2011年6月24日(金)
ストーリーをある程度進めると、仲間とタッグを組んでランキングのトップを目指すランキングバトルに挑戦できるようになる。1人で遊ぶ場合はCPUがパートナーになってくれるが、アドホック通信機能を使えば友だちと一緒に協力プレイで戦うことも可能だ。
ランキングバトルはゲーム中、あちこちにある“メタモ”に話しかけることで挑戦することが可能。ルールはシンプルで、100位から順にNPCを倒していくと、入れ替わりで自分のランクが上がっていく仕組み。どちらかと言えばクリア後のお楽しみ要素に近く、上位ランカーたちはいずれもバケモノぞろいだが、そのぶん得られる経験値も多く、勝利すればレアなパーツやウェポンもがっぽり手に入れることができる。
▲1人で遊んでもいいが、ランキングバトルは友だちと協力したほうが圧倒的に楽。 | ▲100位から順に勝ち上がっていくことで、より強いランカーと戦えるようになっていく。 |
▲100位の相手はリュウ。なーんだ、リュウなら楽勝だぜ、とか思っていると……。 | ▲戦ってみるとメチャクチャ強い! 友だちと一緒にプレイしたくなるのもわかる。 |
実際遊んでみると、この“友だちと協力して強敵に立ち向かう”というのが思いのほか盛り上がる。実は個人的には、マルチプレイバトルよりもこちらのランキングバトルのほうが通信要素としては楽しめたくらいだ。
1人で遊ぶよりも俄然さくさくとランクは上がっていくし、ランクが上がれば比例して手に入るパーツもレアになっていく。うまい人がパートナーだと、こちらがコンボで浮かせた後に必殺ファンクションで追撃してくれたりするし、必殺ファンクションでトドメをさす“ファイナルブレイク”が決まった時は、思わず“イェーイ!”とハイタッチしたくなるほどうれしい。日本人は対戦よりも協力プレイを好むとよく言われるが、たしかにその通りだと感じた瞬間だった。
上記のマルチプレイバトルやランキングバトルの他に、身近な人にLBXカードをプレゼントする“カードプレゼント”という要素もある。
LBXカードとは、この世界で流行っているトレーディングカードの1種で、これをゲームセンターの筐体にセットすると、カードに描かれたLBXと戦うことができるというもの。もちろん勝利すれば、戦った相手に応じて新しいパーツやカードを手に入れることが可能。自分で手に入れたカードと違って、誰かからもらったカードは数回使うと消えてしまうが、手に入れたアイテムはその後もずっと残るため、誰かが喜びそうなカードを手に入れたら、積極的にプレゼントしてあげるといい。
▲LBXカードの種類は全部で数百種類にものぼる。コンプリートはかなり大変そうだ。 | ▲ゲームセンターでは、カードに描かれたLBXと戦う“LBXカードバトル”が楽しめる。 |
▲LBXカードバトルに勝利すれば、戦ったLBXのパーツを手に入れることが可能だ。 | ▲“カードプレゼント”を選べば、余ったカードを友だちにプレゼントできる。 |
また通信とはちょっと違うが、他の人とつながる要素の1つとして“パスワード”というのもある。これは雑誌やCD、プラモデルなどについてくる合い言葉を入力することで、通常は手に入らないようなレアパーツがショップに並ぶようになるというもの。たとえばバンダイから発売中のプラモデル“LBXアキレス”を買うと、アキレスに関するレアアイテムのパスワードがついてくるという仕組みだ。
通常は手に入らないパーツなので、通信時に使っていればやっぱり目立つ。「それ色違いだよね?」「パスワードでもらったんだ」「何についてたの?」といった具合に、互いに入手方法を教え合ったりして盛り上がることもある。こういう、自然にコミュニケーションの引き金になるような要素を仕込んであるのはうまい。
▲どこかでパスワードを見つけたら、メタモのメニューから入力してみよう。 | ▲パスワードが合っていれば、貴重なLBXやパーツがショップに追加される。 |
パスワードもその1つだが、『ダンボール戦機』の優れた要素の1つに“ゲームの外にも他の人とつながれる要素”を用意しているという点がある。
たとえばTVアニメ、マンガ、それにプラモデル。ゲームだけでは補完できない情報を、アニメやマンガが補う。LBXをただのデータで終わらせないように、プラモデルというホンモノを作って販売する。そうやって、いろんな方向から多角的にアプローチしていくことで、“LBX”という架空のカルチャーを、まるでホンモノであるかのように生き生きと描いていく。
先ほどのパスワードの件もそうだが、プレイ中、「あのプラモいいよね」とか「アニメのミカってかわいいよな!」とか、ゲームから離れたところで会話が盛り上がっていくことがしばしばあった。ネット上の掲示板などを見ていても、みんながゲームだけでなく『ダンボール戦機』を通じた会話や議論そのものを楽しんでいるのが、ものすごく伝わってくる。小学生のころ、学校でひたすらミニ四駆のハナシに花を咲かせていた時期があったけど、まさにその感覚を思い出した。
最初に書いた通り、まだまだ対戦や協力といった要素は“これから遊ばれていく”部分であり、プレイヤーがどんな遊び方をしてどのように今後盛り上がっていくかは未知数だ。しかし、これだけみんなが『ダンボール戦機』を通じたコミュニケーションを楽しんでいる時点で、本作の目標はもうほとんど達成されているのではないかと思う。
ゲーム的にはまだ荒削りな部分もあるのも事実だが、それ以上の熱量と可能性が本作から感じられる。おそらく『ダンボール戦機』も今後、『イナズマイレブン』のような定番シリーズの1つになっていくと思うが、そのもっとも熱く、エキサイティングな“発売直後”のドタバタ感をリアルタイムで味わえたことを今は幸せに思いたい。
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