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2011年2月10日(木)

これは今まで読んできたラノベへの恩返し! 『シロクロネクロ』多宇部先生を直撃

文:電撃オンライン

 第17回電撃小説大賞の大賞受賞作『シロクロネクロ』。その作者である多宇部貞人先生のインタビューをお届けする。

『シロクロネクロ』
▲こちらは『シロクロネクロ』の表紙画像。

 本作は、不慮の死を遂げたものの“えっちしたい”という強い未練を糧に、ゾンビとして復活した普通の高校生・不二由真(ふじ ゆうま)と、彼をよみがえらせたよい屍霊術師(ネクロマンサー)シロネクロの高峰雪路(たかみね ゆきじ)の関係を描いたおバカラブコメディ。

 ひょんなことから一緒に暮らすことになった2人だが、“欲望を満たす=成仏”と知った由真はもんもんとしながら毎日を過ごすハメに。しかも、雪路が父から継いだ秘宝“死者の書(ネクロノミコン)”を狙う悪い屍霊術士“クロネクロ”まで現れて……。という展開になっている。

 このインタビューでは、どういった経緯でこの作品が生まれたのか、そして作品作りのためにどんなアツい打ち合わせが行われているのかなどを、多宇部先生と担当編集に伺ってみたので、ぜひご一読いただきたい。

■ 贈呈式でのコメントは? ■

――作品の話を伺う前に、昨年11月に開催された電撃大賞贈呈式のことをお聞かせいただければと。壇上での受賞のあいさつで場内を盛り上げていましたが、あの“ムッツリ発言”は狙ってのことだったのでしょうか?

多宇部:いいえ(笑)、あの時私にマイクを向けていた女性MCがものすごくアドリブを求めてきて……。リハーサルの時はそういう話ではなかったんですが、なぜかむっつりスケベの話をしてしまうことになってしまいました(笑)。

――MCの吉田涙子さんは爆笑していましたね。

多宇部:本当ですね(笑)。実はもう、あの時壇上で起きた出来事は緊張していてあまり覚えていないんですよ。その後のパーティでは、おかゆ先生や時雨沢先生とお話しさせていただきました。

――何かアドバイスはいただきましたか?

多宇部:時雨沢先生からは「今から2作目を書き始めた方がいいよ」「書き続けることが大事だよ」「選考会では高畑京一郎先生が強く推薦していたんだよ」と言われました。

――そうだったんですね。

多宇部:実は、高畑先生宛てにお礼のメッセージを書いたんですが、出すあてもなくPCに保存したままになっています。その時に、高畑先生ともお話しさせていただいたんですが「いろいろなモノがぎゅっと詰まっていてとても楽しい作品でした」と声をかけていただいて、とてもうれしかったことはしっかりと覚えています。

――メッセージ、いつか出せる日が来るといいですね。

多宇部:そうですね。小説を書いてほめられたことがあまりないので……。実は、以前にある商品の販売促進のための小説を書いたことがあるのですが、その時の編集を担当してくださった人には、作品とあまり関係ないようなところまでボロボロに言われまして。それに比べたら、高畑先生も担当編集さんも非常に優しいんですよ。ですが作品について言うべきところはきちんと言ってくださるので、とても楽しく書かせていただいています。

■ 作品が生まれた経緯は多宇部先生の好み! ■

――では、受賞作『シロクロネクロ』についてお話を聞かせていただけますでしょうか? まずは、どういう経緯で本作を書くことになったのかを聞かせてください。

多宇部:簡単に言ってしまうと、まじめとおふざけのバランスがちょうどいい作品が読みたいと思っていたんです。

――それが作品を書くきっかけになったということですか?

多宇部:それもあります。あとは、作品のテーマになっている“死”というものも書く動機の1つです。人間にとって、避けようのない悲劇を未熟な若者がどう笑い飛ばすのか、そのギャップを描きたかったんです。

――執筆にかかった時間はどれくらいですか?

多宇部:構想半年で執筆半年といったところですね。

――先ほど、販売促進のための小説を書いていたとおっしゃっていましたが、本作の他にはどういった作品を書いていたんですか?

多宇部:電撃大賞には以前にも応募させていただいていて、それは中国の武侠モノでした。

――『シロクロネクロ』の中にも、ちょっぴり中国武術の要素が取り入れられていましたね。

多宇部:そうですそうです! それは以前書いていたものの影響があるかもしれませんね。その武侠モノの他にも、戦隊モノを書いたこともあります。

――戦隊モノですか? それはどういった内容だったんですか?

多宇部:トラウマを力に変えて戦う“トラウマン”というヒーローが出てくる話でした。結構描写が過激というか特殊というか……。

――どういうところが特殊だったんですか?

多宇部:変身の仕方とかですね。まずは自分の手首を切って、出た血を浴びて変身するリスカレッド。サドブルー――これはサッドネス(悲しみ)からきている名前なのですが――は、悲しくて泣いた涙が全身を覆って変身するんです。

――確かに、リスカレッドはかなりキていますね。

多宇部:ですよね。イエローはカレーを食べて変身するんですが……。

――レッドやブルーに比べたら、かなりまともですね。

多宇部:カレーを食べ過ぎて肝機能が低下することで、全身に黄疸(おうだん)が出てイエローに変身するんです。

――すみません、やっぱりあんまりまともじゃないですね(笑)。そういった作品を送っていたと。

多宇部:そうですね。

 →電撃文庫に投稿した理由とは?(2ページ目へ)

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データ

▼『シロクロネクロ』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2011年2月10日
■定価:578円(税込)
 
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Amazon.co.jp

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