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2011年6月10日(金)

ちょっとネタバレ!? 『デウスエクス』インタビューでゲーム部分の詳細が多数判明!

文:電撃オンライン

 今秋に日本での発売が予定されているPS3/Xbox 360『デウスエクス』。今回のE3で、開発者のJonathan Jacques-Belletete(アートディレクター)にインタビューを敢行。今まで明かされていなかったネタがアレコレ飛び出したので、じっくりチェックしてください!(記事:野村一真)

『デウスエクス』

――開発は最終段階に突入していると思われます。6月8日現在、何%ぐらいまで開発は進行していますか?

 開発は100%完了しています。この2カ月間は、ゲームを安定させるためにデバックをひたすら進めている状況です。私たちはもうすぐ夏休みに入りますから(笑)。

――開発が完了したということで、開発の初期段階に比べて「こういうところを遊んでほしい」といった見どころについては、変化は出てきましたか?

 実は開発の初期からそれほど変わってはいないんです。私はアートディレクターなので、このゲームを作るにあたって、ほかとは違うユニークなアートディレクションを目指してきました。すごく難しかったのですが、とてもユニークなビジュアルと世界観を作り上げることができたと考えています。それをぜひ皆さんに見ていただきたいと思います。

――アートディレクションで特にこだわった部分を教えてください。

 一番こだわった部分は、独特のスタイルで世界観を作ることでした。北米のゲームはフォトリアリスティック、つまり実写のようなビジュアルが多いのですが、そうではなくて自分たち独自のスタイルで作っていきました。日本のゲームと同じような感覚ですね。また、小さなオブジェクトまで細かく作り込み、それぞれでコンセプトアートも作成しています。

――オーグメンテーション(格闘武器や銃火器を含む)のバリエーションは、何種類ぐらいありますか?

 メインのオーグメンテーションは変更できるのですが、それ以上に、1つ1つをアップグレードできるようにもなっています。たとえば、腕のオーグメンテーションはアップグレードすることで、もっと重いものを持てるようになったり、壁をぶち壊せたりすることが可能になります。それらを含めると、オーグメンテーションの種類はだいたい50種類ぐらいになりますね。

 武器に関しては、おおよそ20種類ぐらいあります。手りゅう弾だけでも4種類あり、そのすべてをアップグレードすることができます。武器にサイレンサーやレーザーを取り付けたりすることもできますよ。また、すごくSF的な武器のほか、10年後の近未来にあるような武器や、現代に存在する武器もあります。

――オーグメンテーションをカスタマイズしていく際の具体的な流れを教えてください。

 オーグメンテーションをカスタマイズしても、ビジュアル的には主人公のアダムはそれほど変わりません。そもそもアダムは、ゲーム冒頭でオーグメンテーションを受けた際、体中にオーグメンテーションが施されているのですが、まだ脳とメカニックがつながっていないので、うまく使うことができません。産まれたばかりの赤ちゃんが、腕や足をうまく使えないのと同じですね。

 アダムがオーグメンテーションをうまく使えるようになると、プラクシスポイントというものを使ってオーグメンテーションをカスタマイズすることができます。新しいオーグメンテーションを使う上で、プラクシスポイントが必要です。プラクシスポイントは、敵を倒したりハッキングしたりといったさまざまな行動で獲得する経験値によって得られるものです。また、プラクシスキットというアイテムがゲーム中にあり、それを見つけるとプラクシスポイントがもらえます。メニューから自分が好きなオーグメンテーションを選んで、プラクシスポイントを使ってカスタマイズしていくという流れですね。

――オーグメンテーションのなかで、スタンダードではない特殊な使い方をするものはありますか?

 実はまだお見せしていない、すごくおもしろいオーグメンテーションがあります。それは“ソーシャル”のオーグメンテーションで、誰かと話をしたり説得したりする時に活用します。このオーグメンテーションを使うと相手の身体の情報が得られるので、ウソをついているとか、動揺しているとか、そういったことがわかるようになっています。使用時に心臓などを模したインターフェースが出てくるので、ビジュアル的にもおもしろくなっていますよ。

――ゲームを進めていく上でカギとなるシステムは、コンバット、ステルス、ハッキング、ソーシャルの4つですが、たとえばコンバットばかりを行っていくと、先々でコンバットの難易度が上がるといったことはありますか?

 そのような仕組みはありませんが、先に進んでいくと強い敵がどんどん出現します。また、マップやエリアによっては、コンバットだけでは進むのが難しいところもあるので、そういったところではコンバット以外のシステムを駆使したほうがいいですね。もちろん、どのシステムを使うかはプレイヤーの自由なので、コンバットだけで進むこともできます。

――たとえば4つシステムのうちコンバットをメインで使用していくなど、特定のシステムばかりを使っていくと、その後のストーリー展開が変わるような仕組みはありますか?

 メインのストーリーは変わりませんが、シチュエーションに影響を及ぼします。一例としては、ソーシャルをそれほど使わなければ、サブクエストを見られなくなる可能性があります。また、たくさんオーグメンテーションを使ったり、人を殺したりすることによって、エンディングが変化します。エンディングは複数あり、そこに到達するまでの行動によって、エンディングが変わるようになっています。

――メインストーリーをクリアするには、どのぐらいの時間がかかりますか?

 だいたいの方は20~25時間ぐらいかと。30時間ぐらいかかる方もいるでしょう。私が一度クリアしてから再度遊んだときは、33時間かかりました。どの程度まで探索するかによって、クリアまでの時間は変わってきますね。

――何度も繰り返し遊ばせる仕掛けは、いろいろなところに行くこと以外に何かありますか? 隠しエンディングがあるとか?

 隠しエンディングなどの特殊な仕組みはないのですが、何度もプレイしたくなるようなゲーム性になっています。1回遊んだだけで『デウスエクス』のすべては絶対に見られません。使ったことのないオーグメンテーションを使用したり、まだ会っていないキャラクターに会ったりしてみてください。たとえば、相手に前回と違う対応をすれば、異なる話を聞くことができます。このゲームは、3回は絶対に遊ぶことができますよ。

――最後に『デウスエクス』に期待している日本のユーザーに向けて、熱いメッセージをお願いします。

 開発スタッフは、みんな日本のゲームやアニメの熱心なファンなんです。『デウスエクス』はいわゆる洋ゲーですが、日本のいろいろなゲームやアニメの要素を取り入れているので、日本的なゲームに仕上がっていると思います。日本のプレイヤーの皆さんにも、きっと興味を持っていただけるはずです。FPSというジャンルは、日本ではまだそれほど高い人気があるわけではありませんが、『デウスエクス』はRPGの要素もあるので、日本的なRPGの部分も感じていただけると思います。ぜひ、皆さんに楽しんでいただきたい自信作です!

『デウスエクス』 『デウスエクス』

(C)2011 SQUARE ENIX LTD. Published by Square Enix Co., Ltd.

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