2012年2月14日(火)
――『PB』の最新シナリオである『マローネの物語』から300年の月日を経て、世界はどのようになっているのでしょうか?
芳賀:まずマローネの時代は、世界は1つで国に分かれたりはしていなかったのですが、300年後の世界である『WPB』では「当時の世界がそのまま進んで行ったら、各地域の勢力が国を作っていったのではないか?」というのを想定して作らせていただきました。『WPB』では4つの国に分かれておりまして、プレイヤーにまずどこの国に所属するかを選択していただく形になります。
平岡:そこにゲームのキーになるスフィアがかかわってくるというアウトラインを作らせていただいたんですよ。ここの部分も「こういう風にしたいんですよ」と打診しましたら、「実は、こういう設定があります」といったような裏設定のフィードバックを日本一ソフトウェアさんからいただきまして。それをまた盛り込んだりといった感じで制作が進みましたね。
小酒井:今までの『PB』シリーズでは“決まっていたけどゲーム上に出てこなかった設定”なども数多く存在しておりまして。裏の設定というか、まだ表に出ていないものを、今回の『WPB』で形にしていただいてるものも多々ありますね
杉山:せっかくなので、まだ外には出していない事実もお話しましょうか(笑)。『PB』でまだ未回収のエピソードを、弊社の新川が直々にシナリオを書き起こしまして、そちらを『WPB』に落としこむ形でお客様に楽しんでいただこうというたくらみなども用意しております。
――それは『PB』ファンの皆さんにはぜひやっていただかないといけないですね!
杉山:逆に『WPB』でこのシリーズに初めて触れられたというお客様は、フレンドとのふれあいの中で、元の『PB』が気になってくるのかなと思えるんですよね。そういった感じで、既存のファンと新規のファンの両方に満足していただける取り組みになるのではないかと考えています。
――日本一ソフトウェアさんは、『WPB』では監修といった形で、開発自体には携わっていらっしゃらないのでしょうか?
小酒井:そうですね、開発はガマニアさんで行ってもらっています。そこに対して確認や監修といった形がメインですね。システム面に関してもベータ版を触らせていただいて、社内で確認をしつつ、ここはこうしたほうがいいのではないかなどの意見を出させていただいたりとか。
――日本一ソフトウェアさんの意見にはどういった内容のものがありましたか?
平岡:実はアルファ版が上がった時点からずっと継続して見ていただいていたんですね。大抵こうした取り組みの場合「アルファ版で見ていただいたものをブラッシュアップして、また上がってきた物を見ていただく」という風に断片的にやるんですが、今回の場合は「弊社が用意しているテストサーバにずっと入れますよ」という形にさせていただいたんです。日本一ソフトウェアさんからは、数値などのデータで来るようなレポートだけではなく「どういうプレイをしたのか」みたいな感じでフィードバックをいただきました。弊社としてはやはり“オンラインゲーム”として作ってしまうので、コンシューマゲームをずっと作られている日本一ソフトウェアさんに見せ方の部分などをご指摘いただいて、本当に助かりましたね。
杉山:実際、社内でブラウザゲームにどっぷりはまっている人数があまり多くなくて、言ってしまえば“素人から見た純粋な意見”をガマニアさんに返すことができたのではないかと思います。
――ガマニアさんにとって、オンラインゲーム慣れしていないプレイヤーの意見というのは新鮮だったのではないでしょうか?
芳賀:そうですね、自分たちの中で当たり前だと思っていたことを指摘されたり、基本的な見落としの部分が大きかったですね。
平岡:どこの会社もそうだと思うんですけど、自社のセオリーに沿って組み立てをしてしまうんですね。それはあくまでもその会社が作っていたセオリーなので、細かい部分の見落としをご指摘いただけたのはよかったですね。
芳賀:つい「え、ここは説明しないでもわかるでしょ?」みたいな感覚を持ってしまうので(笑)。大変ありがたいご指摘でした。
平岡:そしてこの後、一般のユーザーさんを対象に2回のデバックテストをやらせていただいたんですけど、その時も参加してくださったプレイヤーのほとんどが『PB』のファンの方だったんですね。その際もコメントでいただいた要望が“さすが日本一ソフトウェアさんのファンの方ばかりだ”という感じで(笑)。
芳賀:かなり具体的なご指摘や提案をいただけたので、開発側もお客様の声をフィードバックすることができました。
平岡:「みんなで作り上げたゲームになったなぁ」と思っています。
――ユーザーさんの声を受けて改良された点にはどのようなものがありますか?
平岡:改良点は数えきれないほどありまして。この場で申し上げると時間が全然足りなくなっちゃいます(笑)
芳賀:今回のテストで印象に残ったのは、とにかく“ご意見・ご要望の量”ですね。一般のデバックテストに比べて圧倒的に多くて、内容も濃いものが多かった印象です。
平岡:あと、操作性に関してのご指摘がかなり多かったですね。とにかくアイテムやファントムの合成をたくさんやるゲームなのですが、デバックテストの段階ではアイテムの量とか使い勝手の部分がまだまだ足りていなくて、その意見をフィードバックさせていただいたりしました。
――それでは現段階で出来上がっているゲームはだいぶ開発開始当初とは違う物になっているんですね。
平岡:かなりバージョンアップを繰り返していて、アルファ版から比べるとまったくの別物ですね。
――アルファ版はどのくらい前にでき上がっていたんでしょう?
芳賀:昨年の2月くらいには出来ていました。
平岡:ある程度のデータは入っていて、ゲームとしては普通に遊べるものだったんですけど、バランス部分などはまだまだのものでした。そこからデバックテストを経てだいぶ機能が盛り込まれていますね。
――最初のデバックテストまで、半年以上ブラッシュアップをされていたんですね。ところで、チュートリアルの部分で過去の『PB』のキャラクターがちらっと出ていることは確認したのですが、今後ゲームを進めるにつれて『PB』のキャラクターが出てくるなどといった要素はまだナイショだったりしますか?(笑)
小酒井:その辺りは「こうご期待」ということで(笑)。
芳賀:こういったゲームで出ないということもあまりないとは思いますが、タイミングを見計らって発表していければと思います(笑)。
――了解ですっ。それでは具体的なゲーム内容に関して少し質問してもいいでしょうか? “セルレウム”と呼ばれる国やプレイヤーに与えられる島、それからフレンドによって、何かゲーム内容が変わるのでしょうか?
平岡:実はセルレウムに関してですが、そこに所属する人数によって、その後のゲーム内のパラメータが変わったりします。こちらはお客様には見せない隠しパラメータになっているのですが、人数が多いところと少ないところで均等な力バランスになると想像していただければと。
――所属するプレイヤーの人数差以外に、それぞれのセルレウムによって、最初からの特性の違いなどはありますか?
平岡:現状では特性は持たせていないですね。これはゲームの後半にかかわってくる要素ですのでイーブンになっています。
――つまり完全に好みで選んでもいいわけですね?(笑)
平岡:そうですね。完全に見た目の好みで選んでいただいていいと思います。
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