2011年9月29日（木）

【Gears of War 3 集中連載 Vol.3】『GoW』トリロジー最終章にして最高峰！ “ストーリーモード”インプレッション

脅威のラッシュ力！　侵蝕し続けるランベントにご用心!!

　今作のストーリーモードのボリュームは、通しでクリアするのに10時間程度。これまでのシリーズと比べても、ACTのストーリーモードとしても、まずまずのボリュームといえるだろう。

　前述のとおり、今作はローカストよりもランベントと戦う場面のほうが多い。ローカストと比較してのランベントの特徴は、耐久力が低い、積極的に突撃してくる、死ぬ際に爆発するといったところ。実際に戦ってみてローカスト戦と大きく違うと感じたのが、とにかく展開が早いということ。特に、ストークス（コブを潰すまで、新たなランベントを次々と吐き出す）が出現したときは、もたもたしているとあっというまにラッシュ状態に……。単体ではローカストよりも弱いランベントだが、この数の暴力ぶりはあなどれない。

　ローカストと戦うときは、これまでどおりカバーアクションを活用。ランベントと戦うときは、積極的に動いて押し潰される前に倒しにいくといった感じで、これまでのシリーズ以上にメリハリの利いた戦闘となっている。

　総評としては、すでに前作で完成しているゲーム性をさらに磨き上げ、これまでになかったシチュエーションや敵を盛り込んだといったところだろうか。

　難易度に関しては、プレイヤーキャラが倒れたときに仲間が積極的に助けに来てくれるようになったのと（前作までは、カバーポジションから仲間なかなか出てきてくれないということも多かった）、敵の射撃精度がやや甘目に調整されているようで、前シリーズよりも簡単になったと感じられた。

　ただし、これは難易度が「ノーマル」以下での話。「ハードコア」以上ではその積極性がアダとなり、仲間が1人でも倒れると総崩れになりやすい。今回の「インセイン」（最高難易度）の攻略は、かなりの覚悟が必要だろう。

最終章にて初めて目にする『Gears of War』の世界

　今回もまた、デルタ部隊はあっちへこっちへと走り回るハメになるので、Act、Chapterごとに多彩なシチュエーションでの戦闘が楽しめるようになっている。今作におけるシチュエーションで、特に印象的だったのが、惑星セラの美しさが実感できたこと。

　これまで、ストーリー上では“美しき惑星セラ”と語られていたが、ゲーム内で見られる風景といえば荒廃した街、曇天の寒空、閉鎖された工場や研究所、陽の当たらない地下といったものばかりだった。ところが今作では、海を行く船上から始まり、ハシントとは文化的雰囲気の異なる街並、温暖な気候の土地、珊瑚や熱帯魚であふれる美しい海中など、惑星セラの美しさを感じると同時に、長き戦争で人類が何を失ってしまったのかということを改めて思い知らされる。

　今作でこういったシチュエーションが用意されているのには、前シリーズにはない画を求めた結果であったり、グラフィック技術の進化であったりという側面も大いにあるだろうが、個人的にはシリーズ最終章にこの美しい風景を盛り込んできたことを高く評価したい。

『Gears of War』トリロジーとしての完成度

　このインプレッション記事を書くにあたり、改めて前シリーズをプレイし直したのだが、『Gears of War』はトリロジーとしてよくまとまった作品だということが確認できた。

　各作品単体でストーリー展開を見ると、おつかい的な印象を受ける部分も多々あると思うが、3作品をとおして見ると『Gears of War』が起承、『Gears of War 2』が転、『Gears of War 3』が結となっており、今作でクライマックスからラストにかけていろいろな出来事や謎が繋がっていく手応えを感じながらプレイすることができた。

　もちろん、今作から始めたとしても十分に楽しめる作品であることは間違いないが、前シリーズを未経験だという人は、ぜひともこの機会に3作品をとおしてプレイしてみてもらいたい。自分の手でこれまでの物語を体験してきたかどうかで、トリロジーのラストシーンを見て感じること、『Gears of War』というタイトル名に思うことなどが、きっと変わってくるはずだから。

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