2010年9月7日(火)
ガマニアデジタルエンターテインメントは2010年8月18日~8月24日の期間で、新作MMORPG『DIVINA(ディビーナ)』のクローズドベータテストを実施した。『DIVINA』は『ルーセントハート』で知られる台湾の開発会社PlayCooの作品。MMOとしてはオーソドックスなインタフェースとシステムにかわいいビジュアルなど、『ルーセントハート』を彷彿とさせる部分もちらほら見かけられる。『ルーセントハート』の長所はしっかり継承し、よりユーザーフレンドリーに、より遊べるコンテンツを追加し、『DIVINA』という完成形を作り上げたという印象だ。
様々な国の神話をモチーフに、オリジナルの世界観を構築している『DIVINA』。開発の段階から日本でのサービス展開を意識していたという通り、町並みや敵モンスターの一部は日本らしい造型になっている。職業に”忍者”が含まれているのも、そういった理由からだろう。ストーリーや設定に関しては、9月9日から始まるオープンベータで実際にクエストを進めて確かめてもらうとして、本記事ではシステム周りを重点的に『DIVINA』の持つ魅力に迫っていこう。
▲ストーリーのカギを握る不思議な少女クラリス。メインストーリーの多くは、彼女を中心に展開する。 | ▲クローズドベータテスト中はモンスターを大量に解き放つ、サーバー負荷テストなども行われた。 |
キャラクターメイキングで選べる職業はファイター、ウィザード、クレリック、レンジャー、忍者の5種類。ファイターは近接攻撃、ウィザードは魔法、クレリックは回復支援、レンジャーは遠距離攻撃、忍者は回避力と攻撃速度に優れるなど、それぞれ戦闘スタイルや習得できるスキルが異なる。キャラクター枠は2つしかないため、全職業を一通り体験するのは難しい。成長すると“ダブルキャスト”と呼ばれるシステムで2つ目の職業を選ぶが、各職業の使用感を確かめるためにももう少しスロットは増やしてほしいところだ。
その他にも男女の性別(性能差なし)、顔タイプ、髪型、髪色、アバターカラー、田中理恵さん、子安武人さんといった有名声優も参加しているボイスをカスタマイズできる。パーツの選択肢がやや少ない気もしたが、ゲーム内では外見の個性を出せるアバター衣装が用意されているので、実際にはそれほど気にならなかった。
●ファイター
▲剣と盾を装備した防御重視、強力な両手武器による攻撃重視という2種類のスタイルで戦える。ただし、スキルを習得するパーティープレイでは主に盾役として活躍することになるだろう。 |
●ウィザード
▲範囲攻撃に長けた魔法系アタッカー。攻撃魔法だけでなく、敵を弱体化させる効果を持つ魔法も使用可能だ。攻撃面が強力な反面、防御面は弱い。 |
●クレリック
▲ロッドを装備し、治癒魔法を使いこなすパーティーの回復役。多少ではあるが攻撃魔法も覚えられるので、序盤のソロプレイも問題なし。 |
●レンジャー
▲銃器を使った遠距離物理攻撃が得意。罠を設置し、接近する敵にダメージを与えられるトリッキーな職業でもある。銃器の使用は消費型の砲弾が必須な点に注意。 |
●忍者
▲物理攻撃と忍術で距離を問わずに戦っていくことのできる職業。攻撃速度と回避力の高さが特徴で、スピード感あふれる戦闘が楽しめる。 |
キャラクターの成長はNPCからクエストを受け、それを達成すると物語が展開し、進行可能エリアが広がっていく、MMORPGとしてはオーソドックスなシステムを採用している。クエスト内容は目的の敵を倒したり、特定のアイテムを集めるといった定番のものが多く、クエストブックからいつでも内容を確認できる。このクエストブックでは、クエストの開始・終了NPCと倒すべき敵の名前が記されており、固有名詞をクリックすると、対象がいる場所までオートランで移動してくれる。オートランの精度が低く、やたらと遠回りさせられたり、障害物にときどき引っかかるのが難点だが、広いマップで迷うことなく移動できるのは便利。また、マップ上にNPCの位置などがマーカーで表示されるので、スムースにクエストを進行できる。
