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2011年2月21日(月)

みんなで“ロールプレイ”を共有できる旨辛RPG! 『ダークソウル』インタビュー

文:電撃オンライン

■辛さの中の旨さを追求! 『ダークソウル』の難易度

――『デモンズソウル』といえば難易度の高さも話題になりました。『ダークソウル』の難易度は、どうなるのでしょうか?

『ダークソウル』

 少なくとも、ただ簡単にすることはないです。というか、その先の達成感を考えれば、できるだけ難しくしたいとさえ思っています。しかし、ただ難しくするというのも違っていて、難しくするのと同時に、(その難度の)克服可能性も上げたいと思っています。

 もう少し言うと、『ダークソウル』のゲームデザインテーマの1つとして「克服可能な難易度をどのように提供できるか」というものがあるんです。達成感を得るために難易度が必要だが、その難易度を克服できなければ意味がない、だからどのように克服可能な難易度を提供するのか? ここが『ダークソウル』の価値を担う重要な部分だと思っています。

 食べ物にたとえれば、激辛だけどやみつきになる旨さでしょうか。辛いものが苦手な人でも、とても美味しく食べられる、そんなゲームが理想ですね。

――なるほど、『デモンズソウル』は確かにそうでしたね。ちなみに、RPGなので純粋にレベルを上げて対処できてしまう部分というのは、『ダークソウル』にはあるのでしょうか?

 はい。レベルアップという方法論を否定するつもりはありません。ただ、単純にレベルアップによりパワープレイが可能になるだけというよりは、それに加えて、レベルアップによりできることが増え、だから攻略の選択肢が広がる、といった形に落としたいと思っています。

『ダークソウル』

 また、関連して“アクションゲームのうまさ”が攻略の必須条件にならないよう、注意しています。それが必須条件になってしまうと、どうしても攻略できない人がでてきてしまうので、「克服可能な難易度」にはならないんです。もちろん(アクションRPGですし)“アクションゲームのうまさ”で難易度に挑むのはアリなんですが、それだけが唯一の選択肢にならないようにしています。

 私自身、かなりアクションゲームが下手な人間ですが、そんな私でも実は最後までクリアできるのが『ダークソウル』なんです。信じてください(笑)。

■『ダークソウル』では世界観について深く知る手段もある!

『ダークソウル』

――『ダークソウル』もやはりダークファンタジーだと思うのですが、どのような世界観になるのですか?

 正直なところ、世界観やストーリーを語るのって、苦手なんです。というのも、それらはプレイヤーに、実際のゲームプレイから感じてもらい、紡いでもらってなんぼだと思っているので、あまり語るのは……と思ってしまうのです。ただ、とは言え想像のベースになる最低限の情報はあった方がよいとも思いますので、そういった部分を少しだけお話します。

 『ダークソウル』の世界は、かなり暗い世界です。大事な火が消えかけていて、ゆっくりと滅びに向かっていて、人の中に呪われた不死人がどんどん現れてきている、そんな世界。不死人というのは、殺されても死なず――正確に言うとすぐに復活してきて、でも脳はだんだんと壊れていくので、最後には亡者のようなモンスターになってしまう。で、プレイヤーキャラクターも、この不死人の1人で、そんなんだから普通の人たちからは忌み嫌われて、遠い北の地に追放されてしまう。その追放された先で――というのが、このゲームの導入部分になっています。

 あと、もう1つ、世界観に大きなテーマがあります。PVなどでも火が象徴的に使われていたかと思うのですが、この“火”ですね。世界に最初の火が生じ、それによって明るさと、暗闇も生まれて、つまりは“差異”の概念が生まれて――といった感じなのですが、なんだかよくわかりませんね(笑)。

――聞いてるだけでワクワクする、とても深い世界観ですね。もっと詳しい部分について、ゲーム内で知ることはできないのでしょうか?

『ダークソウル』

 世界観やストーリーについての私の見解は、すでに言った通りなので、少なくとも雄弁にそれらを語ることはないと思います。変な話ですが、なんかモンスターがいて、うろちょろしてるのを剣で殴ってやるか、くらいの軽い気持ちでプレイしてもらって、結果そのプレイがその人だけのストーリーになる、それが素晴らしいと思っているので。

 ただ、世界観やストーリーにどっぷりはまってプレイする、というスタイルも、もちろんアリだと思っているので、そうした情報は、この世界の色々な場所に断片的に散りばめていきます。それは単なるテキストばかりではなく、マップや敵のデザインや動き、音などからも感じてもらえると思います。

■ロールプレイを続けるだけで協力・敵対プレイが発生!

――プレイヤーキャラクターは呪いを受けたアンデッドだということは、ソウル体は『ダークソウル』に登場しないのですね。

 はい。死亡まわりについては現在調整中なのですが、少なくとも“ソウル体”という概念は採用しません。

『ダークソウル』

――他のプレイヤーが自分のゲームに侵入して襲ってきたり、他のプレイヤーと協力して戦ったりというプレイは『ダークソウル』にもあるのですか?

 協力プレイと敵対プレイについては、どちらもあります。ただ、『デモンズソウル』がそうだったように『ダークソウル』でも、ロビーなどを用意する一般的な形ではなくて、シングルプレイの世界観から地続きで、コミュニケーション負荷を取り除いた、独特なものになると思います。『ダークソウル』のオンラインでは、コンセプトは大きく2つあります。1つは“プレイ共有”、もう1つは“相互ロールプレイ”と呼んでいます。

『ダークソウル』

 “プレイ共有”について言えば、直接的なマルチプレイ、つまり協力プレイや敵対プレイによらず、この困難なゲームに挑む仲間の存在をゆるやかに感じ、そこから共有感、共闘感を感じてもらえたら、というものです。『デモンズソウル』にも採用されていた、幻影や死亡リプレイ、メッセージなどもそのための要素ですし、このタイミングでは詳しく説明できませんが、『ダークソウル』独特の“篝火”システムも、そのための重要な要素となります。なんだかんだでかなり難しいゲームですから、仲間の存在、共有感、共闘感も、より大きな価値を持ってくれると思っています。

『ダークソウル』

 もう1つの“相互ロールプレイ”について言えば、各々のシングルプレイの物語が時たま一瞬だけ交わり、そこで各々のロールプレイを反映したマルチプレイが発生し、それが各々のシングルプレイをより豊かにしていく、といった相互作用の連環をイメージしています。例えば、盗賊団に入団したプレイヤーの物語と、盗賊団の縄張りにあやまって踏み込んでしまったプレイヤーの物語が交われば、そこに自然な形で敵対プレイが発生するかもしれません。『ダークソウル』では、そうした、マルチプレイの発生するシチュエーションを複数用意しているんです。

→アクション性と『ダークソウル』の目指すもの(3ページ目へ)

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