2011年11月4日(金)
編集Y 今だからこそ言えるけどさ、オレは当時、『英雄伝説I』にまったく期待してなかったんだよね。むしろ、失望しちゃってたくらいで。
そみん 何をカミングアウトしてるんですか(笑)。でも、今のYさんは『碧の軌跡』を周回プレイ中の『英雄伝説』シリーズファンじゃないですか。
編集Y だから当時の話だって。なんで『英雄伝説I』をネガティブに感じていたかというと、それが『ドラゴンスレイヤー(以下、ドラスレ)』シリーズだったからなんだよね。オレらの世代にとって『ドラスレ』はA・RPGの代名詞だし、練り込まれたシステムのおもしろさが魅力だったわけだ。個人的には、『ドラスレV』にあたる『ソーサリアン』が『ドラスレ』シリーズの完成形の1つだった。だからこそ、『ドラスレ』シリーズ最新作で『ドラスレVI』にあたる『英雄伝説I』にも期待していたのに、なんとコマンド選択型のオーソドックスなRPGだったわけだよ……。もう、ショックが大きくてね。
おぬ 当時、すでにファミコンで『ドラゴンクエストIII』が発売された後ですよね。
編集Y だから、『英雄伝説I』のゲームシステムだけを見た場合、個人的にはまったく新しさや独自性が感じられなくってさ。これまでは高いオリジナリティをもって進化してきた、オレの大好きな『ドラスレ』シリーズが、なんだか普通になっちゃった気がして、まったく期待できなかったんだよね。
そみん 古くからのファンならではの感じ方かもしれませんね。逆に僕は、『英雄伝説I』のキャラクター性やストーリー性にひきつけられてファンになったわけですし。それで、実際に遊んでみてどうだったんですか?
編集Y 言わなくてもわかるでしょ(笑)。オレは大学生だったけど、なんかもう子どもみたいに熱中してクリアしたよ。システムは基本的にオーソドックスでシンプルだったけど、だからこそストーリーに集中して遊べたし、敵に応じて魔法を使い分けることで有利に戦える部分もおもしろかった。『イース』や『ソーサリアン』のストーリーも好きだったけど、『英雄伝説I』はもっと小説的というかコミック的というか、ストーリーの厚みや完成度が一段階高い感じがしたんだよね。いやあ、食わず嫌いにならなくてよかった。
そみん では、そろそろ今回の座談会はひと区切りということで。次回の座談会は1991~1995年を振り返る予定です。
編集Y オレの大好きな『ブランディッシュ』や『ぽっぷるメイル』が登場する時代だな。1994年に発売された『白き魔女』も懐かしいなあ。
おぬ このあたりの時代になると、ようやく僕がリアルタイムで遊んだことがあるゲームも増えてきますね。SFCの『イースIV』や『イースV』とか、PCエンジンの『風の伝説ザナドゥ』とか。
そみん 次回更新では記念本制作秘話(2)をお届けして、メモリアル座談会の第3回は11月8日(火)にお届けする予定です。
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