真のジャケは「ダントツかわいい」!! 平田・今井・原トリオが『アイマス』CDアピール

文：電撃オンライン

●カバー曲について

平田　『星間飛行』は、キーは出しやすかったんです。ただ、表現は難しかったですね。最後の「魂に銀河 雪崩れてく」のところは、私はしっとり歌うべきだと思ったんですけど、ディレクションでは「かわいく、かわいく」と要求されて……。私は普段、そういうところで（意見が）ぶつからないんですけど、ここだけは「カッコよく、しっとり系でしょ」と思っていたんです。ですから、最後の詞のところは本当に忘れられないですね。ただ、この歌の雰囲気でいったら“かわいさ”が中心になるので、実際にできたものを聴いたら「あ、かわいく歌った方が正解だったんだな」と勉強になりました。

　『星のかけらを探しにいこうagain』は、みんなそれぞれアレンジが変わっていまして、3人の中では私の曲が一番アップテンポで、明るめになっています。みんなのハモりを録る時に（アレンジが）全然違うので、私は“明るい曲”でいったら、他のみんなはしっとり系だったので、ハモりを意識的に合わせることが難しかったですね。三者三様で味があるいい曲になりましたし、曲自体は同じなんですけど（アレンジによって）“全然違うもの”として聴けると思いますので、続けざまに（3曲を）聴いてみるといいかもしれません。

今井　千早のカバーは『愛について』でして、なんと驚きの、さだまさしさんの曲です。私がいろいろなところで（さださんを）好きだ好きだと言っていたのですが……あるまじきことに、この曲を知らなかったんですよ！

平田　好きなのに知らなかったの!?

今井　しかもこれ、世界名作劇場の『家なき子レミ』のオープニング曲だったんですよ。私、子どものころから世界名作劇場を大好きで全部見ていたんです。でも（『家なき子レミ』の放送時は）なんと驚きの浪人中だったんですよ！（笑）

平田　見ている場合じゃなかったんだ（笑）。

今井　そう。ちょうど浪人中で、見ていなくて知らなくて。しかも私、CDも持っていたのに聴いたことがなくて。最初に「千早のカバー決まりましたよ、『愛について』だから」って言われた時に、さださんの歌って言われて「へっ？」みたいな。その時、『家なき子』って言われたから、てっきり私は（TVドラマの）『家なき子』だと思ったんですよ。あれも浪人シーズンで見ていなくて（笑）。

　それで、私がさださんを好きだと言っていたから、もしかしてリクエストにも影響しちゃったのかなと思って、ちょっと複雑な気持ちにもなったんですけど、全然そうじゃなかったんですよ。リクエストされた方が「歌を聴いて千早っぽいから選びました」とおっしゃっていたんです。

　確かに歌詞を読めば読むほど、聴けば聴くほど、千早さんが歌っているとしか思えないんですよ！　喜びや挫折を繰り返して、でも何かを信じて、愛については知らないけれど、愛を語れる日が来るまでは旅を続けている。ここは千早だったら歌うことによって（旅を続けている）、という意味なのかなと思ったんです。すばらしいカバー曲を選んでいただきました。私の中の千早像が凝縮された曲で、不思議なご縁だなと。

平田　不思議だよね！

今井　（世界名作劇場は）他は全部見ていたのに……！　衝撃でした。あと『星のかけらを探しにいこうagain』は、杏子さんが歌っているのを聴いていて「真に合いそうだな」とずっと思っていたんですよ。

平田　ハスキーボイスだからでしょ？

今井　そう。実はずいぶん昔から、真にリクエストがたくさん来ていたんですって。

平田　そうなんだ！

今井　何年も前からリクエストが来ていたんだそうです。だから千早バージョンはどんな感じになるのか……キャラクター性も違うし、どう表現しようかなと思っていたんですが、そんなことを考えるすき間もないぐらい、難度の高いジャズアレンジで（笑）。曲というのは、アレンジによっていろいろな表情を見せるんだな……と改めて感じさせる仕上がりになっています。

　『星のかけらを探しにいこうagain』では“千早が歌うならどうなるのか”を大切にしながら歌わせていただきました。貴音と真が本当に楽しそうにコーラスを入れているところが気持ちよくて。ドラマパートを聴くとわかるんですけど、この曲は千早が2人を巻き込んで一緒に歌おうと言っているんですね。3人がニコニコしながら歌っているのが目に浮かぶ、とっても素敵な仕上がりになっています。

原　貴音のカバー曲は『月のワルツ』でして、私はこの曲を知らなかったんですけど、こういった曲調の曲を歌ったことがなかったんです。どんな感じで歌えばいいのか、いつもは歌詞の意味を考えながら練習するんですけど、不思議な世界観なので、ちょっと（歌詞の意味）が難しいなと思いました。でも『みんなのうた』で流れている専用のアニメーションを見て、この曲の世界観が理解できたんですよ。

　『月のワルツ』は、今回収録されている曲の中でも録り始めるまでに時間が掛かったというか、どんな感じに録ろうかを固めるまでにすごく時間が掛かったんです。最終的には、貴音の妖艶な、妖（あや）しい雰囲気を表現して歌ってください、ということになりました。それで譜面には、ディレクションの内容を書いていくじゃないですか。ただ私、漢字に弱くてですね……“妖”という字がうまく出てこなくて、“妹”って書いてたみたいなんですよね。

