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2010年10月19日(火)

【洋鯨亭 第31回】戦場のリアルさを追求したFPS『メダル オブ オナー』レビュー

文:電撃オンライン

【洋鯨亭 第31回】戦場のリアルさを追求したFPS『メダル オブ オナー』レビュー

 こんにちは。洋ゲー紹介所“洋鯨亭”のRonです。今回は10月21日発売のPS3/Xbox 360『メダル オブ オナー』シリーズ最新作をレビューいたします。

 実は電撃オンラインのFPS専門コラム“電撃鉄砲隊”でも2週にわたってレビューを行っておりますが(前編後編)、今回は特別コラボといいますか、私と電撃鉄砲隊の青毛野郎さんの視点の違いなどを楽しんでいただけると幸いです。記事の編成などはまったく考えず、おもしろそうなタイトルはネタのかぶりも気にせずに取り上げていきますのでよろしくお願いします(いいの?・笑)。

 さて、本作は制作発表から発売まであまり時間がなかったり、発売直前に対戦モードに出てきたキャラクターに関して修正を迫られたりと、発売を楽しみにしていた私からするとだいぶハラハラさせられたタイトル。しかしながら、ふたを開けてみれば、シリーズの再スタートを切るにふさわしい内容でありました。

 現代戦をテーマにした物語ということで『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア(以下、CoD MW)』シリーズと比較されてしまうことも多いかもしれませんが、プレイしてみると本作は路線が少し違うことがわかると思います。

 では、その違いとは何でしょうか? その理由についてお話していくことにしましょう。

【洋鯨亭 第31回】戦場のリアルさを追求したFPS『メダル オブ オナー』レビュー
▲新生『メダル オブ オナー』は、アフガニスタンで武装勢力と戦う米軍エリート兵・Tier 1(ティアーワン)の活躍にスポットライトが当てられています。
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▲4輪バギーや攻撃ヘリを使った任務もあります。

■戦いの舞台はアフガニスタン

 直接的な描写はありませんが、本作の物語はアメリカで起きた“あのテロ事件”がベースになっています。この事件を受けて活躍することになるのが、本作の主役である“Tier 1”と呼ばれるエリート兵たち。

 Tier 1は明確な特殊部隊の名称というわけではなく、100万人以上いるアメリカ軍の兵士の中で、トップグループに属する数百名の兵士のことを言います。この兵士は真っ先に敵地に乗り込んで情報を収集したり敵を排除したりと、非常に危険な任務をこなしていくんですね。

 本作でスポットライトを当てられているTier 1の2つのチームは、アフガニスタンに潜入してテログループの活動拠点を探る任務にあたります。彼らは敵だらけの国にわざわざ飛び込んで行くわけですから、無傷で情報を収集できるわけもなく、敵との戦いを避けることはできません。したがって、ゲーム中は1人で行動をすることはまれで、常に2人から4人でチームを組み、協力しながら多数の敵と戦っていきます。

【洋鯨亭 第31回】戦場のリアルさを追求したFPS『メダル オブ オナー』レビュー
▲目的地の方向やグレネードの残り数といった情報は、十字ボタンの上を押した時だけ画面に表示されます。そのため、画面はこんなにスッキリとしています。

■主人公はなんと3人

 本作の主人公はTier 1の2つのチームに属する2人の兵士と、レンジャーに属する兵士1人の合計3人です。本作は、この3者の視点が切り替わりながら物語が展開していきます(一部別の兵士になってヘリを操作するシナリオもあります)。

 いずれの兵士も他のベテラン兵士に引っ張ってもらいながら戦っている印象で、次に何をすればよいのかがそのつど指示されるため、ゲームの進行で迷うことはないでしょう。また、操作面に関しては一般的なFPSとほぼ同様なので、その点でも迷うことはないと思います。詳しくは、電撃鉄砲隊のレビュー前編でも紹介されています。

 変わった操作としては、ダッシュをした状態でしゃがむボタンを押すと、そのままスライディングをして物陰に隠れてくれる点ですね。特殊な操作はそれぐらいなので、FPSに慣れた人ならマニュアルを読まなくても最初のミッションからすんなり戦えると思います。

 あと、プレイしていて驚いたのが、同じチームの仲間からの指示に加えて、本部との連絡が密なことですね。とにかく通信が多いのです。互いの状況報告に加えて、展開が変わるたびにもたらされる新情報、航空支援を要請した場合のパイロットとのやりとりなど、通信に関するセリフが多いんですよ。

 つまり、それだけTier 1は刻々と変化する状況に、素早く対応しているということですね。

 なんでも本作の制作にあたっては実際にTier 1の兵士をしていた方に助言を求めたとのことなので、戦場での兵士の動き方や通信のやりとりなどにも監修が入っているのでしょう。その分、素人目に見ても兵士の動きや作戦の指示などがキビキビとしていて、非常に気持ちがいいんですよね。

 訓練されたプロフェッショナルならではの動きといいますか、ムダのない動きと適切な判断で難局を乗り越えていくところが、まさにエリート兵といった感じでかっこいいのです。

→まだまだ続きます。(2ページ目へ)

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