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2010年9月19日(日)

日本でのKinect展開は? マイクロソフトのフィル・スペンサー氏にインタビュー

文:電撃オンライン

フィル・スペンサー氏インタビュー
▲フィル・スペンサー氏。

 東京ゲームショウ(TGS)のために来日していたマイクロソフトのコーポレートバイスプレジデント、フィル・スペンサー氏のインタビューをお届けする。

 今回フィル氏に聞いたのは、11月20日にリリースされる新入力デバイス・Kinectの話や、TGS1日目に行われた基調講演について。今後のXbox 360はどうなるのか、そのヒントになりそうな話も聞くことができた。ぜひご覧いただきたい。

――今回の基調講演では、日本のクリエイターが作った作品をプッシュしていましたが、その感触はいかがですか?

 非常にうれしいものでした。TVをはじめとする各メディアで、今回の発表を大きく扱ってくださいました。感触はとてもすばらしいものでしたが、謙虚に受け止めようと思っています。日本の優れたクリエイターの方たちに基調講演のステージにお立ちいただいたことは、マイクロソフトにとってはとても重要なことです。

――日本のユーザーも、大変長い時間待ってまでKinectをプレイしようとしていました。そのことについてはいかがですか?

 3時間も待ってくれたんだそうですね!? すごいです。今回は、サードパーティ各社にご協力いただき、強力なタイトルを並べることができました。またファーストパーティでも、とても幅広いコンテンツを用意させていただきました。

――ちなみにKinectコーナーでは、デモプレイしている女の子たちが大変注目を集めていました、あれは誰のアイデアなのですか?

 彼だよ(日本の広報を指差し)。……ハッハッハ!! 実は私も知らないんです(笑)。ただ、日本のチームが考えたものらしいですよ? でも、あれを考えた人は、実に見事ですね!

――サードパーティのタイトルで、特に注目しているもの、これは売れる!! というものはありますか?

 難しい質問ですね……。新しいプラットフォームを立ち上げる時によくあることなのですが、思いもかけないタイトルがものすごいムーブメントを生み出す時があるのです。たとえば、Xboxにおける『Halo』のように。あの作品は、非常に大きなシリーズとなりましたが我々は当初、そんなことを予想していませんでした。1つ言えることがあるとすれば、ヒットするタイトルは、ユーザーが決めるということでしょうか。

――なるほど。

 それでも注目しているタイトルを1つ挙げるとすれば、バンダイナムコゲームスの『体で答える新しい脳トレ』ですね。見ていておもしろいし、Kinectタイトルとしても、とてもユニークです。

――基調講演で発表された各タイトルについてはいかがですか? 開発にいたった経緯なども、お話しできる範囲で聞かせてください。

 まず『重鉄騎』ですが、もともと『鉄騎』は、カプコンの稲船氏がXboxのために作ってくれたものでした。そして私たちは、稲船氏にKinectに興味を持ってもらうことに成功しました。ですからあのすばらしい発表ができました。そして『レイディアントシルバーガン』を発表できた経緯ですね。トレジャーは、私が長期にわたって注目していたメーカーです。今後は、長期的に一緒にやっていければいいなと思っています。Xbox Live アーケードを通じて、世界中のお客様に遊んでいただければ何よりですね。

――『ファイアープロレスリング』についてはいかがでしょう?

 スパイクは、とてもプロレスゲームを作る技術が高いです。それに、アバターを使って自分の分身のようなレスラーを作れるのは、とても楽しいですよ。次は七音社の『Haunt(仮)』についてお話ししましょうか。松浦さんは特別な才能を持っている人です。それはどういう才能かというと、新しいアイデアやジャンルに対する嗅覚の鋭さと理解の速さですね。ですから、松浦さんがKinectに興味を持ったのはごく自然なことで、私たちは彼と一緒に仕事ができることを大変すばらしく思っています。

――『codename D(仮)』や『Project Draco(仮)』についても話していただけますか。

 ええ、もちろん! まずは『codename D(仮)』からいきましょう。Kinectを発表した時に多くあった質問として「コアゲーマー向けのビッグタイトルはどうするの?」というものがありました。グラスホッパー・マニュファクチュアの須田さんは、そうした作品に向いている作り手だと思います。それと二木さんですが、彼は長らくマイクロソフトで働いていたこともあり、長期的なパートナーです。ですから一緒にやるということは、二木さんにとっても自然なことだと思っています。

――それでは最後に、Kinectの発売を待っているユーザーにメッセージを!

 そうですね。Kinectの発売以降ですが、基調講演で私たちが言いたかったことは“日本のユーザーのご意向は理解している”ということだったんです。皆さんの要望に対する答えがあの基調講演に出ているかと思います。私たちにとっても皆さんにとっても、Kinectが成功すると考えています。皆さん、Kinectをよろしくお願いします。

■東京ゲームショウ2010 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2010年9月16日~17日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2010年9月18日~19日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売り1,000円(税込) ※小学生以下は無料

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