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2011年1月25日(火)

【洋鯨亭 44回】前作を上回る完成度! Xbox 360『マスエフェクト2』レビュー

文:電撃オンライン

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■MAKOがない!! 前作からの変更点もチェック

 コレクターに破壊されたノルマンディー号に代わり、今回シェパードが宇宙を移動するためにサーベラスによって新造されたのが、ノルマンディーSR-2号です。この宇宙船は初代の船体デザインをほぼ引き継ぎながらも各種の性能を向上させていて、大きさも約2倍になっています。

 しかし、今回は惑星降下用の小型艇は積まれているものの、前作で乗り回したおなじみの惑星探査車両“MAKO”がなくなっています。この車両で砂漠、雪原、岩場、海と惑星ごとに異なった自然環境を走破する楽しさ、資源や秘密の施設など探索する冒険が味わえただけに、『2』で登場しないのはちょっとだけ残念でした。

 その他の変更点としては、他の星系に移動する際には宇宙船でギャラクシーマップ上のマスリレイ(星間移動を可能にする大型機械)を使うようになっていたり、宇宙船の燃料や惑星探査機を購入するようになっているといった点が挙げられます。

 惑星にある資源の調査・回収方法は至って簡単で、惑星の軌道上から地表をスキャンし、反応のあったところに探査機を降下させるというお手軽仕様。資源があるかどうかは画面右にあるレーダーに表示されれるのですが、大量の資源が眠る場所ではコントローラが振動するようになっています。この振動を頼りに場所を絞り込んでいく過程は、まさに宇宙の宝探しといった感覚でなかなか楽しめました。

【洋鯨亭 44回】前作を上回る完成度! Xbox 360『マスエフェクト2』レビュー
▲画面右側のレーダーを頼りに、惑星の地表をスキャンします。レーダーは4種の資源に反応し、探査機によって回収した資源は武器の開発や船の強化などに使われます。

■戦闘はより操作しやすく、カスタマイズや武器の交換もシンプルに

 前述の探索も含めて、本作は前作にあった要素の見直しやブラッシュアップが行われています。たとえば改造については、前作の武器や装備に加えて、宇宙船までも手がけることができるようになりました。これにともない複雑さを排除するためにカスタマイズのメニューがよりシンプルになったこともあって、全体的に内容が把握しやすくなっています。

 また、前作に登場した分子を分解したり組み替えたりすることでアイテムや武器、補修部品に加工できる汎用性の高い素材“オムニジェル”をなくしたことによって、アイテム管理の煩雑(はんざつ)さがなくなっていたりもするんです。

 あと、戦闘シーンは一見すると前作からそれほど変わっていないように見えるかもしれません。ところが、カバーアクション(物陰からの攻撃)がしやすくなっていたり、バイオティックス(いわゆる魔法のようなスキル)のアイコンがわかりやすくなっていたりと、細かいながらも前作経験者が触ってみるとすぐにわかるような改良が随所(ずいしょ)に施されているんですね。銃の連射によるオーバーヒートがなくなっていたり、リロードができるようになっているのもいいなと思いました。

 これらの多岐にわたる変更のおかげで全体的によりわかりやすく、より操作しやすい作品になっていて、遊んでいてもストレスを感じることはほとんどありませんでした。

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▲銃のレティクル(照準)デザインが変わり、敵を狙いやすくなりました。ヘッドショットを決めると、ドローン(ロボット)なら一撃で倒せることもあります。▲敵を吹き飛ばしたり、弾丸に特殊な属性を持たせたりできるスキル“バイオティックス”を使うことで、敵との戦闘に戦略性が出ます。

■おまけ:主人公“シェパード”はこんな人だ!?

