PSP『俺の妹P』がこんなに……おもしろい！ 発売直前プレイレポートをお届け!!

文：ごえモン

　バンダイナムコゲームスから、1月27日に発売されるPSP用ソフト『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル（以下、俺の妹P）』のプレイレポートを、ごえモンがお届けします。

　本作は、アスキー・メディアワークスから刊行されている電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』をゲーム化した作品です。プレイヤーは主人公の高坂京介となって、妹の桐乃をはじめ一筋縄ではいかない女の子たちの“人生相談”を解決するため、奮闘していくことになります。

　そんな『俺の妹P』を、電撃オンライン編集部で1、2を争う原作小説ファンを自負するごえモンが、皆さんよりひと足お先にプレイさせていただきました。以下で、そのプレイレポートをお届けします。

■物語は原作6巻を思わせる展開で開始！

　ゲームを始めると、TVアニメ版のオープニングテーマ『irony』とともにOPムービーが流れます。OPムービーの内容はTV版で毎週変わっていた部分に、ゲームの素材を当てはめたような感じですね。そんなOPムービーが終わった後は、おなじみ京介のモノローグがスタート！　原作小説のように、自分や妹・桐乃の話、そしてこれまでの簡単な状況説明が始まりました。

▲こちらがゲームのOP映像です。キャラクター紹介の部分や、桐乃が走っているシーンなどがゲーム素材に変更されています。

▲TVアニメで放送された部分の状況説明がモノローグで入ります。そもそもの物語を忘れてしまった人は、ここでさらっと復習しましょう。

　実は、ここで『とらドラ・ポータブル！（以下、とらP！）』の冒頭を思わせるサプライズがあったのですが、それは実際にプレイして確かめていただくということでここでは省略。ちなみに僕は、あまりにもびっくりしたために5秒間くらい呆然（ぼうぜん）としてしまいました。PSPが壊れたかと思って……（笑）。

　さて、話を本編に戻すと、どうやら京介・沙織・黒猫の3人が、京介の部屋に集まってゲームで遊んでいるようです。本作の時系列は原作6巻スタート時のものというわけで、この冒頭も6巻の最初に似ているわけですね。というわけで、この後の展開は当然、桐乃が部屋に押し入って「なんでコイツの部屋に！」とか「……チッ」、「……キモッ」となるわけです。

▲3人で遊んでいたことに加えて、京介の位置から黒猫のスカートの中身が見えてるんじゃないか？　と烈火のごとく桐乃が怒りだしてしまいました。

■“シスカリ”かマイエンジェルあやせたんか、それが問題だ

　京介が黒猫＆沙織と遊んでいるところを見て、なぜか（笑）怒ってしまった桐乃。ここで、本作の特徴的なシステム“O（俺の）.I（妹がこんなに）.U（動くわけがない）.システム”と“ツーショット会話”が始まります。

　“O.I.U.システム”とは、2Dの画風を保ったままキャラクターの“視点移動”や“動き”を表現する、独自開発の映像技術“Live2D”を使用した会話システム。そして、“O.I.U.システム”で会話をしながら、キャラクターの発言に対して“ツッコミ”と“スルー”を使い分けてコミュニケーションをとるのが“ツーショット会話”です。

　この“ツーショット会話”に成功することで好感度が上がっていき、後々の展開が変わっていくのですが、わりと“ツッコミ”と“スルー”の判断が難しい！　沙織や麻奈実、あやせはツッコミどころがわかりやすいので簡単なのですが、桐乃は誘っているように見えてツッこむと怒るし、黒猫は邪気眼なのでツッコミを入れていいのやら悩むんですよ。ただ若干難易度が高めなせいか、救済措置がとられているので心配はいりません。その救済措置については後ほど説明します。

▲“ツーショット会話”のおかげで京介になりきれるので没入間が増しますね。それに中村さんのツッコミボイスも聞いていて楽しい。

　巧みな“ツッコミ”と“スルー”で桐乃の機嫌を直したら、会話の中で“シスカリのレコード”を手に入れました。レコードというのは、本作のルート分岐にかかわるアイテムで、『とらP！』でいうところの“記憶のかけら”のようなもの。このレコードを手に入れ、会話の中で使用していくことでさまざまなルートに分岐していきます。今手に入れた“レコード”はシスカリなので、シスカリを使えばそれに関係した人物の話が読めて、スルーすれば別の話が見られる、といった具合ですね。

▲レコードは最大2つ画面に表示され、どちらを選ぶか、それともスルーするかを選択することになります。わりとスルーも重要なので、覚えておくと役に立ちますよ！　また、一度レコードを選択してしまうとキャンセルができないので、注意が必要です。

