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2011年7月15日(金)

【G-netプレイレポート】アニメ&PSPから入った人に贈るXbox 360用AVG『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』解説

文:ごえモン

『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』

 こんにちは、ごえモンです。この記事では、6月16日に発売されたXbox 360用ソフト『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート) 比翼恋理のだーりん(以下、比翼恋理のだーりん)』のプレイレポートをお届けします。……が、さすがに皆さんすでに全ルートをクリアしているでしょうから、「何を今さら」と思うかもしれません。でも、TVアニメやPSP版から『STEINS;GATE』に触れたけど『比翼恋理のだーりん』はまだ買っていない、そんな人もきっと多いことでしょう。

 というわけで、ここではTVアニメやPSP版で『STEINS;GATE』の名作っぷりにどっぷりハマり、『比翼恋理のだーりん』がどんなゲームか気になっている――という人のために、本作の概要や魅力などを解説していこうと思います。

■『比翼恋理のだーりん』プレイ前に知っておきたいこと

 本作は『STEINS;GATE』のファンディスクという立ち位置のため、もちろん本編の全ルートをクリアしていたほうがより楽しめます。内容的には、各キャラクターたちとの恋愛・絆が重視されたキャラ好き向きの作品なので、本編のようなSF展開やカタルシスへの過度の期待は禁物。肩の力を抜いて、本編中盤からなくなったラボメンたちの日常をニヤニヤしながら楽しみましょう。

 原作未プレイの人でもTVアニメを観ていれば楽しめると思いますが、一部ルートに本編のネタバレが含まれているので、事前に本編をクリアしておくとより安心して楽しめます。

『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』 『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』

■日常的なラブコメディが描かれるファンディスクの内容をおさらい

 続いて、『比翼恋理のだーりん』がどのような内容のゲームか簡単におさらいしてみましょう。本作では、原作の第4章“夢幻のホメオスタス”から分岐した世界線の物語が描かれています。ちょうどアレコレと“Dメール”の実験を繰り返している時期で、“例のマシン”はまだ開発されていない状態ですね。いわば、本番が始まる前段階といったところ。

 日付で言うと8月5日の空白の時間。“Dメール”の実験を繰り返していた主人公の岡部倫太郎(オカリン)が、気が付くとダイバージェンス(世界線変動率)3%台の“δ世界線”に移動してしまっていた――というのが物語の導入です。

 そこでは、なぜかラボのメンバー(ラボメン)が8人集まり(※元の世界線ではまだ6人)、新しい未来ガジェットの製作を祝う宴会が行われようとしています。この“新しい未来ガジェット”が本作のカギで、新作ガジェットによって引き起こされた事件をきっかけに、各ラボメンとのラブコメディが描かれていくのです。……だがダルは除く!

『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』 『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』
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■本編をより楽しめるようになるキャラ特化のファンディスク

 『比翼恋理のだーりん』の魅力は、なんといっても各キャラとイチャラブしながらハッピーな結末を迎えられる点、より深くキャラの内面を知ることができる点の2つでしょう。特に、とある事情(原作のインタビュー7ページ目を参照)でルートがなかった桐生萌郁のコミカルな私生活や、オカリンとの恋愛描写は非常に新鮮。もともとは牧瀬紅莉栖派だった僕も、ふらふらっと萌郁派になってしまうほど気に入ってしまいました。

『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』 『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』

 共通ルートは短く、すぐに個別ルートに入れるのがうれしいですね。また、『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』の時は個別ルートに入ってもあまりシナリオが代わり映えしませんでした。でも今回はルートによってまったく違う展開が見られるので、だれることなく最後までプレイできます。シナリオ的には、奇をてらったものはなくどれも非常に王道なのですが、キャラが魅力的なので飽きません 。

 テキストは原作のシナリオライター・林直孝さんが手掛けていないのですが、キャラの性格や地の文章にも違和感を感じません。もし「ライターが違うが、大丈夫か?」と思っている人がいるならば、そこは安心してもらってOKです。本編序盤にあるようなさまざまなネタや恋愛描写に、終始ニヤニヤしっぱなしでプレイできるでしょう。

『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』 『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』
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 システム部分は、原作のシステムをしっかり踏襲。そして相変わらずの快適さです。おそらくAVGの中でもトップクラスの快適さは原作のままですが、ケータイ画面から一発で通常画面に戻れないところもそのまま。ただしフォーントリガー部分は、今までどんなメールを読んだか? どう返答したらどのように分岐したか? ということがわかる“メールリスト”が追加されています。これのおかげで、本作では実績の回収がラクになっています。

『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』 『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』
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 さて、そろそろまとめに入ります。「『STEINS;GATE』の後半の展開のようなシナリオがもっと読みたい! それ以外はいらないよ!!」という人には強くオススメできませんが、各キャラを愛して止まない人には文句なくオススメ! 本作をプレイすることによってさらに登場人物を好きになり、本編→ファンディスク→本編とループプレイが可能な作品に仕上がっています。これぞまさにファンディスク! という出来なので、TVアニメやPSP版をプレイしてキャラのことを好きになった人は、ぜひプレイしてみてください。(ごえモン)

(C)2011 5pb. Inc./Nitroplus

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