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2011年1月25日(火)

マスターアップ2カ月前に大変更!? 『ぎゃる☆がん』開発者が秘話をマジメに語る

文:電撃オンライン

●女の子の表現に四苦八苦!

――3Dポリゴンで描写されていますが、インティ・クリエイツさんお得意の2Dで描くということは考えなかったのでしょうか?

『ぎゃる☆がん』

成田:セルアニメで表現しようとすると、単純に作画枚数が大変なことになってしまい、作りきれないということは頭に浮かんでいました。また、女の子をいろいろな角度から見られたり、移動しながらさまざまな場所から飛び出してきたりすることを考えると、2Dでは“決まった動き”しかできない。コスト以外の面でも3Dにするべきだと思いました。

伊東:検証は2Dでもしています。しかし、演出やキャラクターのパターンなどを考えて、3Dにしようということに落ち着きました。僕は最初から3Dにしたいと思っていたのですが、社内では2Dにしようという意見もあったのは確かです。

成田:もしかすると2Dでやっていたら、“ドキドキモード”は生まれなかったかもしれませんね。ゲームの幅は、3Dにしたことでかなり広がったと思います。

――女の子を3Dで表現していく中で、苦労したポイントなどあれば、教えてください。

『ぎゃる☆がん』

成田:(つぶやくように)苦労しかなかったなあ。

伊東:……。

成田:あれ? 苦労なかった?

伊東:いや、どんな苦労があったかを思い出していました。

成田:あれだけ監修してたのに、覚えてないの!?

伊東:ああっ、監修! 監修はしましたよ!!

成田:(笑)。まず、伊東のイラストにゲーム内のモデルが似ないんですよ。実は最初は4頭身くらいのデフォルメされた女の子だったんですが、「色気が足りない」とアルケミストさんからも指摘されました。やはりギャルゲーというところを強く出していったほうがいいということで、今のような女の子のデザインになったんです。

伊東:デザイン変更したものをモデリングしてもらったんですが、全然似ない。それどころか(モデリングしたものは)怖かったですからね。

成田:弊社としてはハイポリゴンの女の子を作るノウハウがなかったので、知識の蓄積が必要でした。女の子をカワイく作ることには、終始気を使っていましたね。

伊東:似せること以外で苦労したのは、モーションです。僕がコンテのようなものを用意して、モーション班に渡して動きを作ってもらう、という流れだったんですが、結構な量のコンテを書いた覚えがあります。かなり大変でした。

成田:最初は、学校の中で女の子が撃たれて倒れているように見えて、痛々しかった。それではよさが出ないということで、モーションはかなり考えましたね。中川さんからアドバイスをもらうようになったのは開発後半だったんですが、かなり濃い期間でした。

――ここでメインヒロインの生い立ちについて、それぞれお願いします。まずは野々宮かなめから。

『ぎゃる☆がん』
▲野々宮かなめ

伊東:ヒロインキャラなので、誰からも好かれるようなデザインにしようと心がけました。制服も登場するモブキャラと比べても、ニーソックスくらいしか違いがないくらいで、地味なイメージを受けるんですけど、印象に残るキャラを目指しました。特徴は、髪の毛くらいですかね。結構すんなりできました。

――イラストではいつもおヘソが出ているような印象を受けるのですが……。

成田:いい突っ込みですね(笑)。

伊東:……僕としては、4人の中でのエロ担当なので、肌色が一番見えるイラストにしています。素朴でちょっとムッチリした感じ。

――伊東さんは、ムッチリした女の子が好みなんですか?

中川:ヒヒヒヒ、すごい質問ですね(笑)。

伊東:どちらかといえばむしろ細身の子が多かったので、アルケミストさんとお仕事をして練習しました。いやらしくないようにしつつ、色気を出すのには苦労しましたね。

――では次は、木刀を持っている火吹晶について。

『ぎゃる☆がん』
▲火吹晶

伊東:晶は活発で、燃えるような女の子ということで赤をイメージしました。最初はポニーテールではなかったんですが、活発な女の子ということで変えました。……僕はポニーテールが好きなんで、お気に入りです。このキャラに関しては苦労していませんね。一番最初に考えて、でき上がったキャラです。

――制服は前面が大胆に切れていますね。

伊東:突っ張ってはいないんですが、ちょっと行動的な面を出したくて、Tシャツを見せるデザインになっています。モブとは違うところを出したかったという理由もあります。

――かなり長いツインテールが特徴の桜咲薫子は?

『ぎゃる☆がん』
▲桜咲薫子

伊東:これもデザイン的には苦労していませんね。

――全体的に、デザインでは苦労していないんですね(笑)。

伊東:お金持ちのお嬢様なので、オーダーメイドの制服で裾(すそ)をちょっと長くしてみたり、色を変えてみたり……。ツインテール自体は当初からドリルのように巻こうと考えていました。リボンから短いテールが出ているので、何気に4本あって揺れるものが多くなってしまいました。揺れるものが増えると調整に時間がかかるため、プログラマー泣かせのキャラになってしまいました(笑)。

――最後は、後輩の兎野葵をお願いします。

『ぎゃる☆がん』
▲兎野葵

伊東:彼女もあっさりと決まったので……本人よりもギターが苦労しましたね。ウサ耳っぽい髪の毛も、なぜか最初からついていました。

――ヒロインにロングの髪が多いのは伊東さんの趣味ですか?

伊東:ヒロインなので、どこかを揺らせたいと思っていたんです。3Dだろうと2Dだろうと揺れるほうが見栄えがいいので、髪は多めになっています。……モデラーのスタッフには嫌がられました。

成田:実は最初にかなめのモデリングを行ったんですが、それはメインヒロインだったこともあるのですが、髪の毛のデザイン上、一番難しそうだったということもあります。

『ぎゃる☆がん』 『ぎゃる☆がん』
『ぎゃる☆がん』 『ぎゃる☆がん』
▲こちらが、初期のメインヒロイン。現在の面影を見ることができるが、多少異なるところもあるようだ。

――伊東さんは晶が好きということですが、他のお2人はメインヒロインの中で思い入れのある女の子は?

成田:僕はかなめです。大きい方がいいので(笑)。

――何がですか?

成田:えっ!? いや、ムチッとした子が好きなので。……ポリゴンのデキだと晶はよくて、キャラとして好きなかなめと、ポリゴンのいい晶でバトルしています。

中川:ぱたこです。中の人が梨花ちゃまなので。

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