2012年1月7日（土）
【Spot the 電撃文庫】規格外の面子が集まる館での連続殺人事件を描いた『探偵失格』の作者・中維先生のインタビューをお届け！
■ 心掛けているのは“かっこいいアクションシーン” ■
――初の商業作品が刊行された感想を教えてください。
つい先日までは本を読む側の人間だったので、いまだに半信半疑です。いつ“ドッキリ”のプラカードを持ったスタッフが登場してもいいように、シャドーボクシングは欠かしていません。
――今後、どういった作品を発表していきたいですか？
まだ自身の創作願望に技術が追い付いてない状態なので、コツコツと着実に、前作よりもおもしろい物語を書けるよう精進してきいたいです。
――小説を書こうと思ったキッカケはなんだったんですか？
友人が楽しそうに書いていたので、そんなに楽しいのなら自分も書いてみようかなと。今思えば、これが修羅道の入口でした。
――小説を書く時に、特にこだわっているところは？
“かっこいいアクションシーン”を心掛けています。ただ、実践はできていませんが。文章はその特性上、アクションシーンは漫画やアニメといった映像よりも情報量が少なくなってしまいます。そのためアクションシーンのクオリティは筆者の技量に左右されますから、バトルもので人気を博している作家さまは素直に尊敬しております。
――アイデアを出したり集中力を高めたりするためにやっていることは？
ここぞというところではご飯を抜きます。山場を越えるまでは欲しがりません、勝つまでは！ 自分と作品、どっちがやられるか勝負です！ ……なんてカッコイイことを書いておりますが、お察しのとおり、大抵やられている毎日です。
――現在注目している作家・作品はありますか？
高野和先生の『七姫物語』です。先生の作品は空想世界なのにそこに生きる人物たちの生活感に説得力があるんですよ。その人物から視点が離れても、作中時間が経過しても、読者に「こいつらはちゃんと生きてるんだよなぁ」と想起させてしまう存在感は、いち読者として大変楽しませていただきました。おかげで“くるぶしフェチ”に目覚めそうです。高野先生、どうしてくれるんですか！
――高校生くらいのころに影響を受けた人物・作品は？
古橋秀之先生の『ブラックロッド』です。当時はヤンキー漫画ばっかり読んでいた自分でしたが、書店でひと際禍々しいオーラを放っていたその作品を手に取ったことでライトノベルに対する価値観が一変。ライトノベルを読むようになりました。ありがとうございます！
そして洋楽（ヘヴィメタル）ですね。中学生までは、音楽といえばPOPと演歌とクラシックしか知りませんでした。そんな自分に友人が教えてくれた音楽がヘヴィメタルでした。自分の香ばしさのルーツはここにあると自己分析しています。今思うと、よりにもよって、なんてもんススメてきやがったんですかね。ありがとうございます！
もう1つ、映画『史上最悪のボートレース ウハウハザブーン』です。某TV局で1年に1回は放送されていました。お下劣、低俗、ナンセンスと三拍子そろったお手本のようなB級映画です。腹抱えて笑いました。いまでもVHSに保存してあります。家宝。後々知ったことですが、原題は『THE WAVE』というらしく、邦題を考えた人は天才ですよね！
――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください。
ゲームをするには時間がかかるわけで、そうなると当然何かを削らなければいけないわけで、最終的には睡眠時間という結論に達するので『電撃PlayStation』を定期購読してゲームをやっている気分になります。
――それでは最後に、読者へのコメントをお願いいたします。
本作品は現代が舞台です。登場人物は凡人の主人公を含めて、妖怪殺し、喋る鳥、無敵軍人、武装メイド、企業執事、魔女、ゾンビじいさん、皇族のボンボン、髑髏（どくろ）の殺人鬼、不老不死のお姫様とバラエティに富んでいるというか、かなり闇鍋的なものに仕上がっております。もしもこの中で読者さまの興味のありそうなワードが入っていましたら、ぜひとも本作品を手に取っていただいて、登場人物らの行く末を見守ってやってください。
それと、本作のカバーイラストを見てビビッときた方。大丈夫、損はさせません。中のカラーイラストはもっと素敵です！ イラストレーターのぜろきちさまと編集さまのフェチズムが凝縮している逸品になっていますので、これが本作の目玉と言っても過言ではありません！ どうぞご期待くださいませ。
(C)2011 ASCII MEDIA WORKS
表紙イラスト/ぜろきち
データ
- ▼『探偵失格 愛ト謂ウ病悪ノ罹患、故ニ我々ハ人ヲ殺ス』
- ■発行：アスキー・メディアワークス
- ■発売日：2011年12月10日
- ■価格：620円（税込）
- ■『探偵失格 愛ト謂ウ病悪ノ罹患、故ニ我々ハ人ヲ殺ス』の購入はこちら
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