2011年10月7日（金）

【No Game, No Life Vol.4】豪快にして繊細なデストラクション『FLATOUT ULTIMATE CARNAGE』

おバカで単純。でも、ついついハマるミニゲーム

　本作を語るうえで絶対に外せないゲームモードがあります。メインとなる「フラットアウトモード」も非常に楽しいのですが、それだけだったらこのコーナーで本作をオススメするには至らなかったことでしょう。それが、特殊なルールでハイスコアを目指す「チャレンジモード」です。このなかに、デストラクション系の定番である、マシン同士が体当たりで潰し合う「デスマッチダービー」などが入っているのですが、特に注目したいのが「スタント」と銘打たれた計12種のミニゲームです。


▲壊れかけたライバルマシンを狙い打ちに！　情け無用の「デスマッチダービー」。		▲制限時間内にチェックポイントを通過しないとマシンが爆発してしまう「ビートザボム」		▲指定の車とコースでライバルマシンと潰し合いをしながら走る「チャレンジレース」。

　レース中に大クラッシュを起こすと、ドライバーがフロントガラスを突き破って外に飛び出してしまうという演出があるのですが（ちなみに、ちゃんとゲーム的なボーナスも付きます）、「スタント」ではこの演出をド派手なショウ仕立てにして、加速をつけたマシンからドライバードールを射出して飛ばす高さを競ったり、的に当てたりといったユニークなミニゲームとして遊ぶことができます。

　基本的な遊び方は、障害物を避けつつマシンを加速→タイミングよく角度を決めてドライバードールを射出→LスティックとAボタンで微調整という3ステップからなる単純なミニゲームですが、これのスコアアタックがやたらとハマります。

　見た目がシュールでおもしろいというのもありますが、やはり特筆すべきは狙ったどおりに決まったときの気持ちよさ。3ステップ目の微調整なしでうまくいったときには、思わずガッツポーズが出てしまいます。この気持ちよさを別のもので例えるのなら、目測で買った物のサイズがぴったりだったときや、ダーツで狙ったどおりのエリアに当てられたときの快感と似ています。というか、ダーツを模したミニゲームもあるので、これは例えでもなんでもないですね。


「HIGH JUMP」		「BOWLING」		「ROYAL FLUSH」


「STONE-SKIPPING」		「BASKETBALL」		「RING OF FIRE」


「FIELD GOAL」		「SKI JUMP」		「BASEBALL」


「CURLING」		「DARTS」		「SOCCER」

　デストラクションというと、RCGとしては大味で飽きやすいというイメージを抱いている方もいるかと思います。しかし、『FLATOUT ULTIMATE CARNAGE』は、デストラクション系ならではの破壊の楽しさを前面に押し出しつつも、レースの爽快感と戦略性が詰まっています。そして、一度やり始めるとなかなかやめられなくなる中毒性の高いミニゲーム（今回の記事を書くにあたって軽くプレイするつもりが、気がつけば1日が終わっていました……）。

　オンラインランキングをチェックしてみると欧米諸国の国旗ばかりで、国内ではあまり注目されなかったタイトルですが、ローカライズはきっちり丁寧にされており、メニューやチュートリアルが不親切だったり、ライバルキャラたちの外見が日本人には理解できない謎の美的センスだったりといったことはありませんので、海外作品を敬遠しがちな人にもオススメできます。また、タイトル名すら知らなかったという人は、この機会にぜひチェックしてみてください。RCG好きのみならず、ACT好きも楽しめる一本だと思います。

FlatOut Ultimate Carnage (C) 2007 Empire Interactive Europe Ltd. Game concept and development by Bugbear Entertainment Ltd. Empire, FlatOut, Ultimate Carnage and "E" are either trademarks or registered trademarks of Empire Interactive Europe Ltd. in the UK/Europe and/or other countries. All rights reserved.

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