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2011年4月23日(土)

“自分で選ぶことができる”のが『AC』!! 『アーマード・コア V』インタビュー

文:電撃オンライン

 フロム・ソフトウェアから2011年内に発売予定の『アーマード・コア V(以下、ACV)』を手掛ける鍋島俊文プロデューサーのインタビューを掲載する。

 『ACV』は、自由度の高い機体カスタマイズ、愛機を自由に動かせる操作感などが人気を博すメカACT『アーマード・コア』シリーズの最新作。『ACV』では、従来作の遊びに加えて“チームによる領地争い”という新たなシステムを導入し、それを軸としたさまざまな新要素が採り入れられる。その一端についてはこれまでの記事でもお伝えした通りだ。

●これまでの記事
→新しくなった『ACV』の概要の紹介記事
→領地争いとオペレーターなどの紹介記事
→シングルプレイについての紹介記事
→鍋島プロデューサーへのインタビュー(2月21日掲載分)
→鍋島プロデューサーへのインタビュー(3月31日掲載分)

 記事では、4月14日に発売された『電撃PlayStation Vol.493』(アスキー・メディアワークス刊)に掲載されたインタビュー企画“おしえて鍋島さん”第1回のロングバージョンを掲載する。インタビューでは、『ACV』がどう変わったのかという根本のおさらいから、シングルプレイについての情報まで、さまざまな質問をぶつけている。ぜひ最後まで読み進めてほしい。

■遊び方が広がった『ACV』――その中には今まで通りの遊び方も存在する

『アーマード・コア V』

──第1回のお題は、『V』はどんなゲームになっていて、従来シリーズとはどう違うのかについて伺いたいと思います。よろしくお願いします。

 こちらこそ、よろしくお願いします。一番の新しいポイントは“オンライン上でチームで遊ぶ”ことです。これまでの『AC』は対戦という要素を除けば、基本的には1人で遊ぶ要素を中心にしたゲームで、当初の『AC5』も、それまで通りの“1人で遊ぶAC”の進化系として制作を行ってきました。ただ、このままでいいのか、さらに何か新しい楽しみを提供できないかという疑問が常にあり、オンラインを前提とした“みんなで楽しみを共有できる”というコンセプトを盛り込みました。

 この話で誤解してほしくないのは、“共有できる”ゲームなのであって、“共有しなくてはいけない”ゲームではないという点です。当初制作していた1人で遊ぶ要素もすべて詰め込まれていますし、1vs1の対戦も可能です。従来からの要素を進化させた上で、チームプレイという新しい遊び方をプラスして、全体をオンラインという形でパッケージしている。これが『ACV』というゲームの全体像になります。1人でも十分に楽しめるし、それに加えてチームという新しい要素を楽しんでみてほしいというのが、我々からの提案です。

──必ずしも、仲間と一緒に遊ぶ必要はないということですか?

 そうですね。プレイヤーはゲームを開始したら、必ずチームに所属することになるので、チームという枠組み自体は、プレイする上で必ず必要になります。ただし、1人だけのチームというスタイルでも、問題はありません。そもそも、1チームの最大人数は20人なのですが、チームによって所属人数は異なりますし、いつもチームメンバー全員が一緒に行動できるとは限りません。だから“メンバーが集まらないから何もできない”というゲームには、なっていません。

『アーマード・コア V』

――正直、ゲームプレイの前提として「チームでなければすべてを遊ぶことができないのでは?」という不安もあったのですが、ストーリーミッションや傭兵システムなどの資料を拝見していると、1人でも問題なく遊べるような印象も受けました。

 今回は、“シングルモード”という考え方をそもそもしていないんですよ。『ACV』にシングルプレイやマルチプレイを明確に線引きする概念はなくて、ごく自然にオンラインにつながるようにしています。オンラインにつなぐことで、『ACV』という1つの大きい世界につながる流れです。その世界の中で、1人で遊んでもいいし、みんなで遊んでもいい。同じ人が、場合によって使い分けてもいい。だからチームの遊びがある一方で、1人でプレイしている時の遊び方の1つとして“傭兵システム”という、他のチームの人と一緒に遊べる仕組みを用意しました。

――なるほど。傭兵のプレイは、普段チームで遊んでいる人もできるのでしょうか?

 1つのミッションに出撃できるのは最大5人で、チームに所属できるのが最大20人です。といっても、実際に20人いるチームがどれだけあるのか、あるいは常時5人以上でプレイできるチームがどれだけあるのかって考えると、実はそんなにないだろうなと。メンバーが多くても平日はバラバラに遊ぶことも多いはずなので、1人でコツコツやる遊び方もできるようにして、1つのチームに所属しているメンバーの間でも、それぞれのやり方で遊んでもらえればと思うんです。

 基本的には1人1人の個人活動があって、個人の利益がチームという枠組み全体の利益や目的達成につながっていく。従来シリーズで当たり前のようにやっていたことが、他のみんなにとってプラスに働く“相乗効果のおもしろさ”を『ACV』に入れたい。それを実現するために、試行錯誤しているところですね。

――これまで通りの遊び方は完全に内包された上での変化だったのですね。

 『AC』の『5』から『V』へと変わっていったのは、僕としてもうちの会社としても、すごく大きなチャレンジだし、それだけ本気で作っているということではあります。ですから、今までずっと『AC』をやってきた人、1回遊んで離れてしまった人、知ってるけどやったことない人、そういった人の全部とは言わないけど、その中のなるべく多くに受け入れてもらえるようなゲームを作ろうという気持ちで作っています。

→『ACV』の世界で1人ではどんな遊び方が可能なのか?(2ページ目へ)

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