2011年11月28日(月)
バンダイナムコゲームスの『聖闘士星矢戦記』は、1986年から約3年間放送されたTVアニメ『聖闘士星矢』から、最も人気の高いエピソードである『十二宮編』を描いたPS3用ソフト。星矢や紫龍といった青銅聖闘士(ブロンズセイント)となって、雑兵を蹴散らしながら黄金聖闘士(ゴールドセイント)に挑むことができるACTとなっている。
そんなタイトルのインプレッションを水瓶座(アクエリアス)さくたろうがお届けしたいと思います!
「『聖闘士星矢』とは何さ?」という方もいるかもしれませんので、まずは簡単に説明をば。『聖闘士星矢』には、聖闘士と呼ばれる星座をモチーフにした聖衣(クロス)をまとった戦士たちが多数登場します。この聖闘士は、黄金(ゴールド)、白銀(シルバー)、青銅(ブロンズ)という順でランクがあり、最高ランクである黄金聖闘士は、黄道十二星座(牡羊座とか蟹座とかのあれです)の聖衣を身にまとっているのです。
そして主人公である星矢たちは最下級の聖闘士である青銅聖闘士で、聖域(サンクチュアリ)の最奥に潜む教皇を倒し、アテナの生まれ変わりである城戸沙織を救うというのが、本作のストーリーモードのメインとなっています。
▲小宇宙(コスモ)と呼ばれる体内エネルギーを燃焼させることで、聖闘士はその力を高めることが可能。一般的には下位の聖闘士は上位の聖闘士に太刀打ちできないが、星矢たちはこのコスモを極限まで高めることで、黄金聖闘士に立ち向かうことができる。 |
ストーリーモードでは、宮へ向かう道を進みながら雑兵を倒していく『十二宮への道』と、第7感『セブンセンシズ』を開放しながら黄金聖闘士と戦う『十二宮』の2つを繰り返し、アテナ神殿へと続く十二宮を1つずつクリアしながら進んでいくことになります。
ちなみに操作自体はそれほど難しくなく、□ボタン=弱攻撃、△ボタン=強攻撃、×ボタン=ジャンプ、○ボタン=必殺技1、R1ボタン=必殺技2、L1ボタン=ガード/回避となっています。そのほかに特殊なアクションとしてR2ボタンでの小宇宙バースト、L2ボタンでのセブンセンシズがあります。
また、R2ボタンとほかのボタンとの組み合わせで小宇宙バーストアクションが発動し、通常よりも素早く移動できるバーストダッシュや、威力がアップするバースト攻撃(弱/強/必殺技)などを繰り出せます。セブンセンシズは発動すると、周囲の動きがスローに。囲まれたときなどに使うとかなり便利です。
ちなみにこの2つのアクションは、画面左上に小宇宙ゲージを消費しますが、ザコ戦では強攻撃などで敵を吹き飛ばすとゲージを回復できるので、バンバン使ってOKです。
▲雑兵との戦いでは、彼らのみごとな吹き飛びっぷりに注目。わらわらと出現する雑兵を一気に蹴散らす快感は本作ならでは! | ▲雑兵=ザコとはいえ油断はできない。掴み攻撃や突進攻撃、さらには弓や火炎攻撃をしてくるものなど、雑兵の種類によって攻撃方法も異なる。 |
そして十二宮では、クライマックスとなる黄金聖闘士との戦いが始まる! この黄金聖闘士との戦いは、ザコ戦とは比べものにならないほど難易度が高い! そもそも青銅聖闘士が最強である黄金聖闘士に戦いを挑むということなのですから、当たり前っちゃ当たり前なのですが……。
この黄金聖闘士ですが、通常時ではこちらの攻撃はほとんど効かず、必殺技もかなり強烈。ただ戦いを挑むだけでは、まず勝つことはできません。そこで重要になってくるのが、周囲の動きをスローにするセブンセンシズ。このモードに突入した瞬間は無敵になるので、相手が必殺技を繰り出したらセブンセンシズを発動し、相手の必殺技を無効化。すかさず近づいて攻撃を当てるというのが、黄金聖闘士戦での基本となります(といっても、これだけでは勝てませんが……)。
ちなみに黄金聖闘士戦では、攻撃を命中させるとビッグバンエナジーが溜まり、それがマックスになるとビッグバンアタックというより強力な必殺技が発動できます。
▲各宮ごとに操作キャラクターは変化。金牛宮では星矢、天蠍宮では氷河といったように、TVアニメと同様のキャラクターを操作して黄金聖闘士に挑むことになる。 | ▲画像は山羊座(カプリコーン)のシュラと紫龍とのバトル。聖剣(エクスカリバー)という、すべてを斬り裂く必殺技を縦横無尽に放ちながら攻撃してくる。 |
▲セブンセンシズを発動すると、通常は回避が困難な黄金聖闘士の必殺技も回避可能に。自らの小宇宙を最大限まで燃焼させなければ、黄金聖闘士を倒すことはできない! | ▲ビッグバンアタックの発動に成功すると、特殊なムービーが発生。TVアニメでおなじみの"舞い"の挿入後に必殺技を放つ。その威力はかなり高く、黄金聖闘士戦ではかなり重要! |
黄金聖闘士戦はかなりの高難易度。はっきり言って難易度『Normal』で選んだとしても、けっして普通ではありません。クリアできないと思ったときは、(1つ前のステージに戻ることになりますが)ステージセレクトまで戻って『Easy』を選んだほうがいいかも。でも、原作ファンならば、あえてボロボロになりながら黄金聖闘士に挑むというシチュエーションもアリですが!
それとSELECTボタンを押すと、一部の聖闘士は聖衣を脱いで戦うことができます。聖衣を装着していると体力が徐々に回復する、攻撃力や防御力がアップするという利点がありますが、聖衣を脱ぐとそれらの利点がなくなる代わりに、小宇宙ゲージが格段に上昇しやすくなります。この状態ならばセブンセンシズも発動しやすくなるので、敵の攻撃を避けつつ戦うといったギリギリの戦いを挑むことも可能です。
▲黄金聖闘士戦では随所にムービーが挿入。原作のシチュエーションを再現したムービーもかなり熱い! |
▲ミッションモードでは黄金聖闘士も操作可能! 黄金聖闘士同士の戦いが起きるこということは、伝説の『千日戦争(ワンサウザンドウォーズ)』が発生することも!?(しません) |
本作は『聖闘士星矢』への制作陣の小宇宙がたっぷりと詰まっている作品となっています。アクションの再現度や敵の吹き飛び方、ムービーへのこだわり、なぜか吹き飛ばされたら脳天から落下する演出、雑兵の三下すぎるセリフなど、プレイすればゲームの端々からそれを感じ取ることができます。
星矢たち青銅聖闘士の声優が当時とは違うものの(メインキャストはOVA『ハーデス冥界編』と同様)、黄金聖闘士の声優はほぼ当時のままなので、当時のファンの人もプレイすればそのころの思い出が蘇っててくるハズ。ナレーションも原作同様に田中秀幸氏なので、そこもたまりません。欲を言えば、小宇宙を溜めているときに、なぜか周囲のガレキが浮き始めたりといった描写があれば、さらに最高でしたが!
子ども時代に聖闘士にあこがれた人は、ぜひ本作を手に取ってみてください。聖闘士たちの熱き戦いに一喜一憂したあの物語が、本作にはたっぷりと詰まっています。(電撃PlayStationライター・さくたろう)
(C)車田正美/集英社・東映アニメーション
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