ドラゴンを狩ることに集中できる至れり尽くせりの親切設計！ 『セブンスドラゴン2020』プレイレポート

文：電撃オンライン

■ドラゴン討伐が楽しくなる都庁改修

　シリアス話の反動でちょっとテンションが壊れました。続いては“都庁改修”の楽しさについて感想を書いていきます。都庁改修とは、主人公たちの拠点となる都庁に装備を整えるための設備とか、人が住む場所とか、いろいろな施設を作っていくシステムです。このシステムおもしろさは、まずは何と言っても拠点がどんどんデカくなっていくこと。実際には大きくなるわけではなく、空きフロアに施設を作ったり、施設のレベルアップをしたりするのですが、感覚的には小さな砦が城下町に発展していくような楽しさなんです。

　それと都庁改修には、ドラゴンを倒すと入手できる専用素材“Dz”というものが必要なのですが、そのおかげで、改修したい施設があるからドラゴンを狩ろうというドラゴン狩りのモチベーションにつながるのもいいところ。単にドラゴンを全滅させて「やったー！」と喜ぶよりは、都庁改修のような大きな見返りがあったほうが達成感もありますし。施設が増えればお楽しみも増えて、まさに一石二鳥！

　ちなみに、ダンジョンの中には救助を待つ人たちも所々にいて、改修を待たねばならない場合もありますが、助けることで実際に都庁で姿を見かけるようになります。助けた人を見かけて話しかけるのもおもしろいので、プレイしたら、ぜひ救助したNPCを気に掛けてみてください。

▲最初は狭いけれど、だんだん広くなっていく都庁。広くても、Lボタンによるショートカット移動が拠点入手時から使えるので便利。

▲改修が進むことで、新たな装備が買えるようになったり、より強いスキルを取得できるようになったり。都庁はキャラクターとともに成長する存在ですね。		▲それと初音ミクが、初音ミク2020というキャラクターでゲーム中に登場します。条件を満たすことで全BGMを初音ミクver.に変えられるようになるので、気分にあわせて。

■ドラゴン戦とそれ以外のメリハリがおもしろい

▲最初に戦うことになる因縁の帝竜ウォークライ。他にも6体の帝竜が東京に出現します。

　さて。RPGなので戦闘の話もしておきます。と言いつつ、戦闘そのものの話とは若干異なるのですが。プレイを振り返って今、感じているのは、『セブンスドラゴン2020』はわりとテンポよくゲームを進められるな、ということです。メリハリがある、と書いたほうがいいかもしれません。本作は、当然ながら敵の主役はドラゴンなわけで、この相手は、弱点を探りながら有効な作戦を立てて戦うおもしろさがあります。数がたくさんいるドラゴン、マップ中でやや上位のドラゴン、ボス格である帝竜と、敵が格上なほど戦闘はおもしろいです。

　でもずっとドラゴン相手じゃ疲れるし、テンポも悪くなる。というわけで、ドラゴン戦以外の部分でいかにラクをできるかが、本作はかなり丁寧にフォローされています。いわゆるザコ戦は1軍パーティならオート戦闘で済む場合が多いし、レベルアップすればライフとマナは全快する。セーブポイントでもライフとマナは全快するし、長いダンジョンの途中に設置された“脱出ポイント”を使えば、潜り直した場合もそこから再開できる。そしてダンジョンから脱出するのが非常にラクだし、マップ上で使えるサポートスキルも充実している。

▲本作の親切設計はかなりものだと思います。ただ逆に、この至れり尽くせり感は人によって好みの分かれるところかもしれません。

　便利なシステムを書くだけで段落を1つ使いました。入口をくぐった途端、荷物は持ってもらえるし、上着は脱がせてくれるし、椅子は引いてくれるし、という高級料理店に入ったかのような至れり尽くせり感です。実際、10時間以上連続でプレイしたような場合も、遊びづらさゆえのストレスは感じませんでした。

　プレイヤーは、ドラゴンという料理を食べることに集中すればいいだけです。ドラゴンをどうやって食べるかも自由。パーティ編成はどの職業の組み合わせで、それぞれどんなスキルを優先的に取得するのか。おもしろいのは、他のRPGに比べて回復魔法の優先度がそれほど高くない点です。プレイした感じでは、アイテム回復だけでも意外と何とかなります。もちろん強い組み合わせや、苦労する組み合わせというのはあるでしょうが、やっぱり自分なりの戦い方を探して気に入ったパーティを作り上げるのが、私は楽しかったです。

▲新しく作ったキャラクターを育てたい時は、セーブポイントの近くで戦うのがラク。		▲戦闘は3人パーティ。職業は5種なので、5キャラクター同時に育てながら遊ぶのもおもしろいかも？

■プレイを振り返って

　最後に、プレイした感想をひと言にまとめると、“ウェイターのいる讃岐うどんの店”です。気軽に入れて、おいしい讃岐うどん。トッピングもいろいろ選べて食べ方自由！　けれどセルフサービスじゃなくて、ウェイターがいます。……翻訳が必要ですね。

　2020年の東京が舞台なことで世界観的に入りやすく、ストーリーもドラゴン戦もおもしろい。好みのボイスでキャラクターを作って、プレイスタイルに合ったパーティ編成、キャラクターの育成ができるし！　便利なシステム、親切なシステムでサクサク遊べます。……つまり翻訳するとこんな感じで、シンプルだけど奥深いあたりも似ていると思います。特に世界観の深みは、プレイが進むにつれて感じるところです。

　ただ1つ不満を書けば、キャラクターはたくさん作れるのに、パーティの上限は3人ということでしょうか。やっぱりキャラメイク系のRPGで、3人パーティというのは妄想の消化不良みたいなものを感じます。似たような職業がいくつもあるよりは、確かに個性のある職業だけにまとまっていたほうがいいとは思うんですが……。でも、パーティに普段入れないキャラクターは、作ってもあまり愛着がわかないので、やっぱりパーティにはそれなりの人数がいてほしいなと思います。

　とはいえ何度も繰り返すように、便利なシステムが多くて親切設計な作品です。なのでPSPで手軽にゲームをしたい人や、RPGは途中で投げ出すことが多い、という人にはオススメの作品です。私も発売日になったら続きをプレイして、残り89体のドラゴンを狩り尽したいですね！

▲それと、前作をプレイした人にもオススメ。アイテルやエメル、タケハヤといった前作のキャラクターたちが今作にも登場しているので、世界観やストーリーの表側だけだなく、裏側まで楽しめるのではないかと。

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関連サイト

• 『セブンスドラゴン2020』公式サイト