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2011年11月15日(火)

【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.10:メモリアル座談会(5) 2001~11年編】『ブランディッシュ5』や『ツヴァイIII』の実現を願って

文:電撃オンライン

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■新たな黄金期を作り出した『軌跡』シリーズ

編集Y 日本ファルコムがPSPに参入したのは2006年で、『ぐるみん』の移植版を6月に発売している。とはいえ、この2006年はまだまだPCゲームに力が入っていて、3月には『空の軌跡SC』、12月には『イース・オリジン』を発売している。

そみん 2003年の『イースVI』から2006年の『空の軌跡SC』の時期は、ある意味で日本ファルコムのPC用ゲームの集大成の時期だった気がします。どれもリアルタイムで遊びましたけど、とにかくハズレがなくって熱中しちゃいました。

▲『イースI』の約700年前を描く『イース・オリジン』。女神であるフィーナやレアの他、ダレスやザバといった『イースII』で人々を苦しめた闇の者たちも登場する。

編集Y PCでの開発が熟練された時期だったんだろうな。ただ、その後はPCゲームが縮小して、PSPの比重が大きくなってくる。2007年に発売されたPC用の完全新作は『空の軌跡 the 3rd』1本で、2008年の『ツヴァイII』をもって、PCゲーム用の完全新作はストップしてしまった。

そみん 『ツヴァイII』は約8年ぶりの続編で、シリーズファンとしてはうれしかったです! ただ、なんでこのタイミングだったのかは、個人的には謎だったんですよね(笑)。

おぬ 『イース』シリーズが『VI』で再開したときも、約8年ぶりの再開だったんですよね。ただの偶然だとは思いますけど(笑)。

編集Y 一方、2006年6月に『ぐるみん』の移植でPSPへの参入を果たしたあとは、同年9月に『空の軌跡FC』、2007年9月には『空の軌跡SC』と、PCゲームへの移植が続いていた。なかなかPSP用のオリジナルタイトルが出てこなかったんだけど、この時期にネットを中心にPSP版『空の軌跡』が評判を集めて、ロングセラー商品となっていたんだ。『空の軌跡SC』が発売されるころには大々的な広告展開も行われて、一層ファンの数を増やしていった。

おぬ そのころ、僕の従兄弟は中学生でしたけど、『空の軌跡』で日本ファルコムを知ったと言ってました。PCゲームを遊んでいない人にとって、PSP版『空の軌跡』をきっかけに日本ファルコムと出会った人は多いと思います。

編集Y その後、完全新作と言えるほどアレンジされた『ヴァンテージマスター』や『ブランディッシュ』のスーパーリメイク版が発売され、2009年9月には『イース7』が発売された。人気シリーズのナンバリングがついた最新作がPSPで発売されたのは、PCゲーム時代からのファンにとってはちょっとさびしかったけどな。

そみん そして2010年には『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』と『零の軌跡』、2011年には『碧の軌跡』が発売されました。なかでも『零の軌跡』と『碧の軌跡』は大ヒットとなり、日本ファルコムの新たな黄金期が到来したといっても過言ではないと思います。

▲PSPで発売された主な日本ファルコム作品の広告。ここ数年で使われたものなので、実際に見たことがある人も多いはず。

編集Y 最近はなかった日本ファルコム作品のアニメ化も、『空の軌跡』で久々に実現した感じだしな。『イース』や『軌跡』シリーズといった定番シリーズの最新作も含めて、今後の日本ファルコムがどんなゲームを作ってくれるのかが楽しみだ。

おぬ 現時点での次回作はPS Vitaの『イース セルセタの樹海』となっていますが、もっとたくさんの新作を遊びたいですね!

▲2012年発売予定の『イース セルセタの樹海』。『イース7』と同じく、仲間とともに戦うパーティプレイができるようだ。

編集Y そういう人は、この機会にPCで過去作品を遊んでみるのもいいんじゃないかな。『ツヴァイ2』のように、比較的最近のゲームでありながら、まだ家庭用ゲーム機に移植されていない作品って、どのくらいあったっけ?

そみん 『モナークモナーク』や『ダイナソアリザレクション』、『イース・オリジン』あたりですね。どれもWindowsで遊べますし、そんなに昔の作品ではないので、最近のゲームと同じ感覚で遊べると思います。

おぬ PS2やPSPでライセンス作品を遊んだ人は、日本ファルコムがPCで発売したオリジナル作品を遊んでみるのもいいと思います。僕はPSP版の『海の檻歌』を遊んだあとにPC版も遊んでみましたが、そんなにレトロな感じはなく、普通に楽しめましたから。

編集Y さすがにPC-88やPC-98時代の作品は昔過ぎて厳しいかもしれないけど、それでも『ブランディッシュ』や『ぽっぷるメイル』あたりは、ぜひオリジナル版も遊んでみてほしいな。今はPSNやバーチャルコンソール、プロジェクトEGGみたいに、過去の名作をダウンロード販売しているサービスも多いから、手に入れやすいと思う。ちょうど先日、プロジェクトEGGでSFC版『ぽっぷるメイル』の販売が始まったし。

そみん 記念本を読んで気になるタイトルが見つかったら、ぜひプレイしてみてほしいですね。

編集Y より多くの人が日本ファルコムのいろいろなゲームをプレイして、いつか『ブランディッシュ5』とか『ツヴァイIII』とかが実現したら感激しちゃうなあ。オリジナルの新作も遊びたいけど、懐かしのシリーズの最新作も遊びたいからね。

そみん ライセンス作品では、スマートフォン版『ソーサリアン』の開発も進んでいたりしますからね。『イース』や『ツヴァイ』シリーズが8年の時間を経て再開した例もありますし、あきらめずに新作を願ってます!

おぬ 8年ぶりの法則で考えて、2012年の8年前の2004年の作品を見ると……『ぐるみん2』が出るかもしれませんね(笑)。

▲タットを慕う少女であるマリルなど、PC版にはいないキャラクターも多数登場するSFC版『ぽっぷるメイル』。この作品も根強い人気があるので、ずっと『ぽっぷるメイル2』を待ち続けている人も多いはず!

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データ

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■定価:4,935円(税込)
※B5判640ページ
 
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