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2011年12月28日(水)

【通好みゲームメーカー 会社案内 Vol.4 ケイブ編】浅田氏が『インスタントブレイン』で伝えたかったこと、そして梅本氏への思い

文:megane

 コアゲーマーなら好きそうなゲームを制作しているゲームメーカーを紹介する連載「通好みゲームメーカー 会社案内」。第4回目となる今回は、株式会社ケイブの開発部部長を経て、現在は同社執行役も務める浅田 誠氏へのインタビューをお届けします。

 聞き手は、これまでXbox 360で発売されたケイブ作品をすべて購入し、本作も実績を1000にするまでやり込んだmeganeです。

 ケイブといってまず頭に思い浮かぶのは、なんといっても弾幕シューティング。浅田氏もケイブ入社以来、数々の弾幕シューティングをXbox 360でリリースしています。しかし、11月に発売された最新作『インスタントブレイン』は、これまでの作品とはまったくジャンルが異なるアドベンチャーゲームです。なぜ浅田氏がアドベンチャーゲームを手がけることになったのか? そんな疑問が今回の記事で解消されれば何よりです。

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昔からアドベンチャーゲームが作りたかった

――なぜ今回はアドベンチャーゲームを手がけられたのですか?

浅田 そもそも、なんでケイブがアドベンチャーゲームを作ることになったかと言うと、これまでケイブは弾幕シューティングというジャンルで、アーケードやXbox 360にタイトルをリリースしてきました。しかし、会社としてはそろそろ新しいことにチャレンジする時期なのでは、と思っていたんです。また、自分は昔から「こんなアドベンチャーゲームを作りたい」ということを周囲の人にもらしていたんです。そこで会社が思う“新しいこと”と自分がやりたいことが一致したので、今回作らせてもらったというわけです。

――というと、昔からアドベンチャーゲーム自体は作りたいと思っていた?

浅田 そうですね。構想自体は前からあって、それを練っていった結果、『インスタントブレイン』となりました。とはいえ、最初に考えていた形とはちょっと違いますが……。今の時代に合うアドベンチャーゲームにしたらこの作品になったというのが実際のところです。やりたいと思っていた要素はいくつかは入れられたと思います。大人の事情でどうしてもできなかったこともありましたが……。

――今でもケイブとアドベンチャーゲームというのは、まだイメージとして結びついていない気はします。

浅田 何をするにしても、何かのスタートがないとまず始まらないわけで……。まず考えたのは、制作スタッフはなんらかのアドベンチャーに携わったことがある人間をそろえようということでした。自分の狙いどおり、周りのスタッフはアドベンチャーゲーム制作の経験がある人たちに集まってもらっています。制作面ではシナリオで本当に苦労したなという感じですね。

 今回のシナリオは、放送作家さんにお願いをしているんです。ですがテレビドラマのシナリオには慣れていても、ゲームのシナリオに長けているわけではないので、ゲーム向けにする修正の部分で相当時間がかかりました。その修正の時間が少なければ、もう少しシナリオの内容も詰められたかもしれません。そのあたりは今後の反省点としてあるところですね。ただ、章ごとの作りはテレビドラマっぽくしたかったので、そのあたりは狙いどおりとなりました。また、キャラクターの立たせ方は非常に上手でした。あのあたりはさすがといったところですね。

▲登場人物の1人である王城フーカ。鑑識官ながら重度のアイドルオタクという一面も持つ。主人公・原滝ゼンヤと何度も現場で出会うことになる。仕事柄、現場に関する情報は漏らせないのだが、ゼンヤが提示するアイドルグッズに目がくらみ、情報を毎回漏らしてしまう。

――ちなみに本作から“Team ASDF”という制作スタッフのロゴが入っていますが、これは何を表しているのでしょうか?

浅田 これは本作から自分が制作にかかわったタイトルに付けさせていただいています。「ASDF」って見ると、自分の名前である“浅田”(A Sa Da)から取ったと思われる人が多いと思いますが、実は違うんです。これは自分が昔ゲームで使っていたペンネームなんですが、キーボードのキーをAから順に右に見ていくと“A”、“S”、“D”、“F”になります。ちょうどうまい具合に並んでいるので昔から使っています。“浅田ファミリー”とか“浅田ファクトリー”とか言われることもありますが、そうではなくてキーボードの配列なんです。これを言うと皆さん「えっ」と言われますね。

――となると、これから作られるものにはすべて“Team ASDF”のロゴが付くということですか?

浅田 基本的にはそうなります。ただ、チームといってもメンバーが決まっているわけではありません。自分がかかわるものについて、このチーム名が付くような感じです。次回作をどんな形で、どんなプラットフォームでリリースするのかは未定ですが、一部のメンバーとは何かをやっていきたいと思っています。

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