2010年9月9日(木)
スクウェア・エニックスから9月16日に発売されるPS3/Xbox 360/PC用ソフト『フロントミッション エボルヴ(以下、FME)』。S・RPGからTPS(三人称視点のSTG)へと生まれ変わった『フロントミッション』シリーズの最新作を、シリーズの大ファンでもあるライターの斎藤ゆうすけがひと足お先にプレイしました。
気になるゲームシステムを中心に、連綿と受け継がれる世界観や、TPSとして生まれ変わった本作ならではの魅力とも言えるマルチプレイの様子もプレイレポートとしてお届けします。
▲シリーズ最新作の『FME』は、PS3やXbox 360、PCの処理能力を生かした迫力のTPSとしてリリースされることに。この美麗なグラフィックでヴァンツァーを見た時は感動しました。 | ▲なんとゲームの流れによっては、途中でヴァンツァーを降りて、生身で敵のヴァンツァーと戦うことも!? |
そもそも、僕が『フロントミッション』シリーズの虜になったのは、1995年にスーパーファミコンでリリースされた『フロントミッション』をプレイしたのがきっかけだったりします。
ヴァンツァーと呼ばれる機動兵器が活躍する2090年の近未来を舞台に、国家や大企業の思惑が渦巻く戦場を仲間とともに駆け抜ける……。そんな世界観と、胴や腕、脚といったパーツや、マシンガンやミサイルなどの兵装を自由に組み替え、自分だけのヴァンツァーを作ることができるカスタマイズのシステム、マップ上で敵の動きを予測しながら効率よく部隊を展開し、敵を叩く戦略性、そのどれもが僕の心を掴んで離しませんでした。
▲『FME』でもこれまでのシリーズ同様、ヴァンツァーのカスタマイズを行うことができます。これまでのシリーズに登場したヴァンツァーや兵装がたくさん出てきたりと、シリーズのファンなら感涙ものです。 |
シリーズはプラットホームを変えながら進化していき、PS、PS2、DSなどで続編や外伝がリリースされてきましたが、新作がリリースされるごとにシステムは洗練されていき、新たな設定が語られることで世界観もより深いものとなっていきました。
ほぼすべての作品をプレイしてきた僕は、最新作となる『FME』が発表された時に衝撃を受けました。てっきり、S・RPGとしてリリースされると思っていたシリーズの最新作が、TPSとして発売されるとは!?_
今回、いち早く『FME』をプレイさせていだたくにあたり、最新作に触れられるうれしさが大きかった反面、若干の不安もありました。しかし、そんな不安はプレイを開始して、すぐに消え去っていたのです。
システムやプレイの様子を紹介させていだたく前に、『フロントミッション』シリーズに触れたことがないという人のために、本作の世界観を紹介させていただきます。
最初に少しだけ紹介させていだたきましたが、『フロントミッション』シリーズは2100年前後の近未来を舞台にした作品です。アジア諸国の共同体であるO.C.U.(Oceania Cooperative Union)とアメリカ合衆国、カナダ、メキシコなどを構成国家とする連邦U.S.N.(United States of New Continent)の対立を軸に、ヴァンツァーと呼ばれる機動兵器を中心とする戦乱の様子が描かれてきました。
最新作である『FME』はそれまでの2100年近辺ではなく、2171年というさらに先の未来が舞台となっており、列強諸国がかつては聖域と呼ばれていた宇宙に手を伸ばすべく、地球から宇宙に伸びる軌道エレベーターを築き、宇宙での軍備を増強している様子が描かれています。
▲2171年には宇宙開発が始まっており、地球からは軌道エレベーターが宇宙に向かって伸びています。 |
1人でストーリーを楽しむシングルキャンペーンでは、ヴァンツァー制御ソフトウェアの権威であるアランを父に持つ、エンジニアのディランを主人公に、彼が巻き込まれていく戦乱の様子が描かれます。試作機のテスト中に起きた、所属不明機によるニューヨーク襲撃事件。交戦地区にほど近い、国家戦略研究所に勤める父を救出しようと、ディランは試作機で戦場へと急行するのですが……。
▲主人公のディラン・ラムゼイ。これまでのシリーズでは軍人や傭兵が主人公でしたが、本作の主人公であるディランはエンジニア。後に軍に所属することにはなりますが、エンジニアの主人公というのは珍しいですね。 | ▲シングルキャンペーンでは、ウィザードという名のヴァンツァー統合制御システムが、ディランをサポートしてくれます。 |
これまでのシリーズよりも、少し先の未来を描くことでシリーズに触れたことがなく、これまでのストーリーを知らなくても、まったく新しい作品として本作をプレイすることができます。また、O.C.U.とU.S.N.の国境が唯一陸地で接する島“ハフマン島”が登場するなど、シリーズのファンならおもわずニヤリとしてしまうようなポイントも多々ありますので、ファンにも納得のストーリーと言えるでしょう。
▲『フロントミッション』シリーズに何度も登場する架空の島“ハフマン島”。この島が出てくるだけで、シリーズのファンならテンションが上がりますよね。 |
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