【洋鯨亭 39回】続編の発売間近！ 今からやっておきたい海外RPG超大作!!

文：電撃オンライン

■さまざまな種族が登場する『マスエフェクト』の奥行きある世界観

　本作に登場する異星人は見た目やしゃべり方が個性的なんですけど、仲間になる異星人はさまざまな場面で発揮する能力にも違いがあるんです。

　たとえば爬虫（はちゅう）類のようなクローガン族はHPと防御力が高め、クォリアン族は攻撃力はそれほど高くないもののハッキング能力を持っている、などなど。各異星人には、政治や文化、直面している問題などの設定もされていて、会話などを通して膨大な量の情報に接することもできるんですよ。

　これらの細かな設定がキャラクターに深みを与えていて実に楽しいんですよね。たとえば、前述の好戦的なクローガン族は、滅び行く種族の問題に胸を痛めていて、あるキャラクターはその問題が解決するのであれば何でもしようと思っている、といった行動原理が設定されているんです。

▲まるで巨大なトカゲか恐竜のような姿をしたクローガン族。「オレサマ　オマエ　マルカジリ」と言わんばかりの巨大な口が怖いです。

　粗野で相手の命を奪うことをなんとも思っていないこの種族が、実はこんな重い宿命を背負っている、という意外性には同情する気持ちが沸くかもしれません。しかし、本作のいいところは“仲間にした異星人は必ずしも無害”ということではなくて、優先すべきことがあった場合は平気で仲間を裏切る場合もある、という点です。

　これは種族の違う異星人との関係性において、ほどよい緊張感を生んでいると思います。利害が一致しているから一時的に行動をともにしているだけ、と割り切っているんですね。こういったイベントは、その種族ならではの考え方を体現しているようで興味深いです。

■会話シーンに用意された多彩な選択肢

　本作の会話は、豊富な選択肢から選んで行います。選んだ項目によって会話の内容が変わるのはもちろん、選択内容によっては戦うはめになることもあるわけです。この選択肢は会話のなかで1～2回出てくるといった程度ではなくて、選択肢の先にもさらに選択肢が用意されているんですよ。

　つまり選会話の階層が深い（分岐が多い）ということですね。選択肢によって会話がどう変化するのか、いろいろと試してみたくなるなんじゃないでしょうか。

▲重要な人物との会話だけでなく、脇役とのわりと普通な会話にも豊富な選択肢が現れます。

　この多彩な選択肢は左スティックの倒した方向で選べるため、数が多いからといって操作のわずらわしさを感じさせないところがいいですね。

■MAKOで惑星探索

　本作の特徴の1つが、たくさんある惑星の探索です。各惑星には“メイン、サブクエストに関連したイベントをこなすため”というゲーム本来の目的以外に、ただ単に探索したいからという理由で訪れることもできるんです。

　サブクエストの多くは各星系にある星に用意されていますから、メインストーリーから外れて寄り道したいなぁという場合は、たいていこういった星に訪れることになるでしょう。ただし、これらの星には着陸して探索できる場合とできない場合があるんです。探索できる場合は宇宙船・ノルマンディー号に積まれたMAKOと呼ばれる装甲車両を降下させることができ、実際に惑星上を移動することができます。

　この宇宙船から射出されたMAKOが地上に着陸する短いシーンは、まるで特撮映画のようでちょっとかっこいいんですよ。あと、この場面だけでなく本作の映像は常に軽くザラついているというか、ノイズのようなエフェクトがかかっているのも映像にほどよいリアルさを加えていて好きなんですよね。

▲宇宙船ノルマンディーから射出されるMAKO。逆噴射で降下速度を落としながらフワっと着地。短いシーンながらも、未知の惑星に降下したときのワクワク感をあおってくれる場面です。

　MAKOは乗ったまま敵を砲撃できる他、いつでも乗り降りができて白兵戦に切り替えることもできます。この砲撃が強力なために戦闘ではついつい多用してしまいがちなんですけど、攻撃に気をとられてダメージを受けすぎると車両が破壊されてしまいますから注意が必要です。

　なお、ダメージを受けた場合は、オムニジェルという汎用性のある素材を使って修理します。オムニジェルは落ちているものを入手したり、いらなくなった武器や防具などを分解して生成することができます。

▲探索によって、貴重な鉱物資源を発見することができます。また、突然巨大な原住生物に襲われたりすることも！

▲訪れた星によっては、情報になかった秘密の施設を発見できることもあります。もちろんこの施設内も探索することができるんですよ。重要な情報が隠されている場合もありますから、積極的に調査をしましょう。

　また星に着陸して探索できない場合は、コマンドを実行することで貴重なアイテムを発見できることがあります。

▲着陸できない惑星では“調査”というコマンドが現れます。これを実行すると、写真のように貴重なアイテムが手に入る場合も。

■本格的なSF・RPGが楽しみたい人にオススメ！

　本作は戦闘がTPSで行われるため、じっくり考えて戦うターン制のRPGを望んでいる方にはちょっとオススメしにくい作品です。それでも、一般的なTPSやFPSよりもやさしめの難易度ですし、仲間や装備を変更することでも難易度は変わりますから、慣れていない方にもぜひ挑戦してみてほしいなぁと思っています。

　あとは、作り込まれた世界設定を持つ作品が好きな方にもプレイしてほしいですね。本作は本編のディスクだけでも結構ボリュームがありますが、プラチナコレクションなら追加シナリオが収められたボーナスディスクまで付いてくるのですから、確実にお買い得でしょう。1月の『マスエフェクト 2』発売に備えて、今から『マスエフェクト』をプレイしてみてはいかがでしょうか。

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• 『マスエフェクト』公式サイト
• 『マスエフェクト 2』公式サイト