2012年2月14日（火）
お金がなくてもカードゲームで勝てる!? 第18回電撃小説大賞銀賞受賞『ウィザード＆ウォーリアー・ウィズ・マネー』三河ごーすと先生インタビュー
■受賞作は1カ月で執筆
――先生の無表情無口へのこだわりは読者に十分伝わったと思います。先ほど投稿歴の話が少し出たので、それについて教えてもらってもいいですか？
18歳のころに1作目を書いて、それから大体1年に1本ほどのペースで書いて、今回が4作目になります。
――その時に書いていた作品はどのようなものだったんですか？
初めて書いた作品は、日常の謎を追うようなミステリーです。それは2次選考を通過して3次選考で落ちました。その次に、ミステリー要素にバトル要素を追加したものを書いたんですが、これも2次選考を通過して3次で落ちました。ちょうど2回目の投稿の時から、電撃大賞さんが選評を返してくれるようになって、そこに「ミステリー要素いらないんじゃないの？」と書かれていたんです（笑）。
――バトルだけでいいんじゃないかと（笑）。
ミステリー物が好きなのでよく読んでいたんですが、自分で書くのが得意かというとどうなんだろうと思い直しまして。それまではミステリー要素ありきだったんですが、今回ようやくミステリー要素を消すことができました。むしろバトル物だったらどんな風にしたらおもしろいのかと考え方を変えていったんです。
――そもそも、小説を書こうと決めたきっかけはなんだったんですか？
ハリウッド映画が好きで、その脚本を書こうと思ったんですが、英語ができないのできっぱりあきらめました（笑）。仮に英語を勉強しても、脚本を書くんだったら細かい言い回しまでわからないとダメだろうと思って。そもそも日本とは文化が違ったりするので。
――確かに、そこまで勉強するのはかなり難しそうですよね。
ハリウッド映画はダメ。じゃあ日本の映画はどうかと考えたんですが、日本の映画が得意なジャンルって、僕が書きたいアクションやファンタジーとはちょっと違うんですよ。なので、小説だったら自分の書きたいストーリーを好きに書けると思ったんです。ライトノベルを選んだのは、自分がやりたいことに一番近いと思ったからです。ライトノベルは、アクションやファンタジーの要素が強いジャンルですから。
――今回の作品の執筆期間はどのくらいなんですか？
構想から執筆まで1カ月です。
――え、1カ月ですか!? 早いですね。
締め切りの1カ月前まで別の作品を書いていたんですが、急きょこれが書きたくなったんです。なので書かざるを得なかったというところはありますね。1日何枚書けばいいかとシビアにスケジュールを管理して、結果的には締め切り1週間ぐらい前に書き上がりました。
――筆が止まったりすることはなかったんですか？
情報量が多い作品だったので、書かないといけないことがたくさんあって、書き進める上で困ることはありませんでした。書きたいシーンなどもちゃんと用意していたので。逆に自分の場合は、情報量が少ない学園ラブコメなどの方が、間を持たせたりするのが大変なんです。
――今後書いてみたい作品を教えてもらえますか？
今はシリアスな作品を書いているので、逆にハイテンションなバカ騒ぎをするような作品を書いてみたいです。あとはこの作品のキャラクターたちに、バトルやシリアスとは違う、気の抜けた日常を過ごさせてみたいなと思いますね。映画が好きなので、エンターテイメント性のある、楽しめるものを作りたいんです。メッセージ性やテーマ性が強いものよりは、熱いとか笑えるとか、恋愛要素にニヤニヤできるとか。そういったものを書いていきたいですね。
――それでは、最後に読者と、カードゲーム好きに向けてメッセージをお願いします。
表紙のヒロインと主人公の男の子が、価値観や過ごしてきた環境の違いで、反発しながらも手探りで交流を深めていく物語です。少年少女の交流やバトルを楽しんでください。イラストを含め、ヒロインもとてもかわいいので、ぜひ手に取ってみてください。カードゲームが好きな人には、カードゲームの要素にバトル要素も混ざったものになっているので、新鮮な感覚で楽しんでもらえると思います。
――ありがとうございました。
(C)GHOST MIKAWA / ASCII MEDIA WORKS
データ
- ▼『ウィザード＆ウォーリアー・ウィズ・マネー』
- ■発売元：アスキー・メディアワークス
- ■発売日：2012年2月10日
- ■価格：599円（税込）
- ■『ウィザード＆ウォーリアー・ウィズ・マネー』の購入はこちら
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