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2010年11月24日(水)

イメージエポックが多数のJRPG発表!! 仲間をロストする『最後の約束の物語』など

文:電撃オンライン

 イメージエポックは、“JRPG宣言決起会”と題した新作発表会を、本日11月24日に日本橋三井ホールで開催した。

イメージエポック

 イメージエポックは、『ルミナスアーク』を皮切りにした『アーク』シリーズ、『ワールドデストラクション』や『セブンスドラゴン』、昨今では『ラストランカー』や『クリミナルガールズ』を開発したデベロッパーとして知られてきたメーカー。同社は、本日の発表会でパブリッシャー事業に参入することを宣言した。

 発表会では、2011年に発売されるPSP『最後の約束の物語』や、PSP『ブラック★ロックシューター THE GAME』をはじめとした同社パブリッシングの新作、およびセガより発売され同社が開発を行う新規RPGについて発表した。『ブラック★ロックシューター』関連の2タイトルについては、先ほど掲載した記事を参照してほしい。

 ステージには、イメージエポック代表取締役・御影良衛氏が登壇。発表は同氏の口から行われた。御影氏はまず、1998年以降に3万本以上売れたオリジナル新作RPGのタイトル数の推移と、オリジナル新作RPG市場における2008年以降の同社のシェアを現したグラフをスクリーンに映した。そのグラフから、3万本以上売れたオリジナル新作RPGタイトルが少なく減少傾向にあること、オリジナル新作RPG市場において同社が順調にシェアを伸ばしていることを説明。JRPG(日本産RPG)の数を増やすべく、自分たちでパブリッシングする意向を明らかにした。

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▲日本産生まれのRPGを指す言葉として用いられるJRPG。海外では否定的な意味合いで用いられることが多いため「とてもくやしく思っている」と御影氏は語る。その汚名を返上するためにも、新たなJRPGを作っていく意気込みを示すという。

■仲間が死んだらエンディングが変わる……『最後の約束の物語』

 最初に発表されたのは、2011年4月28日に発売されるPSP『最後の約束の物語』。ゲームの紹介にあたって、ゲーム中でプレイヤーのナビゲート役を行うキャラクター“リゼット”を演じる喜多村英梨さんも登壇した。御影氏いわく、かなり難易度の高いゲームになるとのことで、喜多村さんも「悲痛だったり、苦戦だったりする状況を表すナビゲートのセリフが多かった」と収録の様子を振り返っている。世界が滅亡を迎える最後の24時間を舞台に、生き残りを駆けた騎士たちの戦いを描いた作品になるようだ。

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 さらに本作の特徴として、とある一定条件でキャラクターが倒れるとそのままロストしてしまうことが挙げられる。ラストはマルチエンディングになっており、キャラクターをロストすると、展開もまた変わってくるとのこと。仲間の数は決まっているので、いかにして仲間を守るかがカギとなるようだ。

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▲難易度について「このキャラクターは絶対守ると決めればなんとかクリアできると思います」と話す御影氏。「全員生き残らせることができれば、すごいことだと思います」と、かなりの手応えとやり込み性を感じさせるコメントを口にしていた。

 喜多村さんの役柄については、ゲーム中でもっともプレイヤーが声を耳にすることから、「ヒロインと並んで重要なキャラ」と語る御影氏。喜多村さん自身も、「凛(りん)とした女性で、セリフやお芝居も淡々としています。けれど、プレイヤーをいたわるようなニュアンスから感じられる、女の子らしさ、人間らしさに注目してほしいです」とリゼットについて話していた。

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▲喜多村さんは、重厚な世界観でシリアスなストーリーが展開する作品は好みらしく、本作が絶体絶命の状況から始まり、仲間が死ぬと消えてしまうシビアさに注目していた。
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▲ちなみに、別の記事で紹介している『ブラック★ロックシューター THE GAME』と、本作『最後の約束の物語』は、セガが流通を担う。登壇したセガの国内CS事業部事業本部長・野本章氏は「皆さんにイメージエポックのタイトルをさわっていただき、イメージエポックファンを増やしたい」と話していた。

 また、作品のキャストやスタッフも公開されたので掲載する。

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【スタッフ】(※敬称略)
 エグゼクティブ・プロデューサー:御影良衛
 プロデューサー:宇田洋輔
 キャラクターデザイン:倉花千夏
 サウンドコンポーズ:GainGauge


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【キャスト】(※敬称略)
・神谷浩史  ・鈴木達央
・小西克幸  ・梶裕貴
・田村ゆかり ・茅原実里
・遠藤綾   ・喜多村英梨
・安元洋貴  ・代永翼


■オンラインゲームにも本格参入!

