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2011年6月1日(水)

ポイントはタレと紅しょうが! 『龍が如く』コラボで誕生した『俺の煮込丼』開発秘話

文:電撃オンライン

『俺の煮込丼』

 セガから6月9日に発売されるPS3用ソフト『龍が如く OF THE END』と、炭火焼だいにんぐ“わたみん家”とのコラボレーション企画。この企画で生まれたコラボメニュー『俺の煮込丼』の開発スタッフにインタビューを行った。

 『龍が如く OF THE END』は、セガの人気A・AVG『龍が如く』シリーズの最新作。舞台となる巨大歓楽街・神室町は、今作ではゾンビであふれかえる街へと変ぼうする。バトルも、大量のゾンビを銃で撃つ“ガンショットバトル”がメインとなり、新たな切り口で描かれているタイトルだ。

 そんな『龍が如く OF THE END』には、“わたみん家”が登場する。それにあわせて、ゲーム内に“わたみん家”カンパニー社長・澤村誠氏がCGキャラクターとして登場。ゾンビあふれる非常事態の神室町で、“わたみん家”の出店を目指すというサブストーリーが展開する。

『俺の煮込丼』

 この澤村社長の依頼を受けてサブストーリーを完結させると、ゲーム内にオリジナルメニュー『俺の煮込丼』が登場し、体力回復アイテムとして利用できるようになる。また、実在する“わたみん家”の各店舗では本日6月1日~30日に『俺の煮込丼』が販売されるというコラボレーションもある。

 今回は、食品本部 食品企画部課長の島田皇さんと、食品本部 商品開発部課長の花田竜貴さんに話を聞いた。コラボに至った経緯や、『俺の煮込丼』の開発秘話など、さまざまなことを語ってもらっているので、『龍が如く』シリーズのファンだけでなく、ゲームのコラボメニューが好きな人もぜひチェックしてほしい。(インタビュー中の名前は敬称略)

『俺の煮込丼』
▲今回、さまざまな話をしてくれた島田さん(左)と花田さん(右)。

●コラボレーションの中身をよくするためにPS3本体を購入!

――お2人は普段、どういった仕事をされているのでしょうか?

『俺の煮込丼』
▲ゲームが好きな島田さん。最近はセガの『ベヨネッタ』にハマったという。

島田:普段は、メニューの企画・立案ですね。たとえば、旬な素材を使っている“季節の特撰”であれば、「この素材を使って、これくらいの価格で、こういうものを作りたい」という“企画=設計”をして具体的な料理を花田に依頼する部署です。

花田:自分は、その企画をメニューにしていく形です。2人で、いろいろなところに食べにいき、四苦八苦しながら商品を作っていく関係です。

――たとえば今回の“季節の特撰”の場合、花田さんがメニューを考えているのですか?

花田:はい。ただし、ドリンクとデザートは島田が担当しました。

『俺の煮込丼』

島田:この『抹茶アイスにビッグサンダーを添えて』なんて、おいしそうでしょう? “わたみん家”は価格も安いんですよ。『そら豆の炭火焼』であれば、3本で299円。1人でも多くの方に来ていただき、楽しんでいただくために努力しています。

――今回、『龍が如く OF THE END』とコラボすることになったきっかけは何だったんでしょう?

島田:『龍が如く4 伝説を継ぐもの』で、グループ会社の居酒屋“和民”をゲーム内に出させてもらったんですが、新作が出るタイミングで「今度は“わたみん家”はどうですか?」という提案を受けました。ゲーム自体に興味があったので、セガ様とお会いしたところ、ほぼその場で話がまとまったんです。話題になること、おもしろいことをやりたいと思っていたので、いいものになると感じましたね。

――社内ではどんな反応でしたか?

島田:同僚や周りの人は応援してくれました。しかし、他社さんもそうだと思うんですが、会社の上司をどう説得するかについては、苦労しましたね。

――そもそも、お2人は『龍が如く』を知っていましたか?

島田:僕はゲームが好きなので、知っていました。ただ、遊んだことがなかったので、「自分がやっていないのに、おもしろいことをできるわけない!」と思い、PS3本体と『龍が如く4』を購入しました。それまでは「ただヤクザが戦っているだけだろう」と誤解していたんですが、実際に遊んでみたら、人間味にあふれていてストーリー性があって共感しました。こういうゲームを作る会社さんなら問題ない、そしてそんなゲームを遊んでくれるユーザーに悪い人はいないと考えて、上司には「間違いないコラボです!」と伝えました。

『俺の煮込丼』
▲食を提供する立場に興味があったという花田さん。研究のために、島田さんと食べ歩く毎日らしい。

花田:最近はゲームをやらなくなっていたんですが、自分も昔から知ってはいました。このコラボの話を耳にした後で、PSPの『クロヒョウ 龍が如く新章』をプレイしました。

――周りで『龍が如く』を遊んでいる人はいますか?

島田:社内で遊んでいる社員はいますね。あと、若い店長にファンが多いんですよ。他にも、店舗のメンバーにはかなり多くいるようです。

花田:大鳥居で試食会をやった時も、わざわざ手伝いに来ていた社員もいましたからね(笑)。

●味のポイントは特製タレと紅しょうが

――今回、ゲーム中に登場する商品が実際に店舗で販売されますが、ゲーム内コラボと商品、同時進行で企画が動いていったのでしょうか?

『俺の煮込丼』

島田:ゲーム内で出てくるメニューを売りたいということは、去年の7月に提案を受けました。我々としては3月17日(『龍が如く OF THE END』の当初の発売日)の前に発売したかったんですが、オリジナルメニューを通すのは時間的に厳しかった。そのため、今あるメニューを工夫する形でやれないかという流れになりました。

――その上で煮込を丼にしたのはなぜでしょう?

島田:世界観ですね。実際にゲーム内に出る時に、違和感のないメニューを考えました。セガ様から話を聞いたところ、今回はゾンビが出てきて、神室町が非常事態にある。ゾンビがウヨウヨしているので、ガッとかきこめなかったら、リアリティがないじゃないですか?(笑) それならば炊き出しがいいだろうということで、煮込を丼にして出したらピッタリだと思って、コレに決めました。

――他に候補となったメニューがあれば、教えてください。

島田:焼き鳥もありましたね。『龍の焼き鳥』として、1本の串にいろいろな具を刺して豪快な焼き鳥にするというのも考えました。

――“わたみん家”ではデミソースのメニューもある中で、なぜ煮込を使ったのですか?

島田:一番の人気商品ということと、こちらの方がより『龍が如く』に近いからという理由です。桐生一馬が食べるのであれば、『デミトマ煮込』よりは『俺の煮込ぜよ!!』かなと。

『俺の煮込丼』

――ご飯の上にかけている煮込は、普段と同じものですか?

花田:煮込そのものは、店舗で出しているものを使っています。ただ、煮込として食べるコンセプトで作っているので、それをご飯にかけてしまうと、一体感がなく味がぼけてしまう。ですが煮込の味はいじれないので、ご飯のほうに特製ダレをかけて、そこに煮込を乗せる工夫をしました。

――『俺の煮込丼』のポイントは、こだわった煮込と、ひと仕事したご飯にあったんですね。

花田:あとは、紅しょうがもポイントです。モツは油が強いので、どうしても食べ続けていると飽きてしまう。そこで、塩分を感じられて、かつさっぱり食べられるように、紅しょうがを乗せました。

次のページで、社長出演の秘話が明らかに!

(C)SEGA

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