　この“レコード”、どれを選んだら誰のルートに近づくか？　好感度が上がるか？　というのが見た目で簡単にわかるので、攻略が非常にしやすい。『とらP！』の時は高須棒でアイテムを見つけなければいけなかったのですが、今回は会話をしていれば自動で手に入るし、2周目以降にもフローチャートで1度手に入れたレコードを確認できるものいいですね。また、“緊急回避”というレコードを使えば、“ツーショット会話”で失敗した後に若干ですが好感度を上げることも可能です。これが、さっき言っていた救済措置というわけ。

　ちなみに、ここで出てきた“シスカリのレコード”は見事にスルー！　僕は沙織も好きですが一番好きなのはあやせなので、初回プレイでは他のキャラクターには見向きもせずにあやせルートに入りました。そしてあやせルートに入ったらニヤニヤの連続！　周りに同僚がいるにも関わらず、ずーーーーーーっとニヤニヤ2828ニヨニヨが止まらないので、左手で口元を隠して一見クールを装い、右手でメッセージを送るという羞恥プレイをすることになりました。……知っていますか？　本物の天使って、羽が生えてないんだぜ？

　とはいえ、あやせルートに入ってから終始ニヤニヤとしていたってことは、それだけシナリオがよくてキャラゲーとして優秀ってことですよね。あやせルートだけではなく、ifシナリオも含めてすべてのルートをコンプリートしましたが、それは他のルートでも同じでした。

▲あやせルートのスクリーンショットの一部を掲載します。イベントの詳細を語るとネタバレなので、スクリーンショットで想像しながらニヤニヤしてくだされ。

■システムは『とらP！』をブラッシュアップ！　さらにユーザーフレンドリーに

　ここでちょっとシステムのお話。もちろん、本作はデータインストールに対応（約500MB）していて、インストールしておけば読み込みで待たされることは皆無といっていいレベル。スキップも高速で自動クイックセーブもあり、バックログから好きなシーンに戻れるバックジャンプも搭載されています。セーブデータの並び替えやシナリオのフローチャートもあるので、どのルート・エンディングを見ていないかひと目でわかるのもうれしい限り。システムに関しては、基本的に『とらP！』に実装されていたものをすべて踏襲し、さらに細かい部分をブラッシュアップさせた作りになっています。

■キャラゲー＝つまらないゲーム？
いいぜ、まずはそのふざけた幻想を（略）してくれる良キャラゲー

　“キャラゲー”と聞いて、ネガティブなイメージを持つ人はまだ多いかと思います。それは作りこみが甘かったり、原作の世界観やキャラとの乖離（かいり）だったりで、これまでキャラゲーを楽しめていなかったからでしょう。

　しかし『俺の妹P』は、そんなイメージを払拭するほどいいキャラゲーに仕上がっています。『とらP！』をプレイしたことがある人は、出来に対して何も心配していないと思いますが、未プレイの人に言っておくと、世界観はとても原作に忠実で、キャラクターも原作からそのままゲームに入ってきたような素晴らしい再現度です。プレイしていて、まるで原作小説の続きを読んでいるような気分を味わえるほどの違和感のなさが感じられます。

　それぞれのキャラクターのルートは、物語的には特別奇をてらったものではなく、お嬢様なら、幼なじみなら、妹の親友ならこうなるだろう、というわりと王道な作り。しかし、リアル寄りな『俺の妹』の世界観であればこれで正しく、さらにキャラクターの魅力もあいまって“王道に堪えうる物語”にしっかりとなっていると感じました。失敗した王道ストーリーはただの普通の物語になってしまいますが、本作は違って、そのまま“○○ハッピーエンド”という形でTVアニメの続きとして放送してもそん色ない完成度です。

　また、原作小説では絶対に見られない話、ぶっとんだ展開のifシナリオもこの作品の魅力。ifルートは本編ほど長くはないですが、加奈子のちょろさにニヤニヤし、ロックルート（？）の展開にあっとおどろき、あやせifでどす黒いヤン……ちゃなあやせたんにチキンハートごえモンさんの心もガクブル震え、赤城の「おまえに溺れたい」的な発言にアッーと笑える、本当にファンにとっては最高のご褒美のようなゲームです。『俺の妹』を知っている人なら絶対に楽しめる1本に仕上がっているので、ぜひプレイしてみてください！　オススメです!!（ごえモン）

▲限定版に付属する『“俺の”妹めいかぁEX いもうとと恋しよっ♪ ぽ～たぶる』も、ヒロイン5人が義妹となって京介と同居する、というぶっ飛んだ設定になっていておもしろいです。本編とはまた違った『俺の妹』の世界が垣間見られますよ。

(C)伏見つかさ／アスキー・メディアワークス／OIP
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※記事中の動画およびゲーム画像は開発中のものです。

• 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル』公式サイト
• 電撃オンライン内特集ページ“週刊 俺の妹ポータブル”