2010年12月3日(金)
▲インタビューの後半に行く前に、岡部さんはちょっとコーヒーブレイク……って、ん? | ▲「ボク、お風呂好きなんですよ~」。ナニしてるんですか、7号さん! |
──では、収録されている各曲について、岡部さん自身からコメントをお願いします。
01.『イニシエノウタ - Lost Androids Mixuxux』
1~5曲目まではDLC用に作った曲になります。DLC用楽曲については、ヨコオさんの発注がそもそも奇妙でした。「オリジナルは透明感を大事にしたピュアな作りだったので、DLCではちょっと夏休み明けの中学生みたいな、スレた感じにしてください」と(笑)。というわけで全体的にちょっと調子に乗って、ワルぶった感じにビート感を前面に出しています。とはいえ『イニシエノウタ - Lost Androids Mixuxux』はエレクトリック寄りで、原曲のストリングスも生かしつつ、比較的小ギレイにまとめました。リテイク多めでしたが、アレンジCDの冒頭を飾る曲なので、まだ夏休みデビューしたてのウブな感じを残した仕上がりになりました(笑)。
02.『青イ鳥 - Hansel und Gretel』
DLCの中ではもっとも激しくて、勢いのあるアレンジに仕上がっています。音もひずませて、ぐちゃぐちゃしたイメージを重要視しました。もともとがボス戦用の曲なのでさらに勢いをつけて、ロック調にアレンジ。好き放題に暴れ倒したイメージです。
03.『魔王ノ城 - Iron Fist mix feat.DJ-BKO』
ヨコオさんから「某格ゲーっぽいイメージで!」と発注を受けたはいいものの、仕上げてみたら「某格ゲーっぽすぎる!」とリテイクを食らったという、思い出の1曲です(笑)。メロディアスな部分を残しつつ、ギャップのあるリミックスにチャレンジしてみました。
04.『エミール - Ultimate Weapon No.7』
原曲がボーイソプラノの美しいメロディーを意識して作ったのに対し、このアレンジではメロディーとコードをあえて乖離(かいり)させてみました。原曲を知っている人にはそれが気持ち悪く聞こえるかもしれないとモナカのスタッフ一同危ぶんだんですが、意外とスクエニのスタッフさんらには好評で。「あ、こんなに冒険してもイケるんだ」と、『ニーア』の懐の広さを知った気がした1曲です。
05.『魔王 - Crying Yonah Version』
部分的にメロディーを切り刻んで順番を変えてみたり、いろんな遊びを加えてみた曲です。クラシック調の原曲を、現代的なエレクトリック調にアレンジした比較的素直な曲なので、聞きやすいのではないかと思います。
06.『エミール/Ver.ピアノ』
6曲目からはユーザーさんの人気が高い曲からセレクトしてアレンジに取り組みました。エミールの曲は、サントラに収録されている2つのバージョンともストリングスメインでしたので、こちらはピアノだけのインストゥルメンタルに仕上げてみました。ゲーム用だと基本的にループを意識して作らないといけないですし、シーンに合わない起伏があるといけないので淡々とした構成にすることがほとんどです。ですが、今回は純粋に聞いていただくための1曲ということで、始まりから終わりまでストーリーを語るように起伏のある構成になっています。しっとりと聞いてみてください。
07.『カイネ/Ver. 重奏』
アレンジCDのサイトでも試聴できる楽曲です。バイオリンやチェロのカルテットで生音を新たに収録させていただきまして、ぶっちゃけ今回のアルバムの中でもっとも手間とお金のかかっている、贅沢な1曲となっております(笑)。弦楽器のみでさらに楽器の数を絞り込んだことで、音に厚みと深みが出ています。よりカイネの抱える痛みや切なさを表現できた、叙情的なインストゥルメンタルに仕上がっています。
08.『愚カシイ機械/Ver. アカペラ』
このアルバムで唯一の、通常ステージ曲からのアレンジになります。そもそも原曲が、ロボットや金属をイメージしたインダストリアルな雰囲気にきれいなメロディを乗せてミックス感を強調していたので、逆にこちらは「キレイなメロディ」のみを抽出したアレンジにしてみました。和声を新たに収録しましたので、多重録音によるアカペラの声の透明感に聴き入っていただけたら。
09.『イニシエノウタ/Ver. ピアノ』
ピアノのみのインストゥルメンタルになります。『イニシエノウタ』は『ニーア』の代表曲でもあるので、もう聞き飽きたよ~という方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう方にも「やっぱりいい!」と思ってもらえるよう、ピアノが得意なスタッフに弾いてもらいながらディレクションしつつ、共同作業で作り上げました。コード感が原曲とは少し違うので、また異なる印象で受け入れてもらえるのではと期待しています。
10.『魔王/Ver. オルゴール』
実はゲーム中で使われていたのにもかかわらず、オリジナルサントラCDから抜け落ちていた1曲です。せっかくなのできっちり作り直して、納得のいくまで細かいところを作りこみました。静かな環境で、耳を澄まして聴いてもらえたらうれしいですね。
11.『ニーアの伝説 ~8ビットの勇者たち~』
これはもう出オチです!! (笑) ストーリーを追ったメドレーになっていまして、もしも『ニーア』がファミコンで発売されていたならこんな感じかなと。わりといい出来に仕上がったと自分でも満足しています。8分強ありますので、物語の流れを想像しつつ聞いて、楽しんでいただけたらうれしいです。
──では、最後に発売を心待ちにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします!
