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2011年12月15日(木)

PS Vitaで究極のエンターテインメント体験を――SCE代表取締役社長兼グループCEOのアンドリュー・ハウス氏が語る

文:電撃オンライン

アンドリュー・ハウス氏

 本日12月15日、SCEの本社において、同社代表取締役社長兼グループCEOのアンドリュー・ハウス氏によるプレス向けのラウンドテーブルが行われた。

 ラウンドテーブルは、明後日12月17日に発売されるPS Vitaのプレゼンテーションと、質疑応答の2部構成。イギリス出身のアンドリュー氏は、かつて8年間にわたって日本で暮らしたことがあり、プレゼンおよび質疑応答はすべて日本語で行われた。

 プレゼンでは、まずPlayStationビジネスについて言及。2011年9月末時点での全世界累計売上台数はPS3が5,550万台、PSPが7,310万台であることを明かし、今後もさらなる普及を推進していくと語った。また「究極のポータブルエンターテイメント体験を提供する」とするPS Vitaについては、今までにないインタラクティブなエンターテインメントの世界をPS上で実現するために開発したと話し、これまで以上に深くて没入感のあるゲーム体験を届けるとアピールした。

 既報の通り、PS VitaはWi-Fiモデルと3G/Wi-Fiモデルの2種類が用意されている。国内では12月17日、香港・台湾などのアジアでは12月23日、北米・欧州では2012年2月22日の発売だ。日本国内で10月15日にスタートした予約販売が大変好調とのこと。

 また、設計段階から“コミュニケーション”の機能が重要な要素と考えられており、高品質なゲームコンテンツに加えて、Twitter、Facebook、foursquare、FlickrなどのSNSやコミュニケーションサービスが手軽に利用できるという。まずTwitterに対応した専用アプリを、発売日当日からPS Storeで配信予定。それ以外の専用アプリは、年明け以降に順次対応するとのことだ。

 プレゼンの最後に、PS Suiteについて触れられた。PS Suiteは、クロスデバイスおよびクロスプラットフォームで専用デバイス以外でもPSの世界を展開することを目的とした取り組み。来春よりPS Storeを通じて、多彩なコンテンツの配信を予定していると話し、Xperia Playなどのモバイル端末やSony Tabletをはじめ、ソニー製品や他社製品を含めて対応デバイスの拡充を積極的に進めていくと意気込みを語った。

アンドリュー・ハウス氏 アンドリュー・ハウス氏
アンドリュー・ハウス氏 アンドリュー・ハウス氏
アンドリュー・ハウス氏 アンドリュー・ハウス氏 アンドリュー・ハウス氏

 続いて、質疑応答に移行。「日本では携帯ゲーム機が主流で、海外では据え置きゲーム機が主流という現状の中、PS Vitaの海外における勝算は?」という質問に、アンドリュー氏は「PS Vitaではネットワーク機能が充実している点」と返答。特にソーシャルネットワーク――人と人とがつながる機能を柱として、国内および欧米にアピールしていくとした。

 ゲーム機から脱してプラットフォームをまたいだ形を提案しているPS Suiteについて、「今後SCEはゲーム機にこだわり続けるのか、それとも脱ゲーム機の流れになるのか」という質問も飛んだ。

 アンドリュー氏は、PS Suiteは1つの大きな戦略と述べた上で、PS Suiteでカジュアルゲームを遊ぶようなユーザーをPSプラットフォームの専用機に取り入れたいと話す。ユーザーによってゲーム機に対する入口は異なるため、カジュアルゲームを遊ぶようなユーザーにもPS Suiteを通じてゲームのおもしろさを体験し、その上でゲーム専用機を手にするようになってほしいと考えているそうだ。

アンドリュー・ハウス氏

 また、「PS Vitaのソフトは今後、ダウンロード販売が主流になるか」いう質問には、「できるだけ、パッケージとデジタル配信を並行で行っていきたい」と返答。コアなゲームユーザーからは「パッケージを持ち歩きたくない」という声もあるが、一方で大容量のゲームのダウンロードが困難であるという声もあり、異なるニーズに対応したいとのこと。

 しかし、実験的で多少リスクのある作品を作りたい場合、在庫を抱えないという点でダウンロード販売ではやりやすいとも述べた。このためPS Vitaでは、そういうダウンロード専売タイトルがたくさん出てくるのではないかと話す。またダウンロード版は自由に価格を設定することができため、メーカーとしては幅広いユーザーに手ごろな値段でソフトを提供することができるようになるだろうと、ダウンロード販売への期待も寄せていた。

 なお、12月22日発売の『電撃PlayStation』では、アンドリュー氏のロングインタビューを掲載する。SCEの次なる施策やPSプラットフォームの今後の展開などについて語っていただいたので、そちらもあわせてチェックしてほしい。

アンドリュー・ハウス氏

データ

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