平田　惜しい！（笑）

今井　全然似てないから！（笑）

原　あれー、そうですかねー？　自分でも「何か違うな」とは思っていて、（文字を）見ていても妖しい雰囲気にならないのは、なんでだろうと（笑）。そんな苦労もありました。最終的には、この曲は本当に貴音らしい、貴音のセクシーな雰囲気が詰め込んであります。息づかいも意識して歌いましたので、そういった部分にも注目して聴いていただければと思います。

　『星のかけらを探しにいこうagain』は、（『月のワルツ』とは）反対にものすごくアッサリ録れたというか。1回テストで歌って、その後にも1本、2本くらいしか歌わずに「いい感じなので、これで終了です」ってなったくらいでした。そういうのは、私はめずらしくて「あっさり録れちゃった」と（笑）。

　曲のアレンジは、しっとりしていて優しい雰囲気だったので、聴いている方が穏やかになれたり、優しい気持ちになれたりするように意識しました。私は普段、録りあがった状態のラフ（音源）は持ち帰らないんですけど、この曲はすごく気に入ったので「くださいー！　すぐにー！」と当日にいただいて、ずっと家で聴いていたぐらいお気に入りです。皆さんもこの曲を聴いて、穏やかな気持ちになってくださいね。

●シリーズ全体曲『MEGARE！』について

平田　とても歌いやすかったです。歌には2種類あると思っていて、気持ちを乗せて出していくような種類もあるんですけど、（『MEGARE！』は）話し言葉に近いものだと思うんですよ。音符を気にするよりも、キャラクターの個性を重視してトークをするような感じで表現する曲の代表的なものが『MEGARE！』だと思います。

　2番の最初、「遊んでください」と言われた「もっと何かこう違うんだよねぇ　ズバーン！って感じで～」のところは、レコーディングの1回目か2回目にやったのが、やりすぎたみたいで（笑）。たぶん音符を無視していたんだと思う。

今井　あーそれは、さすがに（笑）。

平田　（他の人の声と）合わせる可能性もあるから音符は守って、って言われたのね。そこは守りつつも、真は比較的遊んでいる方だと思いますので、1番と2番の違いも楽しんでもらえるとうれしいです。それと歌詞の内容が、歌の『THE IDOLM＠STER』と似たような感じで、アイドルの大変さが表現されているので、アイドルというのはそれほどまでに“表現するのは大変”なんだなと思わせられますね。

今井　「2番は遊んでください」って皆さん言われているみたいなんですけど、千早さんの場合は、あまり遊ばない方が“らしい”のではないかと思ったですよ。最初、2番は「遊んでください」と言われたんですけど、その後に「しっくりこないですよね」みたいな話になって。私の中のイメージにあった「みけんにシワが寄っていく感じでどうですか？」って提案したところ、「いいね、それ」みたいな感じに（笑）。千早が「ズバーン！って感じでヨロシクちゃん」って言われたら、絶対みけんにシワが寄ると思うんですよね。「何をこの人は言っているんだろう」って。

　みんなは「ズバーン」のところを気持ちよさそうにやっていると伺っていたんですけど、（千早のCDでは）言われている千早が「は？」って言いたくなるような表現をしたので、ある意味千早らしく仕上がっていると思います。それと、この曲を作っているのは、もともとバンダイナムコゲームスさんにいた高田龍一さんなんですけど、不思議なものでバンナムさんの方が作った曲って“わかる”よね。

平田　うん。わかりますね。

今井　ね！　『アイマス』って感じがするんですよ。（『MEGARE！』は）第1弾の子も、真のも貴音のも全部聴いたんですけど、みんなキャラクターの個性がすごく出ていて、聞き比べがおもしろい曲になっています。

原　私も、2番のAメロは「遊んでやってみたー」って感じですね（笑）。（『MEGARE！』は）1曲の中でいろいろな面があって、お偉いさんの立場で「もっとこうしてくれよ」というニュアンスのところもあれば、貴音で「芸能活動シンドイです」って訴えかけているところもあり。Bメロは皆さんもそうですけど、さわやかに歌っていたり、サビはかわいい雰囲気だったり。「＆セクシー」のところで「ここはセクシーに！」というディレクションもありました。

平田　えっ、そうなんだ！

原　そうなんですよ。「＆セクシー」の「＆」のところを特にセクシーに言ってくれ、みたいな要望があって、何度も何度もセクシーな感じになるまで「＆セクシー」ばっかり言っていました（笑）。結果として、そこがセクシーになっているといいなと思っている“私的ポイント”になりました。

　『MEGARE！』は、他の人のを聴いても1人1人個性が全然違っていて、すごく楽しい曲になっています。「このキャラだったらここをどう歌っているんだろう？」といった部分も注目しながら聴いてほしいですね。

→真のジャケットが「ダントツかわいい」！（3ページ目へ）

(C)窪岡俊之 (C)NBGI

• 『アイドルマスター』シリーズ公式サイト
• 日本コロムビア内『アイドルマスター』特設ページ