 『ブラック★ロックシューター』関連2タイトルを挟んで紹介されたのは、3つのプラットフォームで展開されるオンラインゲーム『シュバリエ・サーガ・タクティクス』。本作はWebブラウザ上で遊べるシミュレーションRPGで、PS3/PC/スマートフォンでサービスが展開される。そして本作において、御影氏がネットワーク開発面でのパートナーとして選んだのがNHN JAPANだ。

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 登壇したNHN JAPANの代表取締役社長・森川亮氏は、「ブラウザゲームといえば地味なイメージがあったと思いますが、この『シュバリエ・サーガ』は次世代型ブラウザゲームで、グライフィックもゲームシステムもコンソールに近いクオリティのものをイメージエポックさんと作り上げていきます」と作品をアピール。サービス開始は2011年夏が予定されている。

 ゲームでは、人と竜が契約を交わして繁栄の約束された島を舞台に、竜の秘宝を求める者たちが引き起こす戦い“シュバリエ・サーガ”を体験することになる。多数のプレイヤー同士による大規模決戦がプレイできる他、ソーシャルゲームの要素も取り込み“1人で短い時間でも遊べるモード”も搭載されるという。ちなみに、ソーシャルゲームの要素はスマートフォンでのサービス開始後に導入されるとのこと。

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▲森川氏がさらに語ったところによれば、PS3、PC、スマートフォン、すべてが連動し、それぞれのプラットフォームの特徴を生かした連結が成される予定であるという。御影氏は、2008年に『ルミナスアーク』のWi-Fi対戦がアメリカのユーザーの間で好評を得たことから、ずっとオンラインのシミュレーションRPGを作りたいと思っていたのだという。その思いが、本作につながったようだ。

 御影氏いわく、来年の3月か春くらいにはベータテストを予定しているという。PS3/PC/スマートフォンをプラットフォームとした本格的ゲームという珍しい立ち位置であることから、なるべく早い段階でリリースして、そのジャンルでのオピニオンリーダーになることを目指しているとも語った。

 また御影氏は、アンドロイド&スマートフォン向けのSNS型RPGをウィルアークの開発でリリースすることも発表。サービスの開始時期は、2011年の夏~秋になるという。

■TYPE-MOONとのコラボタイトルも! さらなる4タイトル発表

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 また、具体的な情報などは明かされなかったが、2012年以降に発売予定となる4つのタイトルにいても触れられた。1つ目は、TYPE-MOONとコラボレーションした作品。『フェイト/エクストラ』が縁で両者が仲よくなったことから生まれたというこの作品は、『フェイト/エクストラ』の続編のようなものではなく、完全新作になるという。プラットフォームは明かされなかったが、「完成まで3年くらいかかると思います。ハードや規模はそこから推測していただければ」と御影氏はコメントしていた。

 2つ目のタイトルは、『アーク』プロジェクトと呼ばれるオリジナルシミュレーションRPG。『ルミナスアーク』シリーズや『アークライズファンタジア』など、『アーク』の名の付いた作品と関連しているようだ。こちらは、TYPE-MOONとのコラボ作品より短い期間で完成するだろうと御影氏は話す。

 3つ目に挙げられたのは“MARSプロジェクト”とだけ明かされた、JRPGクリエイターとの共同プロジェクト。「“MARS”とあるので、勘のいい人ならわかるのでは」と御影氏が話していることから、現在は小説なども執筆している某クリエイターを連想するところだが……。

 そして4つ目に紹介されたのは、古いPC用RPGなどを再構築していく“REMUSプロジェクト”。伝統あるシリーズのJRPG化プロジェクトとも説明されている。4作品の中では唯一、完全新作ではないタイトルとなる。

 また、弦楽四重奏の演奏とイメージアートのみが公開された同社のデベロッパー新作RPGも、2011年内にセガから発売されることが明らかにされた。

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 最後に、御影氏から少しだけ話を伺ったので、以下にその模様を掲載する。

――本日は、JRPGの新作発表会ということですが、御影氏が考えるJRPGの魅力を教えてください。

 日本のRPGは、(ゲーム進行の)ルートが決められていることが海外のユーザーから否定的とられられています。けれど逆に、ルート1つの密度は濃いのが魅力です。海外のRPGでは、主人公だけが掘り下げられることが多いですが、日本のRPGでは仲間の魅力も深く描きます。仲間たちとのきずなも描写されているのが、JRPGの魅力ではないでしょうか。

――パブリッシャー事業に参入したことで、今後、海外向けのRPGを作っていく予定はありますか?

 弊社はNIS America, Inc.(日本一ソフトウェアの米国子会社)とも提携していますので、弊社のタイトルをアメリカ、ヨーロッパで出すことはあると思います。アメリカで『ディスガイア』作品が15万~20万を売り上げていることから、海外のJRPG市場というのは、大きくはないけれど無視できない数字だと考えています。弊社の海外展開においては、まずはJRPGを販売して、JRPGを好むユーザー層をきちんと獲得しなければならないと思います。それさえ容易なことではありませんが、まずはそれをしなければ、海外ユーザーの望むRPGを作る段階ではないと考えています。

(C)Imageepoch

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