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2011年5月18日(水)

ロスで起こる事件を刑事として解決! 話題作『L.A.ノワール』をいち早く体験

文:電撃オンライン

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『L.A.ノワール』は、CERO:Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 ロックスター・ゲームスから7月7日に発売される、PS3/Xbox 360用ソフト『L.A.ノワール』。本作のゲーム内容について、雑感を交えながらお届けする。

『L.A.ノワール』

 『L.A.ノワール』は、1947年のロサンゼルスを舞台に、刑事たちの活躍を描いた作品。有名なランドマークから犯罪現場まで、驚異的なディテールで当時のロスの街並みを再現している。退役軍人である主人公のコール・フェルプスは、アメリカに戻った後でロス市警に入り、刑事となることを決意する。

『L.A.ノワール』 『L.A.ノワール』
▲最初は巡回する制服警官としてスタートするが、捜査で功績を挙げていくと、交通課の刑事に昇進する。交通課では、駐車違反や交通違反の取り締まり以外にも、ひき逃げや殺人事件など、犯罪が絡む事故を捜査する。

 そんな本作を体験することができた今回は、“堕ちた偶像”事件の一部にふれてみた。舞台はハリウッドの黄金時代ということで、輝いているように見えるが、裏ではさまざまな事件が起きている。事件は、相棒とフェルプスが事件のブリーフィングを受けるところから始まる。ロックスター・ゲームスとしては初めて、プレイヤーが警察組織の一員となって正義を追求する本作だが、キャラクターと世界観の描き方はさすが。違和感なくキャラや世界を把握でき、すぐに没頭してしまった。

 今回担当するのは、飲酒運転に見える事故。まずは、現場を検証することになった。『L.A.ノワール』では、『グランド・セフト・オート』や『レッド・デッド・リデンプション』と違って、ミッション制ではなく事件制となっている。1つの大きな事件を追っていく過程の中に、オープンワールドを探索する要素が入っているという感じだ。

『L.A.ノワール』
▲こちらがブリーフィングの様子。状況はわかったが真相が見えないという点では、プレイヤーとフェルプスの立場は一緒だ。
『L.A.ノワール』 『L.A.ノワール』
▲交通課での相棒は、ユーモアと冷静さを兼ね備えたステファン・ビコウスキー。「尾行が好き」という刑事に向いた名前の通り(?)、頼りになるパートナーだ。

 現場検証では、現場に近づくとBGMが変化するので、捜査モードになったことを把握しやすい。残された物的証拠を調べていると、鑑識がヒントをくれた。ヒントは情報として、手帳に記載されていくのでいつでも確認できる。忘れてしまうことが多い人にも、ありがたい機能だ。今回発見されたのは、女性用の下着と手紙だ。さまざまな考察を終えたところで、続いて関係者の取り調べに移行した。

『L.A.ノワール』
▲現場にいる警官から、情報を聞ける。自分たちが知らない、事件にかかわる重要な情報を持っているかもしれないので、しっかり聞いておきたい。
『L.A.ノワール』
▲車のアクセルには、映画の小道具がセットされ固定されていた。ただの飲酒運転ではないように思える。事故の関係者に直接聞いてみることにしよう。

 車を運転していたのは、大物映画女優であるジューン・バラード。彼女は、ある映画プロデューサーに薬を盛られ、車ごと崖から落とされたと主張している。本作『L.A.ノワール』でのキモの1つとなるのが、取り調べだ。取り調べでは、さまざまな質問に答えるキャラクターのボディランゲージや表情を見て、真実か否かを見抜くことになる。選択肢には、“信用する”、“疑う”、“反証する”とあるので、ウソではないと判断すれば、信用することも可能だ。

 キャラクターの表情はとにかく多彩。バラードであれば、自分の自慢をする時は「してやったり」という表情をするし、核心的な話題をすれば心底イヤそうな顔をする。MotionScan(モーションスキャン)という技術を導入している本作では、俳優の細かい表情までゲームに生かされており、ドラマを見ているような感覚になる。

 会話では、選択肢を選んでいくのだが、どうやら取り調べによっては、選んだ順番で選択肢に変化が出ることもあるという。ただ漠然と選ぶのではなく、頭を使いながら、状況にあったものを選ぶ必要があるようだ。

『L.A.ノワール』
▲タレントとしてだけでなく、ラスベガスのマフィアのボスと結婚したことでも知られているバラード。映画のオーディションに、若い女性を連れていったという。

