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2010年10月20日(水)

『エースコンバット』の挑戦とは? 生まれ変わった新作のこだわりを河野氏に聞く

文:電撃オンライン

■『アサルト・ホライゾン』では戦い方はどう変わる?

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――操作方法もこれまでと変わっているのですか?

 そうですね、クロスレンジアサルトに適した操作系統に変えています。ただ、やっぱり『エースコンバット』のシリーズを支えてくれた方々も大事ですので、名前は変えるつもりですが、これまでエキスパートと呼んでいた従来の操作方法も入れてあります。操作も両方使えますし、コクピット視点もあります。

――ノービス操作については?

 ノービスは入れていません。新しい操作系統はノービスを発展させた形で作っています。ノービスは戦闘機の操作らしくない部分もあったので、新しい操作は戦闘機を操作している感覚をちゃんと味わえるようにしています。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――ちなみに、トレーラーや画像では、機体がずいぶん大きく表示されていますよね。

 これは『ACEX2』のように演出として大きく見せているのとはちょっと違って、本当に近距離だから大きく見えるんですよ。

――どのくらいの距離なんですか?

 これでも戦闘機同士の距離は、100mぐらいは開いているんですけどね。デカいもの同士なので、あれだけ大きく機体が見えるのでしょう。

――でも100mは、空戦ではけっこう近い距離ですよね。これまでは1,000mくらいの距離から敵機目掛けてミサイルを撃って戦っていましたし。

 そうですね。これまでは1,000mくらいからミサイルを撃って、上手い人になると、それが敵機に当たったどうかを見ることもなく次のターゲットを狙いに行く、というゲーム性になってしまっていたんだと思います。今回、もうちょっと敵機を追いかけて仕留める、という戦いをできるようにしたのがクロスレンジアサルトです。やっぱり戦いのインパクトをより強く感じられるのは近距離戦なので、それを多めに入れて行きたいとは考えています。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――近距離の戦闘は、敵機から仕掛けられてそういう状況に陥るのか、プレイヤーが自分で積極的に仕掛けられるのか、どちらなのでしょう?

 それは、実はまだ言えないんです。ただ、遠距離で戦っている中から、いかに近くをクローズアップしていくか、という点はプレイヤーに選択を持たせているつもりです。遠くから撃って壊すこともできますし、近づいて追い詰めて行くということもできますし、その割合は我々がベストと思うバランスに調整していきたいと考えています。遠距離主体の戦闘にしてしまうと、これまでと「やっぱり変わらないじゃん」ということになってしまうので(笑)。

――近距離戦ですと、機銃も活躍の機会が増えますか?

 機銃は撃っていて気持ちいいと思いますよ。今、もうちょっと機銃を練りこもうという話をしているところです。今まで、基本はミサイル攻撃で、機銃は添え物みたいなところがあったと思うのですが、今回は、戦闘シーンで「機銃を撃ちたい!」と思ってもらえるように、変えていきたい。ビジュアルも、今まではラインで描いているだけでしたが、それも変えようと検討しています。機銃を撃った時に気持ちいいものにしたいですね。

――では、今作では機銃もかなり使えるようになる?

 今まで、機銃はミサイルや特殊兵装よりちょっと(優先順位が)下がる武装でしたけど、今回はイーブンにしたいです。そもそもこれまでは、敵機を近距離にとらえた状態を維持するのが難しくて、うまい人でなければなかなか積極的に機銃を使えなかったと思います。けれど今回は、クロスレンジアサルトであれば近距離で自然に戦えますし、そこでは当然、機銃の位置づけも変わりますよね。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』 『エースコンバット アサルト・ホライゾン』 『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――“破壊”という部分について、今までとはまったく違う壊し方などはありますか?

 壊し方だけにこだわっているだけではなくて、まずは『エースコンバット』がこれだけ変わったんだよ、という部分を見せたくて破壊を前面に出しました。もちろん、これまでの『エースコンバット』のよさも残っていて、それは今後の情報発信でお見せしていきたいと思っています。いつもなら、ドラマ部分のメインキャラクターも最初に見せているのですが、今回はあえて“破壊”だけに焦点を絞って最初の情報を出しています。その分、FPSみたい、海外産のゲームみたい、という誤解も多いですけれど(笑)。

――では、スピード感についてはどのようにこだわっているのでしょう?

 人間は、速いのは気持ちいいから好きですし、だから世の中のものがだんだん速くなっていくという面があるのではないでしょうか(笑)。ハイスピードを感じるためには何が必要なのか、そこも細かく分解して突き詰めていきました。トレーラーでもそれがわかりやすいように、速さが感じられるようなビル群の中を戦闘機が飛行するシーンを入れました。他にも、地上との相対速度など、速さをいかに感じられるかの表現にこだわっています。


■ヘリが登場した理由は? ヘリならではの遊びとは?

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――今作ではヘリも使えるようになりましたが、なぜヘリを入れようと考えたのでしょうか?