 本作は全編が至ってマジメかつシリアスな雰囲気で進行し、キャラクターがふざけまくったりするようなシーンはほとんどありません。人類が再び危機にさらされているわけですから、おちゃらけた雰囲気は合わないといえば合わないですよね。

 唯一、船のパイロットである“ジョーカー”という人物が軽めの性格なんですけど、大笑いしたりワルノリするようなシーンはないんですね。とはいえ、物語がマジメに進行するからこそ、ちょっとニヤっとしてしまうようなシーンが目に付くわけなんです。ということで、最後におまけとしてそんなシーンのいくつかをお見せしましょう。

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▲クラブに潜入して調査している途中でも、BGMに釣られて踊り出すシェパード。画像ではわかりづらいですが、踊っています(笑)。▲クラブのテーブルの上で踊るダンサーを食い入るように見るシェパード。何も言わずかぶり付くようにじっと見ているのと、見終わった後に仲間がひと言もコメントしてくれないところが……(苦笑)。
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▲これはノルマンディー内の艦長室。こんな場所で魚を飼っています。魚は街で買い足すことができますが、エサをやり忘れると死んでしまいます。妙にリアルな設定です。▲こちらも街で買ったスペースハムスター。こちらは、なぜかエサをやらなくても飼育可能。ちょっとだけ鳴きます。キュー。
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▲艦長室に飾ってある様々な宇宙船の模型。これも街で買うことができます。多忙なシェパードはいつ組み立てているんでしょうか。完成品を購入するのか、はたまた部下に……▲とある街のゲームショップ店員と話すシェパード。この店員はかなりのゲーム好きらしく、セリフの内容がコロコロ変わっておもしろいキャラクターです。というか、宇宙規模のアダルトゲームってどんななんでしょう?(汗)

 以上、ニヤっとできる場面集でした。シェパードは基本的には非常にマジメで仲間思いの熱いキャラなんですが、選択肢の選び方や会話での“パラゴン”と”レネゲイド”の選び方次第では、ちょっと悪めのキャラにもなれるんですよ。

■早くも2011年の個人的名作トップ10入り

 『2』は本編がディスク2枚組みと、前作以上のボリュームになっています(前作は本編+ボーナスディスクの2枚組)。前作で訪れた星や街がどう変わっているのか、新たな仲間のバックグラウンドはどんな内容か、コレクターの目的とは何かなど、前作とほぼ同じ舞台とキャラクターを登場させながらも前作とは違った展開を見せる物語は、『マスエフェクト』シリーズの世界をより広げることにつながっていると感じました。

 冒頭にも書きましたように20時間ほどプレイしていますが、実はこの原稿を書いている時点では、物語はまだまだ続きそうな雰囲気をかもし出しているんですよ(結構急ぎ足でプレイしているのですが!)。しかしながら、ここまで遊んだ感じでは早くも今年の個人的なベスト10にノミネートしたい作品になっています(笑)。

 そして、今後本当にとんでもないような展開がない限りは、この評価はたぶん変わらないでしょう。このゲームは急いでエンディングまで進めるのがもったいない作品で、たくさんある惑星を探索したり、ミッションを全部こなしてからクリアするのにふさわしい内容だと思います。

 『マスエフェクト』シリーズは3部作であることがすでに発表されていますから、次の作品にもつながっていくことを考えると、次回作発表までじっくり遊んで様々なイベントを見ておいた方がいいでしょう。この2作でシリーズの世界観がさらに広く、深いものになり、強大な敵も現れました。次回作では物語がどういう方向に進んでいくのか、今から楽しみです。

 RPGとはいえシューティングで戦闘が展開しますが、STGが苦手な人も十分に楽しめる難易度ですし、何より物語がしっかりしていて魅力的ですから、今回の記事を読んで興味を持った方がいましたら、ぜひプレイしてみてください。最後に、プラチナコレクションも発売されていますし、時間的な余裕があればぜひ前作から! ともう一度おすすめしておきますね。

(C) 2010 EA International (Studio and Publishing) Ltd. Mass Effect, Mass Effect logo, BioWare and BioWare logo are trademarks of EA International (Studio and Publishing) Ltd. in EA and EA logo are trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. All other trademarks are the property of their respective owners.

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