【PS Vita 同時発売タイトル インプレッション】『真・三國無双 NEXT』――ハイクオリティで遊べる新世代の『真・三國無双』！

文：電撃PlayStation

　『真・三國無双』といえば、なんといっても王元姫ちゃん！　……ゴホン、じゃなくて群がる敵兵をなぎ払う爽快感ですよね。敵兵が多ければ多いほど、グラフィックがきれいであればあるほど、この一騎当千感は増すものです。今までの携帯版は、ゲーム性の面でかなりがんばっていたとはいえ、自分のなかではグラフィック面で少し物足りないものがありました。

　今回は、新たな携帯ハードで初となる『真・三國無双』。高性能でも、携帯機だし……と身構えてプレイしたボクが最初に目にしたのは、そんな浅はかな予測を裏切る、据置ハードのPS3と遜色ない美麗なグラフィックでした。オープニングムービーはもちろん、ゲーム中のキャラクター1人1人の表情までもがクッキリと描画されており、携帯ハードとは思えないほどの美しさに思わず感動。王元姫ちゃんもPS3クオリティ！　すいません、しつこすぎました。でも、本当にこの綺麗さは手のひらに収まるPS3版『真・三國無双』といった感じ。しかも、ゲームの中身は従来とは同じようで思いっきり違うという斬新な物です！

▲ボリューム満点、シリーズとしての新機軸にもあふれた本作。ダウンロードコンテンツも順次配信予定で、本体同時購入ソフトとして欠かせない1本！

■完成されたゲーム性に、新たなスパイスを加えている直感操作

　本作は、タッチ操作やジャイロ操作といったPS Vitaの新機能が投入されているので『真・三國無双』らしさがなくなっているのでは？　と不安に思っている人もいるかもしれません。ですが、そんな心配はまったくの杞憂！　□ボタンと△ボタンでコンボを次々と繰り出していく一騎当千の爽快感は健在ですし、直感操作も違和感なく溶け込んでいます。敵兵が奇襲してくる『アクシデンタルバトル』や、タッチ操作や本体シェイクで攻撃する『神速乱舞』、武将との『一騎討ち』など、直感操作は特定の場面でしか使わないので、わずらわしさはありません。むしろ、こうした直感操作がアクセントになって、ゲーム展開が目まぐるしく変わって臨場感抜群！　とくに『一騎討ち』のタッチ操作は、相手が防御する感覚を見極めてタッチをしていく必要があり、がむしゃらに操作するのではない戦略性もあります。

　ゲーム開始時のメニュー操作が方向キーで選べる点も好感触。新機能をムリに使わせず、ゲーム中で必要な場面でしか使っていません。また、直感操作ばかりに目がいきがちですが、本作の革新的な部分としては、Rボタンによる『チェイン攻撃』も挙げられるでしょう。この技は、さまざまな攻撃をキャンセルして繰り出せるというもの。従来のシリーズでは不可能だったコンボも可能になり、技を途切れさせずに繰り出す感覚はかなり新鮮です。とはいえ、調子に乗ってガンガン出していると、敵も防御するようになったり、スキを見つけて反撃されたりしますが……。

　基本的な操作はいつもどおりなのに、本作はこうした要素によって、従来以上にアグレッシブな戦いが楽しめます。熱くなりやすい要素が多くプレイするときにエネルギーを使いますが、1ステージにかかる時間は短め。ちょっとした合間に遊べるのも素晴らしいです。

▲特定の敵武将に遭遇すると一騎討ちが発生！　相手の攻撃や防御のタイミングをよく見て反応しよう。

■出し惜しみなく、あらゆる要素がボリュームたっぷり！

　操作性の面でも素晴らしい本作ですが『真・三國無双』シリーズといえば、やはり『三国志』の物語を体験できるストーリーモードも魅力の1つでしょう。

　本作では、いつものストーリーモードにあたる部分が『演義モード』と呼ばれる新たなモードになっています。これまでは、武将や勢力別で物語が語られてきましたが、今回は年代別に物語を追体験する形に変化したので、三国志の知識がなくても問題なく入り込めます。史実を学べる『事典』機能も読みやすくフォローが細かいので、むしろ本作から三国志の世界に入るのもありかもしれません。

　ネットワークを使った遊び要素も見逃せません。全国のプレイヤーとデータをやり取りする『争覇モード』では、攻め込んだ地域に出現したエディット武将を仲間にしたり、全国ランキングを確認しつつ競い合ったりと、1人プレイなのにマルチプレイのような不思議な感覚で遊べます。さらに、通信機能で協力プレイが遊べる『共闘モード』も搭載。こちらは、4つの専用ルールでマルチプレイが楽しめます。オススメは敵も味方も一撃で力つきる『一撃』。その名のとおり、どんな攻撃でも1発で力つきるので、弓兵にビクビク、パンダにドキドキしながら戦場を駆け抜けて行き、拠点を制圧するという爽快感と緊張感が同時に味わえるルールです。4人でやると、すごく盛り上がりますよ！

　加えて、本作ではミニゲーム集の『遊戯モード』まで収録。直感操作を使ったミニゲームを体験できるので、友だちにPS Vitaの機能を説明するのには、持ってこいだったりします。カメラ機能を使った『無双スナップ』を使えば、観光地にある“有名武将の絵に顔だけ出して記念撮影するパネル”みたいな写真が取れたり、敵兵を吹き飛ばしている写真を撮影したりとおバカな写真も撮り放題！

▲『争覇モード』では、武将カードの収集やエディットパーツ集めといったやり込み的なコレクション要素も楽しめる。		▲エディット機能で作れる武将のパターンはかなり豊富。防具の部位も5カ所と細かく、最大で100名まで登録可能だ。

▲『遊戯モード』の『無双スナップ』で、撮影した写真を自由に編集。筆で文字を書き込んだり、武将や敵兵のスタンプを使って一緒に撮影してみたりと、自分だけのおもしろ写真を作れる！		▲武器の収集要素や、通信機能を使った遊び要素も満載。やり込めばやり込むほど、遊びの幅がグングン広がっていく！

　新ハードの1作目とは思えないほどのボリュームと、遊びごたえのあるゲーム性を両立した非常に完成度の高い作品になっています。本格的な『無双』を遊びたいシリーズファンにも、入門用として遊ぶ初心者にも、どちらにもオススメできる1作ですね。（まさん）

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関連サイト

• 『真・三國無双 NEXT』公式サイト
• 電撃オンライン内『PS Vita 同時発売タイトル インプレッション』特集ページ