 まずはシューティングゲームというところの位置付けで、破壊のコミュニケーションの1つとして、ヘリもおもしろいんじゃないかと考えたんです。やっぱり戦闘機とは全然違うおもしろさがあって、ターレット(旋回)でバルカンが機首とは全然違う方向に向くのもそうですし、ヘリならではの撃つ気持ちよさにフィーチャーして、シューティングの楽しさを味わえるように作っています。

 ただ制作上、ヘリはどうしても難しいんですよね。上下左右に動けますし、止まれますし(笑)。戦闘機よりも、さらにいろいろなことができるので複雑です。しかも射線軸と機体の向きも変えられるので、それをそのままゲームに搭載すると難しくて操作できなくなるでしょう。そのあたりがゲームデザイナーの腕の見せどころで、どこを残してヘリっぽくして、かつシンプルに落としこめるのか。『エースコンバット』らしい味付けで、気持ちよく敵を倒して遊べるシューティングゲームになるようにしています。操作系統は、戦闘機と全然違うものになっています。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――ヘリと戦闘機ではどう変わってくるのでしょうか?

 戦闘機が「ハイスピードで飛び抜けて仕留める!」という快感だとしたら、ヘリの方は「近接で地上の標的を大火力で破壊!」という気持ちよさを味わえるようなイメージです。

――ヘリと戦闘機では、ある種、別のゲームのように戦い方が変わってきますか?

 破壊の感覚は一緒ですし、操作のハードルも同じくらいに設定しています。根っこが一緒ですから、1本のゲームです。けれど周りからは「何でこんな2本もゲームが入るようなことをしているんだ」と言われますが(笑)。

――作るとなると、全然違うのですね。

 別物ですね。スピードを落とせばヘリはホバリングもできますし。ホバリングという状態は、今までの『エースコンバット』にはなかったので、それは全然作りが違います。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――止まれるということは、ヘリならではの状況もミッション中にあるのですか?

 そこは期待していただきたいところですが、止まって撃てるので“ポジショニング争い”という遊びが生まれるんです。戦闘機であれば後ろの取り合いになりますが、ヘリの場合は、たとえばこの建物に対して、どの位置から撃つのがいいのか、というのを考えることになります。あと両方に共通しているのは、破壊の気持ちよさをシンプルに味わえるように作っている点ですね。

――ヘリというと、戦闘機とだいぶスピードが違うようにも思えてしまうのですが。そのあたりのスピード感は、ゲーム内でどんな感じになるのでしょう?

 遊んでいる中では、スピード感は違います。でもやっぱりシューティングという部分を前面に押し出したいので、対地の視点のおもしろさがポイントになります。ヘリだと地上にいる兵士まで見えるんです。

――ヘリは地上のターゲットを破壊するミッションが主になるのですか?

 ヘリ対ヘリもありますけど、基本的にはそうですね。ヘリで出撃する時は、ヘリ専用ミッションになります。今回は、ブリーフィングとミッションの繰り返しというスタイルは捨てていて、ビショップという主人公の話を軸に、ヘリのパイロットや、他の発表していないキャラクターの視点の話がいろいろと挿入されて、それらが絡まってストーリーが構成されています。

――操作できるヘリはどのくらいありますか?

 戦闘機ほどはないですが、皆さんが期待しているヘリは出せるんじゃないかと思っています。今はアパッチを公開していますが、戦闘機とあわせて30機くらいを目指したいです。ただ今回は、数よりも種類にこだわっている部分があるんですよ。結局、プレイヤーさんの感じる「どういう違う遊びができるの?」「それに乗ると何ができるの?」というのに応えのるが大事だと思っていて、そういったバリエーションは頑張って作っています。戦闘機が好きな人は数が大事というのも理解しているので、ある程度の数はそろえようとは思っていますが。本作はワールドワイドで発売されますから、人気のある機体はちゃんと押さえます。

『エースコンバット アサルト・ホライゾン』 『エースコンバット アサルト・ホライゾン』 『エースコンバット アサルト・ホライゾン』 『エースコンバット アサルト・ホライゾン』

――他にも、新しく操作できるようになったものはありますか?

 新しいところでは、ヘリガンナーというのもあります。ヘリに乗って兵士の視点で機関砲を撃つというシークエンスを、ヘリの操作とは別に用意しています。

――では、ミッションは今までにないものが結構あるのですか?

 そうですね。ミッションのバリエーションはだいぶあります。まだ口にしていないだけですが、戦闘機、ヘリ、ヘリガンナーがあって、まだ行きますよ! みたいな(笑)。

――戦闘機のカスタマイズ要素などはありますか?

 『アサルト・ホライゾン』ならではのカスタマイズ要素は検討しています。カスタマイズができることで「何をさせたいの?」というのを踏まえて、新しいカスタマイズ要素の導入を考えているところです。

→ストーリーの構築方法、そして挑戦のきっかけ(3ページ目へ)

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