2011年4月30日(土)
――本編では“フォーントリガー”がルート分岐の鍵になっていましたが、本作でも重要なシステムなのでしょうか?
たきもと:キャラクターによっては、今回もルート分岐の条件になっています。Dメールとフォーントリガーの2つがルート分岐の要素になっていて、キャラによってはフォーントリガーが重要だったり、キャラによっては“Dメール”が重要だったりと、そこは分けています。
――以前のインタビューでは、林さんがフォーントリガーのテキストを書くのにものすごい苦労したと話ていましたが?
たきもと:キャラによるんですが、僕たちも結構苦労しました。フェイリスとか何を書いていいのかわからなくて……。
安本:そうですね。本編ほどの量はないんですけど、僕らがどこまで日常の話を作ってしまっていいのかという部分もあるので、そこを補完するのが大変でした。
たきもと:あと僕も結構ゲーマーなので、Aと答えたらBとCに分岐する、というような形でつい仕掛けを入れたくなってしまうんですよね。それで複雑に考えすぎてしまって、「やりすぎ」「そういうゲームじゃないから」と注意されたりしました(笑)。
安本:あんまりフラグを入れすぎてしまうと、そこから発生するさまざまなイベントにたどり着けなくなってしまうので。今回は、あくまで各ヒロインと仲よくするのが目的なので、作りはシンプルにしています。
――他に苦労した点はありますか?
たきもと:基本的にこういう話は好きですし、わからない部分はとにかく林くんに聞きまくっていたので、あまり苦労はしていないですね。ただ、ダル(橋田至)のセリフだけは苦労しました。ダルのセリフって、かなりネットスラングが入っているじゃないですか? 僕もそんなに最近の2ちゃんねるを見ているわけではないので、書いてみるとちょっと古いんですよ。
――ネタの移り変わりは激しいですからね。
たきもと:そうなんです。だから、10年くらい前のネタになってしまったりして、直しも一番多かったです。プロデューサーとディレクター、それから林くんにもいろいろ聞いてみるんですが、聞く人によって違う答えが返ってきたりして(笑)。
あと、『比翼恋理のだーりん』って舞台が2010年の秋葉原で、発売が2011年じゃないですか? だから、その間に出た流行語を入れていいのかどうか? というのは議題に出ました。たとえば「大丈夫だ、問題ない」とか「僕と契約して魔法少女になってよ」とかですね。
安本:「おもしろければ入れてくれ」という部分と「新しすぎるから修正してくれ」というのがありましたよね。
たきもと:2010年の時点でない言葉を入れてしまうと不都合があるし、かといってまるっきりないと古くなってしまう。
安本:あえて、2010年8月以降に流行った言葉もちょくちょく入れているのですが、そこは「世界線が違うから許して」という感じです(笑)。
――ファンタジー99%ですから、大丈夫だ、問題ない(笑)。監修の話題になりましたが、シナリオ部分に関して林さんはどの程度監修されているのでしょうか?
たきもと:僕が担当している部分に関してはかなり密接に林くんと連絡を取り合って、夜中とかでも容赦なく聞いています。「ここはこんなふうにしゃべらせたいけれど、大丈夫?」というようなことを、かなり細かく聞きました。
安本:僕のほうは、最初の打ち合わせでどういう物語にしようかご意見をいただいたいて、その物語の展開をチェックしてもらって、という感じです。
たきもと:僕と安本さんと林くんは、組んで長いんですね。いろんな作品を一緒にやっているので、“こんなセリフがきたら、きっと林くんはこう返す”というのがよくわかっているんです。なのでそこを意識して、今回は“林風”に書いています。きっと“こういうHENTAIセリフを書くに違いない”と(笑)。
安本:“林風”にするために、今回はHENTAIセリフを結構頑張って入れたんですが、本編をふり返ってみるとそんなに入ってなかったんですよ。最初のころは、「あなたのバナナがブニュブニュなの」とかありましたけど、さすがに後半はなくなりましたから。
――ちなみにどんなHENTAIセリフが入っているんですか?
たきもと:それはプレイしてのお楽しみということにしておいてください(笑)。特に、ダルとまゆりの会話部分にはかなり入っているので、発売を楽しみにしていただければと思います。
――話は変わりますが、本編で登場しなかったキャラクターが出てくることはありますか?
安本:セリフだけではあるんですが、倫太郎の父親やまゆりのコスプレ友だちなどがちょくちょく出てきます。あとは……これはネタバレになってしまうので詳しくは言えないですが、あるラボメンと鈴羽に関係する“あの人”も登場しますよ。
→各ヒロインルートの見どころを解説!(4ページ目へ)
※ルートのテイストなど、事前情報を知りたくない人は注意してください。
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