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2011年8月4日(木)

最初は画面がなかった!? 新たなゲーム作りを目指した『謎惑館』開発インタビュー

文:電撃オンライン

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■これまでになかった新たな遊びが完成

――新たに使用することになったジャイロセンサーはどうでした?

『謎惑館 ~音の間に間に~』

 調整に苦労しました。ジャイロセンサーとモーションセンサーが2個あるんですけど、部屋ごとにそれらの使い方が使うんですよ。こんなことをさせたいといってセンサーを調整しても、次の部屋にいくとまったく使い方が違ってしまうんですね。それを1つ1つ調整するのは大変でした。会社の中にノウハウがあまりなかったので、皆でプレイしながらためていきましたね。

――ジャイロセンサーやマイクの機能を使う遊びがあるため、携帯ゲーム機でありながら主に室内で遊ぶことになりそうですが、それは最初から狙っていたのですか?

 携帯ゲーム機でありながら、あえて自分の部屋でやるという、とんがったコンセプトで作っていました。そういうのがかえっておもしろいと考えていたので。……でも社内では「正気か!? 携帯ゲーム機なのに!」って言われてました(笑)。まあ「それがいいんですよ!」とずっと言い続けていましたけど(笑)。

――遊んでいて、他の人のプレイを見るのも楽しいと感じました。

 そうですね。最初に買ったらまず1人で楽しんで、他の人が来た時に「この部屋やってみてよ」という遊び方がオススメですね。接待ソフトみたいな感じで、遊べると思います。

――社内コラボをはじめとするネタがかなりあったのに驚きました。たとえば雪山で眠そうな人がいて「疲れているのかな?」と思ったら、「朝まで『モンハン』やっていて眠い」という話をしたりして(笑)。

 その辺りは楽しんで入れていきましたね、もちろん方々に確認は取りましたが。

――闇鍋の時にピー音が入ってきたのは、あえて演出として入れたのでしょうか?

 そうですね。「何が鍋に入っているんだろう?」という気味の悪さを想像してもらえた方が楽しいだろうと思って、そうしています。

――スキップできるシーンがあったのですが……恐いシーンが苦手な人のためでしょうか?

 ああ、冷蔵庫の部屋ですね。普通はクリアしないと次の部屋に進めないのですが、怖すぎてプレイできない方もいると思ったので、あそこだけはスキップを入れています。

――『謎惑館 ~音の間に間に~』というタイトルはどのようにして決まったのですか?

『謎惑館 ~音の間に間に~』

 試作品が承認された後に、仮で付けていたタイトルにもう1つインパクトがないという話が出たので、もうちょっとよいものをつけようと思い、“謎に惑(まど)い、謎が湧く(わく)館”の『謎惑館』にしました。

 ただ、プロモーションやパブリシティの部署から「どんなゲームだかわかりにくいから売りにくい」という意見があり、サブタイトルで音のゲームというのをわかるようにして欲しいというリクエストが出たので、部屋の連なりでゲームが構成されていて、その間に音が入ってくるということから、“音の間に間に”とサブタイトル名を付けました。

――ロゴに音符がデザインされているのも、音のゲームであるというアピールですか?

 まさにそうです。あとは、ホラーハウスと取られてしまいがちなので、「バラエティ豊かな、おもしろいゲームです」というポップな感じを出したくて、このようなデザインにしてもらいました。

――本作を制作する過程で、「いける!」と思った瞬間はいつですか?

 試作品が、社内で大ウケした時ですね。立体音響で驚き、謎部屋をおもしろがってプレイされていたので、「これはウケるわ」と。試作品は外に出さないので、かなり悪ノリして作っていたんです。製品版に使われていない部屋もあるんですが、かなりギリギリを攻めていたので、それが無茶苦茶ウケていたのはうれしかったです(笑)。

――プロモーションが難しかったのでは?

 “しゃべる”、“本体を動かす”、“聞く”という三位一体が揃わないと意味がないゲームなので、文字や写真だけでは完全に説明できず、苦労しましたね。アクションゲームならプレイ動画を撮って見せれば、だいたいゲーム内容がわかりますが、このゲームは動画を見ているだけだとおもしろさをまったく伝えられないんです。そこが難しかったですね。

 そこでまずはオトフォニクスのクオリティを感じてもらえればと思い、公式サイトに音源サンプルを用意しています。あとは口コミが頼りですね。遊んだ人は、人に紹介したくなるタイトルだと思うので、そういう広がりがあって欲しいと切に願っています。

――定価を4,800円にしているのも、広がりを意図したためでしょうか?

 それもありますが、弊社の3DSタイトルはほぼ4,800円で値付けを行っていますので、会社の方針でもあります。

――この記事を読んでいる方、ソフトに興味を持っている人へメッセージをお願いします。

 3DSでしか遊べない、まったく新しいゲームを作りました。最近ゲームをしていなかったり、既存のゲームに飽きてしまった人、何か新しいゲームをしたいと思っている人、肩をこらずにゲームをやりたいと思っている人、楽しい時間を過ごしたいと思っている人。この『謎惑館』は体感アトラクションのような形で作っているので、そんな人たちに肩ひじ張らずに遊んでいただけると思います。とにかくおもしろいものを詰め込んでいます。ゲームの操作も難しくありません。夏向きの怖い話から、泣かせるイイ話まで、いろいろな話が入っています。ぜひ遊んでいただければと思います。

『謎惑館 ~音の間に間に~』
▲「さまざまな方にプレイしていただけるおもしろい作品に仕上がりました。3DSで何か遊ぶソフトを探している人はぜひ!」と語っていた中井ディレクター。同氏が手がけた『謎惑館』は、本日発売されたので、興味を持った人は店頭で手に取ってみては?

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