『ニーア』という作品を愛してくださる皆さんに支えられて、このようにアレンジCDを発売することができました。「この曲が欲しい!」と思ってもらえるものばかりを詰め込んだつもりですので、試聴して気に入ったら、ぜひソフト、サントラCDと一緒に手元に置いていただければうれしいです!
マスタリング当日に、Ustreamの生放送で試聴ゲリラライブが行われたこのアレンジCD。当日はファンの方たちがわんさと押し寄せて、ツイッターでのつぶやきでものすごく盛り上がりました。あれから約2カ月……ようやくCDを手にする日が近づいているかと思うと、わりとホントに感無量です。
全曲を聴かせていただいた個人的な感想としては、いわゆる作業用BGMのCDとしてピッタリなんじゃないかしら、と思っています。というのも、私は『ニーア』のオリジナルサントラのほうを聞いていると、全然作業が進まないのですよ……。
聴き入っちゃって、泣けてくるから。アレンジCDのほうは、DLC関連の曲がほどよくビート感が強いので、『ニーア』の想い出に浸りつつもドライブしたり、お仕事したり、移動中に聞いたりするのにオススメです。
その一方で、6曲目以降のピアノや弦楽器によるアレンジはまたすごい存在感! ホテルのバーなどで『エミール/Ver.ピアノ』が奏でられていたら、たぶんスタイリッシュなお客様がマティーニを傾けながら、「……これ、なんて曲だい?」と渋い声でバーテンダーに尋ねるに違いありません! しっとり本格派の美しいメロディーにぜひ酔いしれてください。
そしてファミコン世代は絶対に11曲目を聞くべし! 8ビットのアレンジは、不思議なことに『ニーア』のストーリーさえもギュッと濃縮したかのような味わいで、聴いていた私はなぜか涙さえ出てきそうになったのでした…。
11曲を詰め込んで、価格が2,100円(税込)というのもうれしい今回のアレンジCD。これが売れたら、次なる展開も……あるといいのに! ファンの皆さんはそんな感じで祈りを込めつつ、店頭やネット、スクウェア・エニックスのe-STOREでぜひお買い求めください。2つのサントラCDを並べて、白の書と黒の書が自宅にそろう日が今から楽しみです!(もう1回生放送やってくれないかなとひそかに期待しているサガコ@7号ラヴ)
▲「それにしてもここは爽やかな香りがします! ニーアさんとカイネさんも呼んであげればよかったな~」。7号さん、マジ自由っす……。 |
【!緊急告知!】
ローホーローホー! 朗報~っ! 記事掲載前に、新たな情報が飛び込んでまいりました! なんでも12月8日の水曜日に、Ustreamでまたもやナニカが起こるらしいですよ!? 発売記念のサプライズ……『荒ぶるエミール』がますます荒々しく!?
皆様、今すぐ12月8日の夜の予定を“パソコン前待機”にチェンジで!! 詳細は公式サイトよりご覧ください。(ハッシュタグ #nier/12月8日21:00配信開始予定)
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