▲クエストの多くは頭上に!マークのあるNPCとの会話で開始。例外的にモンスターのドロップアイテムを使うと始まるクエストもある。 | ▲クエスト関連NPCだけでなく、街にいるすべてのNPCの元へオートラン可能。これにより、お店にも迷わず到達できる! |
レベル30までプレイしてみたがクエスト報酬の入手経験値がとても高く、逆にモンスターを倒した時の入手経験値が少なめ。したがって、受けられるクエストは一つ残らずクリアしていくのがキャラクターを成長させる近道だろう。実際、片っ端からクエストこなしていくだけで、あっさりレベル29の経験値70%まで成長できた。そこからレベル30までの残り30%は、1時間程度ひたすらザコ敵を倒すことになったのだが……。今後アップデートで未実装だったデイクエストの追加など、本当の意味で楽しみながらレベル上げができるようになることに期待したい。
クエストの難易度もレベル30まではそれほど高くなかった。一部で突然中ボスクラスの強力な敵が出ることがあり、回復を怠って戦闘不能になったが、ほとんどはソロでクリア可能であった。高レベル帯のクエストについては不明だが、少なくともゲーム序盤は、完全ソロプレイでもまったり自分のペースでレベル上げを行える。
また、レベルアップ時に入手できるステータスポイントを使って、STR、DEX、VIT、MID、AGI、INTの6つのステータスを上昇させられる。高レベルになれば入手できるステータスポイントは増えるが、同時に必要なポイントも増加していく。どれか1種類に特化させたくなるところだが、自分のクラスに合った2つか3つのステータスを伸ばす、平均的な育て方も視野に入れる必要がありそうだ。
各種スキルは、街にいる職業別の教官から学べる。キャラクターのレベルが一定以上になると、それに応じて習得できるスキルが増えていく仕組み。スキルポイントによる上限などはないので、すべてのスキルを覚えてしまって問題はない。ただし、習得時にはお金が必要で高レベルのスキルはそれなりに高額だ。スキルの中には、極端にクールタイムの短いものや効果の高いものがあるので、とりあえず覚えられるものはレベル1だけ習得して使い勝手を試し、使用頻度が高いようなら主力スキルとしてレベルを上げていくといいだろう。
レベル20になるとレベル20以降レベル2ごとに1ポイント入手できるアビリティポイントを消費して、アビリティを上昇させられる。アビリティとは各クラスの特徴を、さらに特化させるための能力で、例えばファイターの場合、剣と盾を装備する盾役なら“護衛”系統、両手武器装備のアタッカーなら“破壊”系統の2つがある。各職業に用意されている2つの系統のうち、どちらか片方を選んで伸ばしていくのが定石となるだろう。
各種ステータスとはまったく別に、キャラクターには秘められた能力”シックスセンス”が存在する。この能力を覚醒させると、ステータスアップや攻撃力アップといった恩恵を受けられるのだ。シックスセンスの覚醒には“雫”というアイテムを、モンスターのドロップや特定のクエスト報酬で得る必要がある。この雫を右クリックすると、ステータス画面のシックスセンスという項目に登録され、登録済み項目を選択すると、シックスセンスを開発中という扱いに。その後、モンスターを倒すごとに開発ステータスが上昇する仕組みだ。この開発ステータスが100%に達すると、ようやく覚醒に成功したことになる。
基本操作はWASDキーかマウスの左クリックで移動。敵にカーソルを合わせてダブルクリックすると戦闘開始。あとは敵もしくはプレイヤーキャラクターが戦闘不能になるまで自動戦闘が継続する。ショートカットにあらかじめ設定したスキルを連打しながら戦うのが定番スタイルだが、足止めや毒といった特殊効果、各スキルのクールタイムを計算して使用する順番を考えることも大切だ。
