News

2011年11月10日(木)

【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.7:メモリアル座談会(4) 1996~2000年編】Windowsへの移植を中心に『海の檻歌』などが登場した時代

文:電撃オンライン

前へ 1 2

■Windowsが一世を風靡していく1990年代後半のPC業界

そみん 家庭用ゲーム機の話に続いて、PCの思い出も話していきましょう。Yさんにとって、この時期はどんな時代でしたか?

編集Y 1995年に発売されたWindows 95によって、PC業界が大きく変わっていった時代だね。それにともなって、インターネットも急速に発展していった。特にインターネットの普及速度はすごかった。1997年に発売されたMMORPGの元祖とも言える『ディアブロ』とか、それこそ廃人のように遊びまくったもんだよ。この時期、家庭用ゲーム機ですらモデムを使ったネットゲームが出始めていたし、1998年に発売されたドリームキャストにはネットワーク接続機能が標準搭載されていたからね。まあ、ちょっと話がずれるけど、2000年の12月にはドリームキャストで『ファンタシースターオンライン』、2002年5月にはプレイステーション2で『ファイナルファンタジーXI』が発売されている。あれからたった10年足らずで、インターネットやネットゲームの進化はすごいと思うんだよね。

そみん 確かにそう思いますが、壮大に話がずれましたね(笑)。

編集Y ごめんごめん。話を戻すと、Windows 95の普及によって、PC-9800シリーズの時代が終わっていったわけで、PC-9800シリーズでのゲーム開発を主流としていた日本ファルコムの新作はかなり減っていった印象がある。1996年はまだPC-9800シリーズの元気があったから、『英雄伝説IV 朱紅い雫』や『ブランディッシュVT』といった完全新作が発売されたけど、実質的には『ブランディッシュVT』が日本ファルコムにとって最後にPC-9800シリーズでの完全新作となった。そして翌年の1997年以降は、もうPC-9800シリーズでのソフト提供はされていない。

おぬ すごい速さで時代が変わっていったんですね。

編集Y いろいろな事情があったんだろうけど、この時期の日本ファルコムは過去作品のWindowsへの移植が多かった。ただ、単なる移植だけでなく、大幅なアレンジによって完全新作に近いリメイク作品も登場して人気を集めたんだよね。それが1998年に発売された『イースエターナル』で、2000年には『イースIIエターナル』も発売された。

▲日本ファルコムが大幅なアレンジを加えて再構築した『イースエターナル』。多くの新規ファンも取り込み、大ヒットした。

そみん 『イースエターナル』はリアルタイムで遊びましたが、とにかくグラフィックがキレイでビックリしました。ストーリーも大小さまざまな形で補完されていましたし。

編集Y 完全新作も発売されていなかったわけでなく、1997年には『ヴァンテージマスター』、1998年には『モナークモナーク』、1999年には『英雄伝説V 海の檻歌』が発売されている。また、1998年には『ブランディッシュVT』に追加要素を加えた『ブランディッシュ4』、2000年には大幅なリメイクがされた『朱紅い雫(新)』も発売されている。ただ、これまでの作品発売本数と比べると、本数が減ったと感じていたのも事実だ。

▲1990年代後半に誕生した『ヴァンテージマスター』は、将棋やチェスのような対戦型のS・RPGとして根強い人気を持つ。

そみん この時期はリアルタイムで遊んだゲームが多いです。『海の檻歌』は、実は終電を逃して編集部で始発を待っている間にクリアして、男泣きを隠しながら家に帰って大泣きした思い出があります(笑)。そういえば、海外の人気作品を日本向けにローカライズする海外プロデュース作品が展開されたのもこの時期ですよね。

編集Y そうだな。海外プロデュース作品の第1弾となる『西風の狂詩曲』が1999年10月に発売されている。ちなみに、海外プロデュース作品の第2弾の『月影のデスティニー』は2003年に発売されている。

おぬ 『西風の狂詩曲』はドリームキャストやPS2に移植されてますね。

▲海外プロデュース作品は概要のみを紹介。特徴的なシステムや物語のあらすじだけを掲載している。

そみん 『西風の狂詩曲』はキャラクターデザインやグラフィックなど、ほとんどの部分を日本ファルコムが作り直す形でローカライズしているから、かなり完成度が高かったんですよね。寺田克也さんの渋いイラストが印象に残っています。さて、次は記念本の制作秘話を2回挟んで、11月15日(火)に座談会をお届けする予定です。『ツヴァイ!!』が発売された2001年から現在まで、約10年の思い出を一気に振り返っていこうと思います。

編集Y さすがに2001年以降となると、思い出というには少し早い気がするなあ。とはいえ、それでも10年以上前なのか……。

おぬ 確かに、2001年と聞くとそんなに昔の気がしないのに……。ちなみに2001年は、ゲームボーイアドバンスやニンテンドーゲームキューブが発売された年ですね。うーん、あれから10年以上経っているのが信じられません(笑)。

そみん 意外と忘れていることが多そうですね。お互い、しっかり復習してから次回の座談会にのぞみましょう!

(C)1981-2011 Nihon Falcom Corporation. All rights reserved.

データ

▼『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』
■発売:アスキー・メディアワークス
■発売日:2011年11月8日
■定価:4,935円(税込)
※B5判640ページ
 
■『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』の購入はこちら
Amazon.co.jp

関連サイト

前へ 1 2