 もう1人の被害者であるジェシカは、期待を胸にオーディションを受けたが、プロデューサーに薬を飲まされて気を失い、現在は病院にいるらしい。手帳から目的地をチョイスすると、カーナビこそないものの相棒が導いてくれるので、迷わず行ける。小さなことだが、相棒のありがたさを感じながら病院に急いだ。

 ここで、再度取り調べを行った。ウソには証拠を見せて、相手から聞きたい情報を引き出していく。どの情報を信用して、どの情報を疑うのか。尋問時には、とにかく人の表情とモーションを見ることが重要となっている。

『L.A.ノワール』
▲薬を飲まされ、暴行されたというジェシカ。体調がよくないために、注意しながら質問していこう。記憶が定かではないようだが、変わった建物でオーディションを受けたという。

 相棒のビコウスキー刑事と病院を出ようとしたフェルプスは、病院に来たバラードを発見する。彼女の行動を不審に思った彼らは、車で尾行することに。近づきすぎると失敗となるので、つかず離れずの運転を心がけたい。

 このようなストーリー中に挿入されるミッションは、失敗してもゲームオーバーになるわけではない。しかし、事件の全ぼうが見えなくなってしまうので、名刑事を目指すなら成功させたいところだ。

『L.A.ノワール』

 喫茶店に入った彼女の様子を見ながら、見つからないように近づく。席に座るや新聞紙で顔を隠して、電話の会話を聞くことに成功。どうやら、自分を外した映画のプロデューサーに仕返しするよう、夫に話をしているらしい。向こうの動きを把握できたので、ターゲットが始末される前にこちらが確保しよう。

 すぐさま向かったプロデューサーの家で、マフィアと遭遇してアクションシーンに突入。今回は突然アクションになったが、ゲーム中では序盤にチュートリアルが用意されているそうなので、安心してほしい。

『L.A.ノワール』

 そんなバトル中のことだった。相手からの手痛い一発を食らった時に、かぶっていた帽子が飛んでしまった。細かい演出に「さすが、よくできているなぁ」と感心していたら、バトル後に落ちた帽子を拾える上に、かぶる際にはホコリをはらうという演出が用意されていた。そのリアルさに、思わず笑ってしまった。これが、“ゲームの中に世界を作る”ということなのかもしれない。

 捜査を進めていくと、車上での銃撃戦が始まった。相手の車に自分の車を寄せることができれば、相棒がタイヤを撃ち抜いてくれる……のだが、うまくいかずに、こちらの車も大破してしまう。「このまま目的地に向うのは大変だな」と思っていたら、止めてあった車に乗り込み、動かせることが発覚。『グランド・セフト・オート』シリーズではおなじみの車泥棒。「刑事がそんなことをしていいのか?」と少し心配したのだが、どうやら刑事として捜査に必要なので、車を借りるのだという。他人の車を使って、刑事が警察から追われて焦るということは、どうやらないようだ。

『L.A.ノワール』 『L.A.ノワール』
▲この後、さまざまな場所を調査するのだが、今回は割愛させていただく。読者の皆さんは、ぜひゲームでこの部分を楽しんでほしい。

 そして、とうとう最重要容疑者を見つけたのだが、マフィアの手下が後から追ってくる。自分と容疑者の命を守るために、壮絶な銃撃戦が展開。敵から撃たれ続けると、画面がモノクロになり、心拍数が上がっていることをビジュアル的に感じることができる。この状態でさらに攻撃を受けると死んでしまうが、そのままの状態でしばらくいると体力は徐々に回復する。慣れないうちは無理をしない方がよさそうだ。

『L.A.ノワール』
▲動きながら銃を使うため、「操作が難しいのでは?」と思ってしまいがちだが、そこまで複雑ではない。また、やられてしまっても、チェックポイントからの復帰が可能だ。

 ロックスター・ゲームス的なアクションシーンも当然用意されているが、他のゲームにはないキャラクターの表情、そしてゲーム性がツボにはまっていたと感じられた本作。世界観を作ることにも定評がある同社が挑戦している刑事としての作品は、これまでにない操作性・世界観を実現し、正直プレイしていていワクワクした。第2次世界大戦の後ということで、人々のトラウマを描いたこの作品の根底にも、同社のこれまでの作品同様に、善と悪のバランスが流れているように感じた。記者としてだけでなく、一ユーザーとして、このゲームが発売される日が楽しみで仕方ない。

(C) 2011 Rockstar Games, Inc.

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