回復アイテムには、戦闘中に使えるポーション類と非戦闘時にしか使えない食べ物系の2タイプが存在する。特にポーション類はクールタイムが長くて連続使用ができない。ちょっとHPが危ないなと思ったら、戦闘前に食べ物でしっかり満タンまで回復しておくのがオススメだ。
ゲーム序盤は単調でありきたりなクリックゲーのため、MMORPGに慣れたプレイヤーには物足りなく感じるかもしれない。しかし“ソウルメイト”と呼ばれるパートナーを手に入れると戦闘スタイルにも変化が訪れる。
ソウルメイトとは主に戦闘の手助けをしてくれるペットのような存在。クローズドベータテストでは、“不幸ウサギ”と“お洒落ネズミ”という2種類のソウルメイトが確認できたが、これは今後増えていくだろう。ソウルメイトには戦闘に参加しても経験値はあがらず、教育、会話、召喚という3つのコマンドのうち、教育を通してのみステータス値とレベルを上げられる。レベルの低いうちは教育にかかる時間はとても短いが、レベルが上がってくると次に教育できるまでの時間が延びていく。ログアウト中でも時間は経過するようなので、育成はそれほど苦にならない。マメに教育をしていった結果、キャラクターレベルが20程度からレベル30までは、つねにソウルメイトの方が高レベルな状態だった。
伸ばせるステータスはプレイヤーと同じ6種類なので、育成方針次第で物理型や魔法型といったように、ソウルメイトのタイプが変化していくのも特徴の一つ。例えば、INTのみを上げ続けると、遠距離魔法攻撃と回復魔法を覚える魔法タイプになる。
二つ目のコマンド“会話”をすると、ランダムで表示される3つのカテゴリから会話のテーマを一つだけ選ぶ。ソウルメイトの好き嫌いで好感度が増減し、その結果で戦闘中の働きぶりも変化するらしい。
三つ目の“召喚”は、その名の通りソウルメイトを召喚するコマンドで、使用するたびに好感度が低下する。戦闘不能にならない限りは召喚が解除されることはない。筆者のソウルメイトはINTのみを上げ続け魔法タイプにしてみたのだが、回復魔法の自動設定はできず、毎回マイキャラをターゲットして回復する手順が必要。使い勝手は今ひとつだった。キャラクターのレベルが低いうちは、安価な非戦闘時専用の回復アイテムを使った方がスムースに戦えた。もちろん、ソウルメイトのレベルが上がれば回復量も増えていくので、高レベル帯では有効な回復手段になるかもしれない。
▲スキルはショートカットスロットに自由に登録できる。ボタンを押せばスキルは即時発動され、テンポよい戦闘が楽しめるのだ。 |
▲ソウルメイトはタイプによっては回復魔法も使用可能。ただ、クールタイムがあり、かつソウルメイトにもMPが設定されているので連発はできない。 |
戦闘システム全体を見ると、カジュアルゲームライクなポップなビジュアルに、シンプルかつわかりやすいシステムを合わせたという印象。MMORPGに触れたことのあるプレイヤーなら、少しプレイするだけで直感的に戦い方を理解できるだろう。そのシンプルがゆえにやや退屈な感じも受けたが、ソウルメイトやダブルキャストといったシステムが使えるようになると、戦い方を考える楽しみも増えてくる。スキル/ステータス振り、ソウルメイトのタイプ、ダブルキャストで選ぶサブ職業などなど、選択の幅が広い分、ワンパターンな戦闘法は通用しない。自分なりの戦略を練って戦う必要があることが『DIVINA』における戦闘の難しさであり、楽しさでもある。
(C)2010 Gamania Digital Entertainment Co.,Ltd. All Rights Reserved. gamania is a registered trademark of Gamania Digital Entertainment Co.,Ltd.