倉靖
 音響効果:倉橋裕宗
 原作:ベサメムーチョ
 制作:A-1 Pictures
 製作:『宇宙ショーへようこそ』製作委員会
 配給:アニプレックス


【キャスト】(※敬称略)
 小山夏紀役:黒沢ともよ
 鈴木周役:生月歩花
 原田康二役:吉永拓斗
 西村倫子役:松元環季
 佐藤清役:鵜澤正太郎
 ポチ・リックマン役:藤原啓治
 ネッポ役:中尾隆聖
 マリー役:五十嵐麗
 ボグナー役:小野坂昌也
 ヘストン役:竹田雅則
 ロビー役:宮本充
 インク役:飯野茉優
 ルビーン役:江川央生
 ヤブー役:斎藤千和
 タロー役:伊藤和晃
 ハナコ役:日髙のり子
 ゴーバ役:銀河万丈
 トニー役:飛田展男

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