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2010年9月14日(火)

【洋鯨亭 第27回】あの『トゥームレイダー』が、シリーズ初のクォータービューに!

文:電撃オンライン

【洋鯨亭 第27回】あの『トゥームレイダー』が、シリーズ初のクォータービューに!

 こんにちは。洋ゲー紹介所“洋鯨亭”のRonでございます。これがアップされるころは少しは暑さが和らいでいるでしょうかね。

 ところで、今年の夏はXbox LIVE アーケードが“サマー オブ アーケード”と題してポイントバックキャンペーンを行っていました。このキャンペーンに合わせて発表された新作タイトルはどれも魅力的で、かなり厳選されたラインナップだったように思います。

 さすがに全部を買うことはできなかったのですが、少なくとも私が買った『LIMBO』『Hydro Thunder Hurricane(ハイドロサンダーハリケーン)』、そして『ララ・クロフト アンド ガーディアン オブ ライト(以下、ララ・クロフト)』は文句なく楽しめた3本でした。最初の2本は第24回第26回で紹介しておりますので、今回は3本目のタイトル、スクウェア・エニックスがXbox LIVEアーケードで配信中の『ララ・クロフト』をご紹介しましょう。

 本作は『トゥームレイダー』シリーズでおなじみの女性冒険家“ララ・クロフト”を主人公に、新たな表現方法に挑戦した意欲作です。

■視点が変わればゲームも変わる

 皆さんよくご存知のように、これまでの『トゥームレイダー』シリーズは第3者視点で展開されるA・AVGでした。しかし本作はこの視点をググーッと上方に引いて、ほぼ真上から見下ろすクオータービュー形式に変更されています。

【洋鯨亭 第27回】あの『トゥームレイダー』が、シリーズ初のクォータービューに!
▲ひと目で今までの『トゥームレイダー』シリーズとの違いがわかる『ララ・クロフト』。これまで同様に銃を撃つこともできますが、弾が減らないハンドガン以外は残弾数が共通の青い弾薬ゲージで表示されます。

 こういった視点のゲームを見ると、過去のいろんな名作ゲームが思い起こされます。色彩や視点はまるでA・RPG『ディアブロ』のようであり、周囲から迫りくる敵をショットでバリバリ倒すのはさながらナムコ(現バンダイナムコゲームス)のSTG『ガントレット』のようです。

 本作は視点が固定されているため、3Dで描かれた背景は仕掛け以外はほとんど動きません。そういったこともあって、なおさら懐かしく感じるのかもしれませんが、最近ほとんどなかったタイプのゲームだからこそ新鮮に写る部分もあります。

【洋鯨亭 第27回】あの『トゥームレイダー』が、シリーズ初のクォータービューに!
▲『トゥームレイダー』シリーズでおなじみの3人称視点。実際に遺跡やジャングルなどを探索している感覚が味わえる視点ですよね。写真は『トゥームレイダー:アニバーサリー』より。

 3DのA・AVGゲームではない『トゥームレイダー』といえば、過去にゲームボーイアドバンスで発売された『トゥームレイダー:プロフェシー』などがありました。こちらは完全に2DのACTゲームで、謎解きと探索の要素はやや抑え目の内容になっていたんですね。

 私は初めて『ララ・クロフト』のリリースを聞いて、クォータービュー採用とわかった時は、不安よりも期待感の方が強かったことを覚えています。完全な2Dではなく、かといって主人公の後方視点から描いた3Dでもないというコンセプトは、いい方向に作用しそうだなとなんとなく思ったからです。

 それは先ほど挙げた『ディアブロ』なり『ガントレット』のプレイ体験が私にはいいものとして記憶されているからかもしれません。そもそも、これまでの『トゥームレイダー』シリーズは“遺跡探索A・AVG”というジャンルを確立してしまったがために、なかなかそのスタイルを崩すことができなかったのではないかと思います。

 キャラクター設定やストーリーのつながりもありますし、壁につかまったり登ったりと、遺跡を探索しなければならないという不文律があるからこそ、シリーズを通して新鮮味を出すことが難しくなっているように思えたのです。

 近年、ララと同じトレジャーハンターが主人公のゲームである『アンチャーテッド』シリーズが発売され人気を博していますよね。こちらはTPSに近いA・AVGで、遺跡探索に加えてカバーアクションを使う銃撃戦やマルチプレイモードの楽しみがあったりと、『トゥームレイダー』シリーズとは違った魅力があります。探索型ゲームが好きな私としてはこういったタイトルが出てくることは喜ばしいのですが、同時に老舗の『トゥームレイダー』にも大きな変革があるといいなぁと、ひそかに思っていました。

 そんな中『トゥームレイダー』の名前こそ冠してはいないものの、ララを主人公にしたゲームが別のアプローチで制作されたことは、個人的に大歓迎だったわけです。今回A・AVGからジャンルをACTに変更したことで、まずクォータービューの画面が目にとどまります。この視点の変更は驚きでした。

 視点が変わって広範囲を見渡せるようになったことで、これまでは謎解きと探索要素を強く打ち出していたAVGとしてのゲーム構成が、戦闘と謎解き要素の強いACTになっています。従来のA・AVGシリーズでは、探索しながら周囲を見回して足場や仕掛けを探し、タイミング重視のアクションでクリアしていくことが中心でした。ところが今作では周囲から迫って来る敵を銃や槍で倒しつつ、カベに刺した槍を足場にして壁面を登ったり、小さな仕掛けを解くことが中心で、探索要素はやや抑え目になっています。

【洋鯨亭 第27回】あの『トゥームレイダー』が、シリーズ初のクォータービューに!
▲武器の1つである槍は、カベに向けて投げると刺さります。そこに飛び乗れば高い場所に登ったり、大穴の向こうに渡ったりすることができます。

 また、視点が引いたために仕掛け同士の関係性がつかみやすくなっていて、何ステップもの手順を踏んで解くという今までのシリーズにあった大きな仕掛けより、コンパクトでパズル的な仕掛けを解くことが多いと感じました。具体的には、リモート爆弾を利用した時間差の仕掛けや、足元のスイッチに重しを乗せて起動する仕掛けなど、2~3の手順を踏んで解くパズルタイプの謎が本作には多いのです。

 とは言っても、全体的にアクション要素が強いことには変わりなく、槍の上へ飛び乗る時の判定がやさしめなことや、角度を調整してジャンプをするような精密な操作をほとんど要求されないこともあって、わずかな操作ミスのためにストレスがたまることはありません。

→気になる協力プレイも紹介!(2ページ目へ)

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データ

▼『ララ・クロフト アンド ガーディアン オブ ライト』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:Xbox 360(ダウンロード専用)
■ジャンル:ACT
■発売日:2010年8月18日
■価格:1,200マイクロソフトポイント

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